『初グラビア物語~My First Gravure Story~』第3回後編 片山萌美

「週刊プレイボーイ」のグラビアを彩る女性たちが、人生でたった一回きりとなる「初グラビア」について語る連載シリーズ。


今回は、女優・片山萌美さんによる後編。彼女は『週刊プレイボーイ』の2014年39号に初登場。『見つけてしまった……』のタイトルのもと、プロフィールを含め細かな情報はなく、女優であること、名前は片山萌美であることのみが明記されたグラビアは当時、大きな話題となりました。後編は初グラビアの撮影から本誌の発売まで。片山さんは一体、どんな思いを抱いていたのか。話を聞きました。


ーーいよいよ、初グラビアの撮影になるんですが、ロケ地は長野県・上田だったとか。


片山 正直、「大丈夫かな」って、不安はあったんですけど、スタッフの方々はテストの時と全員一緒だし、実質的に二回目ってこともあって、少し楽な気持ちで臨めましたね。いや、楽というより、結構ワクワクしてたかな。私、ロケが初めてで。早朝に集合して、みんなでバスに乗っていくのって遠足みたいだなって、前日から楽しみでした(笑)。

そういえば行く前にひとつ疑問があって。長野県って海がないじゃないですか。それで水着をどう撮るのか不思議で。いまならグラビアは場所に関係ないことを知ってるけど、バスの中でも気になって仕方なかったです。


ーーロケでは洋館の中、プール、温泉、草原、あと本誌には載りませんでしたが畳敷きの和室などさまざまな場所で撮ってますね。


片山 いや、本当にたくさんの量を撮るんだなって、驚きましたよ。しかもすべて素敵な場所で、移動する度に感激してました。あと衣装がどれも可愛くて。露出する恥ずかしさは相変わらずあったんですけど、その一方で着る楽しさもありました。スタイリストさんにどこで売ってるのか聞いたりもしましたね。


デジタル写真集『見つけてしまった……』(撮影/唐木貴央)より


ーー撮影で特に印象に残ってることは?


片山 誌面には載らなかったんですけど(デジタル写真集『見つけてしまった……』収録)、草原で走ったことですね。ちょっとやってみてって言われたので走ったんですけど、動きがぎこちなかったらしくてみんなに爆笑されちゃって(笑)。でもあれは仕方ないですよ! 緊張してたし、草原で足場がとられちゃったし! あとは「展開」って言葉とか。


デジタル写真集『見つけてしまった……』(撮影/唐木貴央)より


ーー展開? それって衣装を着た状態と、それを脱いで水着になった状態をそれぞれ撮影するってことですよね。


片山 そうそう。その言葉を聞いたのは初めてで、「なにそれ?」って頭に焼きつきました。でもその「展開」も難しかったですね。着ている状態から「脱いで!」って言われても、見せるように脱ぐのか、ただ脱げばいいのかわからないし。その上、屋外ですから(笑)。恥ずかしいし、相当ぎこちなかったと思います。あとその時に行ったプールは「初めてのグラビアで、そこで撮影したら売れる」ってジンクスがあるらしくて。それを聞いた瞬間、「よっしゃ!」ってガッツポーズをしました。


ーー話を聞いていると、なんだか楽しそうですね(笑)。


片山 撮影中は、カメラマンさんの指示に従うのに精一杯で、ずっと気を張っていたんですけど、なにしろ素晴らしい環境で、温かいスタッフに囲まれていたわけですから。いやもう本当に楽しかったです。


ーーその時の写真が誌面となって、あがってきた時の心境は?


片山 その時の号は表紙・巻頭が小島瑠璃子さんだったんですけど、私は、そのすぐ後ろの位置でしかも7ページも! とてもいい形で掲載していただいてびっくりしました。それにその内容も、写真といい文章といい、すべてが素晴らしくて。


ーー「見つけてしまった……」というタイトルで始まり、「彼女の名前は片山萌美」で終わる。女優であること以外に情報はないんですが、片山さんの存在感が際立ち、読んだ後、期待感が膨らみます。


片山 ものすごくドラマチックな感じがしましたね。ただのグラビアじゃないというか。いや本当に、撮影から最後までものすごいエネルギーを結集して作っていただいたことにひたすら感激しましたね。


ーー気に入ったカットは?


片山 すべていいんですけど、一番は扉のページです。


ーー「見つけてしまった……」ってタイトルとともに、温泉に浸かった片山さんが笑顔を浮かべているカット。


片山 そう。これはスタッフさんと話をしてる中で、さりげなく撮ってもらった一枚なんですけど、見た瞬間、「え? これ私?」って。自分で言うのも変ですけど、最高にかわいいですよね。そもそも私、自分の笑顔が好きじゃないんです。それもあってそれまで撮影で笑顔を見せることはあまりしなかったんですけど、まさかこんな笑顔の自分がいるなんて。衝撃でしたよ。



週刊プレイボーイ2014年9月29日号「見つけてしまった……」(撮影/唐木貴央)より


ーーこの時のグラビアは大反響となりました。読者アンケートで再登場の声も圧倒的に多く、早速次回の撮り下ろしが決定。その後、何度も続くことに。片山さんの周囲の反応はいかがでした?


