2021年12月8日 取材・文/大野智己、撮影/荻原大志
「週刊プレイボーイ」の誌面を彩り、女優、モデル、タレントなどさまざまに活躍する女性たち。彼女たちの人生で一回きりとなる「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。
今回は17歳の時、「ヤングマガジン」2014年9月8日号でグラビアデビューを初登場&初表紙の形で飾った都丸紗也華さん。前回は芸能界へ入ったきっかけから、女優、アイドルとしての活動について語っていただきましたが、今回はいよいよ初グラビアの撮影について。一体、彼女はどんな思いで撮影に臨んだのか。そして約二ヵ月後に掲載された週刊プレイボーイの初グラビアでの思い出は? 今回もたっぷり語っていただきました!
デジタル写真集『この逸材感、久々』(撮影/樂滿直城)より
ーーヤングマガジンの初グラビアでは初表紙&初巻頭を飾りました。
都丸 沖縄ロケだったんですけど、先に練習を兼ねて、テストシュートをしました。スタジオで撮ったんですけど、初めてだし恥ずかしいし、めちゃくちゃ緊張しちゃって。カメラを向けられても立っているだけ。撮影中も「腕をこっちに」とか「体をひねって」とか、カメラマンさんに言われた通りをやるだけで必死でした。
ーー「やっぱりやめておけばよかったかな」みたいな後悔は?
都丸 まったくなかったです。やると決めた以上は、しっかりやるぞって気合いを入れていました。ロケも待ち遠しかったです。沖縄へ行くのも、飛行機に乗るのも初めてということもあって。
ーーそして、いよいよ沖縄へ。撮影は順調に進みました?
都丸 テストシュートのおかげで、楽な気持ちで臨めましたね。海はきれいだし、気候も良いし、すごく快適で。2泊したと思うんですけど慣れていくに従い、どんどん楽しくなっていきました。
ーー印象に残っていることは?
都丸 スタイリストさんがすごく明るい方で、随所にわたって元気をいただいたのは覚えています。衣装チェンジで、私がもじもじしていると、彼女はパッパッと着替えさせてくれて、「これでよし! さ、行ってきなさい!」って背中を押してくれて。一緒にご飯を食べている時も、話しかけて盛り上げてくれました。彼女がそばにいてくれたから、初めてのロケも最後まで楽しくやれた気がします。帰る頃にはまたグラビアをやりたいと思いました。
ーーグラビアへのモチベーションがあがったと。掲載号が発売されるまではどんな気持ちでした?
都丸 ひたすら楽しみでした。発売日もワクワクして買いにきましたね。コンビニで私の表紙の号が並んでいるのを見つけた時は「本当に出たんだ!」ってとても嬉しくなりました。周囲の反応もすごくよかったです。FYT(ファイト/メンバー全員が“架空の高校教師”という設定で活動したアイドルグループ。都丸さんが在籍していた)のみんなや友達が買ってくれて喜んでくれて、SNSのフォロワーもすごく増えました。それまでお芝居やアイドルとかいろいろ挑戦してきたけど、ここから何か新しいことが始まりそうな手応えがありました。
ーーその後は「ミスiD」に参戦。
都丸 事務所の方から話を聞いて、面白そうだからやってみようかなって応募しました(笑)。グラビアをやったことで、怖いものなしになったというか、もっといろんなことをやってみようという気になったのかもしれません。オーディションの過程では、CHEERZ(ユーザー参加型の応援アプリ)で大勢のファンの方が応援してくれて。負けられない! 絶対に勝たなきゃ!ってとても燃えましたね。
ーーその結果、見事「ミスiD2015」を受賞。グランプリにはなれませんでしたが、その理由がすでにヤンマガさんで表紙を飾り、すでにブレイクしかかっているからと……。
都丸 そうらしいです。直接言われたわけじゃないのでわからないですけど、その話を聞いた時は残念でした。だって私にはどうしようもないというか。それでも「ミスiD2015」を受賞できたのはよかったです。ファンの方も一緒に喜んでくれて嬉しかったです。
ーー初めて週プレで撮影させていただいたのは、その「ミスiD2015」受賞直後でした。
都丸 そうでしたね。(週プレの初登場時のグラビアを見ながら)う~ん、今見ると、ものすごく若いですね(笑)。なんだかちょっと恥ずかしいです!
デジタル写真集『この逸材感、久々』(撮影/樂滿直城)より
ーー印象に残っていることはあります?
都丸 誌面で「逸材」って書いていただいて嬉しかったけど、こんな風に書いてもらって大丈夫かなと思ったのを覚えています。あとこの時撮影した写真は、2回にわたって掲載していただいたんですけど、その2回目の扉で立っているカットが自分的には好きで。表情がおばあちゃんの若い頃みたいで。キリッとした眉と厚い唇なんてそっくりでびっくりしました。そういえばこのカットは以前、「都丸紗也華」で検索するとしょっちゅう出てきました。「ファンの方は私のこういう顔が気に入っているのかな」っていつも思っていました。
週刊プレイボーイ2014年11月24日号(撮影/樂滿直城)より
ーーこのグラビアは初水着から、二ヵ月後。その間にヤンマガさんで表紙を飾り、ミスiDを受賞したりと活躍したからか、自信に満ちた表情をしていますね。
都丸 いやいや、そんなことはないですよ(苦笑)。いまもそうですけど、撮影前はいつも緊張の連続だし、初心は忘れていません。ただ緊張は初グラビアの時ほどではなかったかもしれませんね。
ーーそれ以降、週プレには現在に至るまでずっとグラビアに登場し続けてくれています。7年間で転機なんてありました?
