『初グラビア物語~My First Gravure Story~』第5回前編 井口綾子

「週刊プレイボーイ」の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの人生でたった一回きりとなる「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いをこと細かに綴る連載シリーズ。


今回は、タレント・井口綾子さん。彼女は週刊プレイボーイの2018年38号に初グラビア・初表紙という形で初登場。色白ムッチリのスタイル、海、ビキニ。王道中の王道といえる開放的なグラビアは大きな反響を呼びました。


厳格な家庭に育ち、大学時代の「ミスコン」では準グランプリを獲得した井口さん。果たしてそんな彼女はどんな経緯で「週刊プレイボーイ」のグラビアへ登場したのか。当時の想いとともに聞きました。


週刊プレイボーイ2018年38号(撮影/熊谷貫)より


ーー井口さんは、幼い頃からずっと芸能界に憧れていたそうですね。


井口 はい。小学4年生の頃に「ニコプチ」(註:小学生向けのファッション誌)を見るのが好きで、自分も出てみたいと思ったのが最初です。もちろん無理だろうなと思ったんですけど、中学2年生の時、お母さんと渋谷へ買い物に行ったら、5社の芸能事務所にスカウトされたんです。しかも渋谷駅からマルキュー(渋谷109)までの短い道のりで。それで「もしかしたら……」って考えるようになりました。


ーー駅から109までって、100mくらいですよね。その間に5社とはすごい!


井口 それで、しばらくしてまた渋谷に行ったんです。さすがにもうあんなことないだろうって思ったら、今度は10社くらいに声をかけられました。


ーー10社! それ、盛ってないですか(笑)?


井口 本当ですって(笑)!! それからも渋谷・原宿に行く度に声をかけられて、気付いたら束になるほど名刺をいただいてたんです。それで、「私、芸能界にいけるんじゃない!?」と思うようになりました。でも未成年だし学校や親の承諾がいるじゃないですか。どちらに聞いてもダメって言われちゃって。



ーー特に井口家は、かなり厳格なご家庭だそうですね。


井口 そうなんです。門限は厳しいし、友達の家へ泊まるのも大学卒業まで許してもらえませんでした。高2の時、球技大会で優勝して、お祝いにみんなで友達の家に泊まろうって話になったんだけどダメで。みんなが署名した手紙を親に届けて、ようやく許可してもらえたなんてこともあったし。


ーー厳しいですね!


井口 親からはそんなに芸能界に入りたいなら、大学に行ってテレビ局のアナウンサーを目指しなさいと言われました。芸能界も学歴が大事になっているし、テレビ局の社員なら生活も安定しているからって。


ーーなるほど。井口さんは大学1年生の頃から、学内のミスコンに度々出ていましたけど、それも芸能界入りのため?


井口 それはありましたね。そこで賞をもらえれば、どこかで繋がるんじゃないかって。だからダイエットもそうだけどいつもキレイでいられるよう頑張りました。


ーーその結果、1年生で「フレッシュキャンパスコンテスト」で準グランプリを。3年生の時に「ミス青山コンテスト」で準ミスを受賞したんですよね。また『週刊朝日』で女子大生表紙モデルに選ばれたり、ファッション誌『Ray』の読者モデルをやったり。じつに華やかですね!


井口 いえいえ、そんな!(照笑)。結果的にどれも運がよかっただけですよ!




週プレ プラス!+アーカイブス『見つめたいクセに』(撮影/熊谷貫)より


ーーいまの事務所さんにはスカウトされたんですか?


井口 はい。「ミス青山」の後、事務所の方からお手紙をいただきました。その方はのちにマネージャーになるんですけど、それがすごく熱い内容で感激しちゃって。有名なタレントさんや女優さんもいるし、これは大きなチャンスかなって思いました。親と何度も話を重ね、入ることを決めました。


ーーその後、早い段階で、週刊プレイボーイのグラビアに出るわけですが、それはどんな経緯で?


