2022年3月26日 構成/とり
グラビアライター・とりとグラジャパ!スタッフ・金髪りさによるグラビア好き女子ふたりが、気になるグラビア美女やデジタル写真集を女子目線で語るコラム。第45回は、親や先生には見せられない! 令和のグラビアクイーン・沢口愛華の“ひみつの通信簿”。
芸能界を夢見る女のコたちの希望
とり 7年ぶりに復活した「ミスマガジン2018」でグランプリを獲得した沢口愛華さん。4年経った今もなお人気を集め続けているのはスゴいですよね。ミスマガ受賞時は名古屋に住む15歳の高校生だったのに、昨年春には卒業し、その後上京までされました。この間、グラビア誌で見ない日はなかったですよね。
金髪 昨年の「カバーガール大賞」(集計期間:2020年1月〜12月)では大賞を含む史上初の4冠を、さらに今年(集計期間:2021年1月〜12月)は「10代部門」で2年連続首位を達成しました。まさに“令和のグラビアクイーン”の称号通りのご活躍ぶりです。
とり 名実ともにって感じですね! そう言えば金髪さんは、毎年開催されるミスマガにかなり注目されていますよね。やっぱり沢口さんの存在って大きいんですか?
金髪 そうですねぇ。毎年注目するようになったのは、それこそ沢口さんがグランプリに選ばれた年のミスマガメンバーがあまりに粒揃いでビックリしたからだったので。それ以降、ファイナリストが発表されるたびにチェックしていますけど、毎年、発掘力が飛び抜けてスゴいんですよね。みんな胸が大きくて、スタイルが良くて、顔もかわいくて。ファイナリスト全員にグランプリをあげたいくらい、ポテンシャルの高いコばかりが揃っているんですよ。
とり 確かに、賞を逃してしまったコたちも、みんなかわいいですよね。ミスマガにそれほどの逸材が続々と集まる理由は何なんですかね?
金髪 復活したばかりの2018年はともかくとして、それ以降は、沢口さんの影響もあると思いますよ。何せ、あれだけ雑誌の表紙を飾っているんですから。グラビアには興味がなくても、沢口さんに憧れて「一回、ミスマガ受けてみようかな」って思うコ、結構いる気がします。
とり それに沢口さんは、もともと名古屋のご当地アイドルグループ出身ですもんね。愛らしいルックスに大きな胸というグラビア的ポテンシャルを持っていたとはいえ、無名に近いところから全国区のグラビアスターになったドラマチックな前例を作った影響は、大きいかもしれませんね。
金髪 「私もグラビアを頑張れば人気者になれるかもしれない!」ってね。言わば希望の象徴ですよ。
とり お話を聞いて改めて思ったのは、沢口さんのグラビアのナチュラルさ。背伸びをしすぎていないからか、場所がどこであろうと、どんな衣装を着ていようと、常に沢口さんらしさが滲み出ている気がするんですよね。
金髪 沢口さんらしさって?
+アーカイブス『少女革命』(撮影/YOROKOBI)より
とり 例えばこのカット。オレンジがかった照明とビビットピンクの下着が、当時16歳の沢口さんの無垢な表情とどこか不釣り合いですが、沢口さんは、そこで無理に大人っぽくしようとしないんですよね。セクシーさだけがグラビアじゃない。むしろ自分らしくあればあるほど、想像以上に面白おかしな世界が広がっていくんだと、グラビア表現の自由さを体現してくれているというか。沢口さんと同世代の女のコたちの目に「楽しんだモン勝ちのお仕事」としてグラビアを映している部分もある気がしましたね。
金髪 負い目なく見られますもんね。沢口さんのグラビアって。デリケートな話、ときに10代のコのグラビアを見ていると「本当はグラビアやりたくないのかな」って本音が見え隠れすることがあるけど、それだと読者は心から楽しめないじゃないですか。でも沢口さんのグラビアには、負の感情が全くない。“ミスマガグランプリ”と誰もが納得できる圧倒的なスタイルを持ってして、晴れやかな気持ちでグラビアに写ってくれているのは、男性ファンからしてもこの上ない存在だと思いますよ。
とり 沢口さんのグラビアに負の感情がないのは、グラビアによって人生が大きく変わった分、真摯に向き合いたい気持ちが人一倍強いからじゃないですかね。本誌(『週刊プレイボーイ31号(2019年7月22日発売号)』)のインタビューでも、「(名古屋のアイドルグループでは)しゃべりや演技がうまい先輩たちのなかでは絶対に埋もれる」と思い、「沢口にしかない魅力を探していたときにミスマガを受けて、絶対グランプリを取らなきゃなって決意した」と、ミスマガやグラビアへの思いを語られていましたし、実際にグランプリを獲得したことで、アイデンティティを感じられたでしょうし。
金髪 ミスマガを受けていなかったら、今とは全く違った人生を歩んでいた可能性もありますからね。
とり 本当にそうですよ。沢口さんの人気はまだまだ衰え知らず。沢口さんに憧れてミスマガを受けるコは、今後またさらに増えていくかもですね。
金髪 ねー! ミスマガ、ますます見逃せないなぁ(キリッ)。
「グラビアを続けていたいけど、今年で終わりかも……」
とり グラビアで見るビジュアルもさることながら、素直な感性もまた沢口さんの魅力ですよね。というのも私、沢口さんのインタビューを読むたび、沢口さんの叔母になった気分になるんですよ。
金髪 えっ、叔母?