都丸 転機とは違うかもけど、20歳過ぎかな。撮影に対してすごく前向きになりました。
ーー何かあったとか?
都丸 う~ん。なんだろう。その頃、ファースト写真集『とまるまる』(講談社)を作れて、嬉しかったというのはありますね。もっとこういうのをやってみたい、もっといいものを撮りたいと思うようになりました。10代の頃はほとんど何も考えてなかったですからね。
ーー週プレでは『ひょっこりはんと、ひょっこりまる』のタイトルで、芸人ひょっこりはんとのコラボなんかもやってましたね(2018年27号/https://wpb.shueisha.co.jp/gravure/2018/06/17/106211/)
都丸 やりました! あれは撮影の合間に、私がひょっこりはんの真似をずっとやってたら、ある日、編集さんに「コラボグラビアをやろう」って言われて。「グラビアって、ただ水着になるだけじゃなく、こんなこともやれるんだな」って感激しましたね。
ーーもはやグラビア界ではベテランの域に達した都丸さんですが、スタイル維持で気をつけていることはあります?
都丸 じつは毎回苦労しています。特に撮影前は「食べちゃダメだ」って意識があるからか、余計に食べちゃって。で、終わった後はホッとしてまたいっぱい食べちゃう。負の連鎖というか(笑)。スタイル維持だけはどんなにたくさんグラビアをやっても、なかなかうまくいかないですね。は~。どうしたらいいのか(ため息)。
ーー撮影ってことを意識しすぎないようにするとか。
都丸 あー、そうですね。それこそ「明日撮影だよ」って突然、言ってもらうようにするとか。そうすればストレスを抱え込まず、余計に食べたりしないかも(笑)。
ーーこの先グラビアでやってみたいと思うことは?
都丸 ありがたいことに、国内外のいろんな場所で撮影させていただきましたけど、都会でロケしたことはないのでそれは興味ありますね。あともう20代半ばなので、若さを全面に出すのではなく大人な自分を出せるグラビアをたくさん撮影できたらいいなと思っています。
ーー都丸さんにとってグラビアをやる楽しさとは?
都丸 背中を押してもらえることです。アイドルもお芝居もそうですけど、私は昔から興味があるとなんでもやってみたくなっちゃうタイプなんですけど、そんな中で初めてちゃんと自分を認めてもらえたのがグラビア。そこで自信がついたから、他のお仕事にもどんどん挑戦できて、いまは女優のお仕事など頑張れるようになりました。この先も可能な限りグラビアを続けて、引き続き貪欲に、また幅広くお仕事を続けていきたいです。
*第13回前編は、12月15日(水)配信予定です
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担当編集者が語る都丸紗也華の週プレ初グラビア
都丸紗也華さんの週プレ初グラビアは、特別なコンセプトを定めたり、余計な小道具を使うこともなく、ストレートに、いうなればグラビアの王道路線で撮影しました。
なにより素材が素晴らしかった。ハーフモデルのような整った顔立ちとメリハリのきいた豊満なスタイル。彼女のように両方を兼ね備えた女性はなかなか見当たりません。しかもそのどちらもがトップレベル。じつに逸材だと思いました。
実際に撮影して気づいたのは、彼女の持つ大人っぽい雰囲気。笑顔も十分に可愛らしくていいのですが、ちょっと憂いのある表情がさらに魅力的で。ページを構成する際も敢えて笑顔を少なめにして、そのミステリアスな存在感を出せるよう意識しました。
掲載後は大反響で、翌々号にはアンコール掲載が決定、8ヵ月後には初表紙を飾りました。初登場でキャッチに「来年間違いなく、週プレの表紙を飾っている」と書きましたが、まさしくそれが現実のものとなりました。
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カメラマン・LUCKMAN(樂滿直城)が語る都丸紗也華の週プレ初グラビア
都丸紗也華さんはルックスはもちろんですが、とにかく勘が素晴らしかったですね。キリッとした表情が必要な場面では見事にそうしたし、可愛く見せたり、穏やかな雰囲気を出したり。こちらが求めるものをあまり言わなくても的確に表現してくれる。
誌面の中で、金網のフェンス越しに見つめるカットがあるんですが、その凛とした表情なんて本当に素晴らしい。これを撮影した当時はまだグラビアをやりはじめたばかりだったはず。でも僕自身はまったくそんな風には思えなかったです。
僕が最も好きなカットはアンコール掲載の時の扉。理由は言うまでもないですよね。顔立ちといいスタイルといい文句なしの美しさ。しかもただすっと立っているだけですから。タイトルにもありましたが、僕自身も撮影しながら「彼女は逸材」だと思っていました。
都丸紗也華(Sayaka TOMARU)
1996年9月26日生まれ 群馬県出身
女優、タレント。『所さんの目がテン!』(NTV)に出演中。
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公式Twitter【@tmr_syk_】
公式Instagram【@tmrsyk】