井口 そのマネージャーさんから提案があったんです。私自身、テレビとかを見て、グラビアが芸能界の登竜門だと知っていたから是非やってみたいなって。


ーーそれ以前にグラビアを見たことは?


井口 正直、なかったです。やると決まってから雑誌とか見ました。


ーー人前で水着になることに抵抗は……?


井口 ありましたね。『週刊朝日』の学生モデルで出たときは水着になったけど、あれが唯一で、もともと肌を見せるのが好きじゃないんです。プライベートで水着を着たこともなかったし、学生時代、ラフティングに行ったことはあるけど、その時も上にウエットスーツを着てたから、水着を見せることはなかったし。


ーーそれでグラビアに出るって、かなりの決意ですよね。


井口 ハングリー精神が強かったんです。あとマネージャーさんが、自分を売り出そうといろんなところに営業に行ってくれてることを知っていたから、それに応えたいのもあったし。恥ずかしいけど、仕事だから恥ずかしがってちゃいけないなと思ってました。


ーー週プレの編集部に顔見せに来た時はどうだったんですか?


井口 ものすごく緊張しました。集英社さんって、ビルが大きいじゃないですか。入る瞬間からドキドキしちゃって。あと担当編集さんがいわゆる業界っぽい雰囲気の方で、目の前にいるだけで胸がいっぱいになりました。


ーーじゃあ言葉がでなかったり……。


井口 いや頑張ってしゃべりましたよ! 「将来、どんな風になりたいんですか?」って聞かれたので、「事務所の先輩の菊地亜美さんみたくバラエティに出たいです」って言ったりとか。なんだか面接を受けてるみたいな感じでしたね。


週プレ プラス!+アーカイブス『見つめたいクセに』(撮影/熊谷貫)より


ーー緊張しつつも、話を覚えてるのは肚が座ってますよ。そして正式に撮影が決定。しかもなんと初登場ながら表紙・巻頭での掲載が決まりました! 話を聞いた時は?


井口 すごく嬉しかったです。でも正直、その時は事務所に入って間もない頃だったので、一発目で表紙・巻頭をやれるのがどれほどのことかわかってなくて……。いまならそれがいかにすごいことなのかよくわかりますけど。


ーー学生時代、週刊朝日の表紙に出てますもんね。ただ表紙・巻頭だけじゃなく、週プレnet(現プラススペシャル)と連動し、ロケはグアムで。それも新人タレントとしては破格ですよ!


井口 ですよね。撮影の時、スタッフの皆さんに「最初からグアムはないよ」って言われました。さすがに、その時は自分でも「うわ~すごい!」って思いました。しかも週プレnet用に動画スタッフまで来てくださって。それにもまたびっくりしちゃって。


ーー決まってから、ご家族はグラビアに出るってことで相当、心配されたんじゃないですか?


井口 めちゃくちゃされました! 両親だけじゃなく、3人いるお兄ちゃんたち全員からも心配されて。「水着は小さいのか?」とか「まさか裸はないよね?」とか(笑)。


ーーあははは。大人っぽい、黒の水着なども気にしそうですよね。


井口 高校の時、黒い下着を買ったら、すぐお母さんに返品させられたから、言われたかもしれないです(笑)。でもグラビアは芸能界の登竜門だし、表紙にも出させてもらえるからってことで理解してもらって。最後はお父さんに「スタッフの皆さんが綾子のためにやってくれたことなんだから、期待を裏切らないようしっかり頑張って」と言ってもらいました。


週プレ プラス!+アーカイブス『見つめたいクセに』(撮影/熊谷貫)より


*第5回後編は、8月18日(水)配信予定です


* * *


担当編集が語る井口綾子さん初グラビア


井口さんのことは、彼女が芸能界入りする前から知っていました。

「ミス青山コンテスト2017」で準ミスを獲得した、可愛い女のコということで業界では話題になっていたんです。いつか週プレのグラビアに出て欲しいなと思っていたところ、普段お付き合いのある事務所の方が「もしかしたら(ウチに)入るかもしれないですよ」と。ほどなくしてそれが現実となり、彼女を編集部に連れてきてくれました。