とり 週プレでは年に2回のペースでインタビューに答えられているんですけど、その都度、年相応な感情の変化をストレートに語ってくれているんですよね。久々に会った姪っ子の話にやさしく耳を傾けている叔母の気持ちになって、ピュアで飾り気のない話ぶりに目を細めてしまうんです(笑)。
金髪 頻繁に顔を合わせる親や先生じゃなく、あえて叔母なのは「年に2回のペース」だから……?
とり そうです!「半年前に会ったばかりなのに、またお姉さんになったねぇ」みたいな感情が芽生えてくるんですよね。
金髪 それは、例えばどんなところで?
とり いちばんわかりやすいのは、少しずつ将来の夢を明確に語るようになっていくところですね。高校2年生(16歳)の頃「女優になりたいけど自信がない」と話していたのが、高校3年生(17歳)の頃には「いろいろ考えすぎた結果、ニートになりたい」と(笑)。で、高校を卒業されたあと(18歳)のインタビューでは「芸能一本でやっていきたい」と決意を固められているんです。この心の揺らぎや考え方の変化、ごくごく普通の高校生らしくないですか?
金髪 タレント活動をしている女のコの多くは「絶対、女優になります!」くらいの勢いで、一貫した答えを持っていますもんね。改めてインタビューを読み返すと、将来に悩む女子高生のリアルな心の動きが見られて面白いですね。
+アーカイブス『スタートライン』(撮影/YOROKOBI)より
とり そうなんですよ。それを踏まえたうえで、このカットを見てください。高校を卒業した沢口さんが新たなスタートを切ろうとしている瞬間を収めたグラビア(『スタートライン』/週プレ プラス!「+アーカイブス」にて閲覧可)で、ちょうど「芸能一本でやっていきたい」とインタビューで話されていた時期の表情です。「進路選択を迫られ、ひとまず方向性を定めたものの、本当にこれで良かったのかなぁ」と、ひとり思い直している表情に見えませんか?
金髪 そう言われると、そう見えてきますね。
とり いつもカメラ目線で笑顔を見せてくれている沢口さんのふとした横顔。光に照らされた“グラビアクイーン”にも不安や悩みはあるんだなぁと思うと同時に、沢口さんの言葉に触れられるインタビューと、不意の表情(心情)に触れられるグラビアは、親や先生には見せられない“ひみつの通信簿”なんだろうなとも思いました。それこそ、たまにしか会わない叔母だから見せられるような。
金髪 “ひみつの通信簿”?
とり 本当の通信簿は、先生が作って親に見せるものじゃないですか。でも、そこに沢口さんの本音が書かれてあるとは限らなくて。逆に、身近な人には言い出しにくい心の内をオープンにしているのが“ひみつの通信簿”(グラビアやインタビュー)ってわけです。年に2回しか会わない叔母になら怒られることもなさそうだし、何でも素直に話せちゃいそうですよね。
金髪 なるほど。グラビアやインタビューを通して、より素直な気持ちを伝えてくれているってことですね。
+アーカイブス『スタートライン』(撮影/YOROKOBI)より
とり はい。実際“令和のグラビアクイーン”と聞くと遠い存在のように感じてしまいますが、“ひみつの通信簿”から感じられる等身大の姿は、わりと身近で素朴で。自信がなくて迷ったり、悩み疲れてふざけたり。めちゃくちゃ人間味があるんですよね。そんなコが、グラビアの世界で夢のような大活躍をしている現実。このシュールなギャップを惜しみなく見せてくれているところが、沢口さんの“ひみつの通信簿”の面白さなんですよね。
金髪 グラビアだけじゃ伝わりきらない一面ですね。
とり そして何より“ひみつの通信簿”のいちばんの見どころは、沢口さんのグラビア愛。毎回、沢口さんなりの言葉でグラビアに対する気持ちや熱を表現してくれているんですよ。例えば、よく「グラビアを続けていたいけど、移り変わりの激しい世界だから、今年で終わりかもしれない……」みたいな危機感をあらわにされているんですけど、そういった不安を素直に言葉にできるのは、グラビアに対する愛情が深いからじゃないですかね。
金髪 ネガティブな響きとはいえ、ずっと第一線で活躍したいプライドがないと、そういう危機感も芽生えてこないでしょうからね。
とり ですよね。答えも完成もないグラビアの世界で、沢口さんは、どこまでグラビア愛を貫けるのか。次の“ひみつの通信簿”に何が書かれているか、とても気になります。本格的に女優の夢を追い始めた19歳の少女の物語。きっと、ここからが面白いところなんだろうなぁ。
(構成/とり)
いま見ると少し幼い気がする!? グラビアデビューから1年経った頃に、台湾で撮られた16歳の無垢な姿にときめきます。プールやビーチで見せる天真爛漫さ。屋台で見せる愛嬌たっぷりの存在感。この瞬間にしか出会えなかったであろう沢口さんの表情にキュンキュンです♡ それにしても、16歳とは思えぬプロポーションだなぁ。
高校を卒業し、未だ見ぬ場所へ旅立とうとする沢口さんの“ちょっぴりオトナな”表情が見られるグラビアです。新しい光に包まれて、ゆらゆらどこへ向かうのか。希望を宿した瞳で見つめる、遠い未来とすくむ足もと。一進一退。“グラビアクイーン”と呼ばれてはいても、感情は誰よりも忙しない。揺らぐ心。おちゃらけた笑顔。どちらもきっと嘘じゃない。