片山 友達からは「見たよ」って連絡がびっくりするほどたくさんきましたね。グラビア、DVDのお話もたくさんいただきました。あとこれはしばらくしてからの話ですけど、多くのプロデューサーさんやドラマなどの監督さんから「あのグラビアは衝撃的だったよ」と言われました。あれを通じて自分を知ってくれた映像関係の方は多かったみたいです。


ーーあの初グラビアを通じ、片山さんが一気に注目される存在へと変わりました。自分の意識は何か変わりました?


片山 当時の自分はよくわかってなかったけど、変わったと思います。当時、いろんな方と会うたび「顔が変わったね」って言われましたから。きっと「見られてる」って意識が芽生えたんでしょうね。


ーー片山さんの中でこの初グラビアは、どんな位置付けですか?


片山 私の原点ですね。プロのスタッフさんたちに囲まれ、自分もその一員として、出せるものを精一杯出し切った。初めて自分はちゃんとした芸能のお仕事をしたんだって気がしました。もっと言えば、女優としてのキャリアもここから本格的に始まった気がします。


ー女優としてもですか?


片山 誌面に「女優」って書いてあるじゃないですか。正直に言うと、それまで自分が女優だって意識は薄かったんです。でもメジャー誌の週プレさんにそう書かれたわけですから、これはもう引き返せない。しっかりやるぞと腹を括くくりました。それ以降はどこに行っても「女優です」って言うようになりましたし、絶対に女優として活躍しなきゃって思うようになりました。あのグラビアが自分の背中を押してくれたんです。


ーー今もこの初グラビアを見返すことはあります?


片山 あります。特にこの「見つけてしまった……」の笑顔のカットはよく見ます。ドラマ撮影の休憩中、共演の方に「グラビアの写真見せて」って言われると、いつもこの写真を第一に見せます。自分ではもうこの笑顔はできないんです。以前、ある雑誌のグラビアを撮る時に、「この笑顔をお願い!」って言われたのでやってみたんですけど無理で。

この初グラビアの時でしか撮れなかったものなんですよね。すべてが拙いんだけどガムシャラにやってた頃の自分だったからできた笑顔なのかもしれないです。今見るとそんな自分が愛おしくて。これを見る度に、よし頑張ろうって気になるんです。


*第4回前編は、7月14日(水)配信予定です


* * *


カメラマン・唐木貴央氏が語る、片山萌美さんの初グラビア


「新しい女優さんのグラビアをゼロから作りたい」と週プレの編集さんから声をかけてもらったのが、片山さんを撮影することになった最初のきっかけです。

まずはテストシュートをやることになったんですけど、お会いしたところキレイなうえ、ものすごく存在感がある。圧倒されたのを覚えています。水着撮影は初めてということで、肩にものすごく力が入って緊張していましたけど、どんな角度から撮ってもさまになる。ポテンシャルの高さを感じましたね。

長野でのロケは洋館、和室、草原、プールなどのシチュエーションで撮影しました。バラエティに富んだ場所で、それぞれ彼女がいかに美しく、魅力的に見えるかにこだわりました。現場の雰囲気は終始よかったです。片山さんも実質2回目の撮影で、スタッフも全員一緒ということで、緊張はしてたと思いますけど、だいぶリラックスした感じ。こちらが言うことに対しての飲み込みが早いし、どんどん表情がよくなっていくので、撮ってて楽しかったですね。


デジタル写真集『見つけてしまった……』(撮影/唐木貴央)より


特に印象に残っているのは草原のシーン。片山さんに走ってもらったんですがぎこちなかったんです。思わずみんな笑っちゃったんですけど、片山さんは恥ずかしいような、悔しいような子供みたいな表情を浮かべて(笑)。大人っぽい雰囲気でも撮ってたから、そのギャップがすごく愛らしく思いました。

片山さんの魅力ですか? ルックスの良さや存在感はもちろんとして表現への真摯な姿勢です。最初のテストシュートの時、緊張からかなり硬かったんですけど、それでもこちらの言うことに全力で応えようみたいな気持ちは伝わってきました。その後も撮影させていただく度、露出度の高い衣装もてらいなく着てくれるとか、なんでも気持ちよく応えてくれる。また一緒に仕事したいなって思わせてくれるんですよね。


<デジタル週プレ写真集> 片山萌美「見つけてしまった……」

 撮影/唐木貴央 価格/1320円(税込)


【デジタル限定】片山萌美写真集「Test Shoot Katayama Moemi 2014」

撮影/唐木貴央、価格/550円(税込)


片山萌美(Moemi KATAYAMA)

1990年10月1日生まれ 東京都出身

身長170㎝ B92 W59 H87

血液型=AB型 趣味=B’z、読書、映画鑑賞

公式Twitter【@neichiamo】

公式Instagram【@moet_mi】

関連サービス