会った時の印象? ハキハキして、何を聞いてもしっかり答える。あとミスコンで準グランプリを獲得しただけあって笑顔が爽やかで。明るく元気な女子大生って感じでした。早速、撮影することになりました。

週プレは他誌に比べ、「初登場」で表紙に起用されることは極端に少ないんです。恐らく2~3年に一度あるかどうか。でも井口さんの場合はスムーズに「初登場&初表紙」に決まりました。整った顔立ち、明るい笑顔に色白肌のむっちりしたスタイル。さらに現役女子大生でミスコンでの話題性があって、ファンも相当数ついている。グラビアで見たくなる要素が揃っていたんですよね。


週プレ プラス!+アーカイブス『見つめたいクセに』(撮影/熊谷貫)より


初グラビアのロケ地はグアムです。素材がいいので「青い空」「ビーチ」「ビキニ」みたいな王道のグラビアでいこうと。また表紙ですから、スケール感を出したかったのもあります。

撮影の思い出はなんといっても初日。ホテルに到着し、「荷物を置いたら、早速着替えて撮影にいこう!」ってなったんですけど、なぜか井口さんは指に包帯を巻いている。聞いたら、「窓にはさみました」って。撮影前、いや着いて早々ですよ! ちょっと先行きが不安になったというか(笑)。とにかくびっくりしましたね。

また撮影が始まって、午後の3カット目くらいかな、グリーンのチューブっぽい水着のシーン。見たら胸元が赤くなってるんです。目が点になって、「日焼け止め塗った?」って聞いたら「塗った」と。でも、その赤みがどんどんひどくなって。もう一度聞いたら「腕などはちゃんと塗ったけど、胸元だけ忘れた」と。またもびっくりというか。いや〜、この先まだなにか起こるんじゃないかって、つくづく心配になりました(笑)。まぁ、そういう天然な感じも彼女の可愛らしさなんですけど。

ロケ中の彼女は緊張していたと思いますね。特にファーストシーンの時はどうしていいかわからず、すごく戸惑っているのが見ていて伝わってきました。恐らく撮影前に週プレのグラビアなどを見て、すごく勉強してきたんでしょうね。途中から繰り出すポーズはいかにも「ザ・グラビア」って感じで。自分なりになんとかしようって姿は健気でとても愛らしく思いました。

自分が好きなカットはなんといっても表紙です。王道なグラビアの感じが気に入っています。しかも井口さんのフレッシュな姿が、真っ青な空と海の風景の中で飛び出してきそうというか。実際、このカットを表紙にしたのもあってか、この号は通常より売れました。

彼女の魅力? ひとつ挙げるとすれば「ムッチリ感」かな。ここ数年、グラビアに出る女のコはジムに通いつめ、スリムでメリハリのあるボディにするコが増えましたけど、男性が見たいのはそこまでのスタイルではないような気がするんですよ。その点、井口さんはまさに男性が好きそうな感じ。適度にふっくらしていて、健康的で。本人によれば、撮影前にジムに行ってしっかり鍛えたと言ってましたけど(笑)、後に「モッツアレラボディ」と呼ばれるようになったムッチリなスタイルは、彼女ならではの魅力な気がします。

あともうひとつ。親近感のある、愛されキャラですね。決して高嶺の花みたいなタイプじゃなくて、すぐ近くにいそうな雰囲気が彼女にはある。それもいいなと思います。グラビアで彼女の笑顔を見ていると話しかけたくなって、しかもすぐ仲良くなれそうな感じがするじゃないですか。週プレの撮影でも、毎回、初めましてのスタッフがいたとしてもすぐに打ち解けて、みんなから可愛がられていました。これからも週プレ読者をはじめ、世界中の人から愛されて、ますます活躍していってほしいですね。


井口綾子(Ayako INOKUCHI)

1997年3月24日生まれ 

公式Instagram【@lespros_ayako】

公式Twitter【@inokuchi_1st】

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