2022年2月16日 取材・文/大野智己、撮影/山上徳幸
『週刊プレイボーイ』の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの心に残る「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。
今回はタレント・女優の天木じゅんさんの後編。前編では「最強の地下アイドルグループ」にメンバー入りし、アイドル活動に全身全霊を注いだ日々からグラビアをやることになった経緯までを聞きましたが、後編はいよいよ彼女の初グラビアのエピソードを。
あどけない顔立ちに、圧巻のIカップボディを大胆に見せつけ、グラビアファンを狂喜させた「スク水」グラビアは一体どうして生まれたのか。彼女の貴重な発言の数々に是非とも注目を!
週刊プレイボーイ2014年49号(撮影/古谷完)より
――初めての水着撮影の後、『週刊ヤングジャンプ2014年33号』(7月31日号)で、コミック『妖怪少女~モンスガ』とのコラボグラビアにdropの滝口ひかりさん、女優・山地まりさんらと出演。天木さんは綾辻轆花(あやつじろっか)というキャラのコスプレとビキニ姿を披露しています。
天木 漫画家さんが私の所属していたアイドルグループ子のファンで、指名してくれたんです。一日かけての撮影はこの時が初めて。朝からワクワクして現場入りしました。私の中ではこの撮影が、自分のスタート地点なんです。
――それは、これが天木さんのグラビアデビューという意味ですか?
天木 それもそうなんですけど、それだけじゃなくて。この時、スタッフさんたちが口々に「グラビア界の新星だ!」「グラビア黄金時代を思い出させる存在だ!」って言ってくださったんです。
リップサービスかなと思ったけど、すごい興奮気味だし、明らかに目の色が違う。その瞬間「これだ!」って全身に電流が走る感じがあったんです。「自分を活かせる場所はグラビアなんだ!」って。そこからですね。「グラビアをやっていこう!」って決心したのは。
――この時のスタッフは撮影=古谷完さん、スタイリスト=上野珠さん、ヘアメイク=双木昭夫さん。特に上野さん、双木さんは90年代から活動するグラビア界のベテランです。その方々が手放しで褒めてくれたんですね。
天木 しかもずっとコンプレックスだった胸も大きな武器になることがわかって。それも嬉しかったです。隠していたものが一気に解放されたからか、女性ホルモンが大放出されて、翌週にはHカップがIに成長していましたから(笑)。
――そんなに早く! そしてその直後に発売された『週刊プレイボーイ2014年31号』(8月4日号)で、企画グラビア「スクール水着はここまで進化している!」に登場。天木さんはさまざまなスクール水着姿を披露してくれました。
天木 単独での撮り下ろしは、この時が初めてでした。自分はグラビアアイドルなんだって自覚を持って、現場へ行きましたね。全身にそれまでにないほどの気合いが入っていたのを覚えています。
週刊プレイボーイ2014年31号(撮影/古谷完)より
――この撮影ではなんと! 下乳姿、M字開脚など、非常に攻めた姿を披露しています。恥ずかしさは?
天木 正直、ありましたけど、それ以上に自分がグラビアを撮られていることの嬉しさが勝って平気でした。下乳のカットは現場で打診されたんですよ。「スク水を切っていい?」って。まったく抵抗はなかったです。聞かれるほどのことをするってことは、むしろチャンスなんだなと思ったし。
――最初から全力投球だったんですね。この時のグラビアは読者アンケートで他のグラビアを差し置いてトップ3入り。SNSでも話題となり、いまでいうバズった状態となりました。
天木 そうなんです。もう、めちゃくちゃ嬉しくて! グラビアが天職なんだって確信しましたね。
――49号(12月8日号)で再び企画グラビア「この部活ユニフォームがヤバい!」に。そして翌年7号(2015年2月16日号)、初となる本格グラビアを披露します。
週刊プレイボーイ2015年7号(撮影/古谷完)より
天木 この時もカメラマンは古谷さん。リラックスできましたし、何より初めてのしっかりした撮り下ろしですからね。ここで自分のすべてを出そうと思って臨みました。
――この時は横乳、下乳、M字開脚……前回以上に大胆ポーズの連発。今さら聞くのもアレですけど、天木さんにNGはなかったんですか!?
天木 フルヌードでなければ、なんでも大丈夫ですと言っていました。絶対、ここで活躍したい! 売れたい!と思っていたので。それにグラビアって、一枚の写真にひっかかりがあるのが大事なんだなって思っていましたからね。決して大胆とは思ってなかったです。
――ひっかかりが大事?
天木 「スク水」「部活ユニフォーム」の2回とも、扉のページはあどけない表情をしているのに、胸をしっかり見せたカットを使っているじゃないですか。表情とポーズ、露出にギャップがあって、見ている人が思わず手を止めてしまうカットが理想なんだなって。なので他のカットも同じくらいひっかかりのあるものを撮ってもらおうって。
――一枚の写真の力を理解し、また写真を見る側の視点を持って臨んでいたと。
天木 はい。だから最初の頃の私のグラビアって1ページは1カットで成立していて、複数のカットのページって、ほとんどないんです。でも、そういうインパクトのある写真ばかりだと、次の撮影の時、どうすればそれ以上のグラビアにできるのか、スタッフさんを困らせちゃうんですけどね(苦笑)。
――撮影中、他に意識していたことはありますか?
天木 今もそうですけど、ガウンを着ないことですね。レンズチェンジなどで撮影に小休止が入ると、スタイリストさんがガウンを着せてくれるじゃないですか。ありがたいんですけど、毎回遠慮しています。スイッチが入った状態で、ガウンを着るとたとえそれがほんの数十秒でも気が緩んじゃうんです。
あとは「雑誌が出たら絶対に当たれ~!」「売れろ~!」って念じることです。「スク水」がバズった快感にすごいとらわれちゃって。おかげで笑顔でいても、目だけはギラギラだったと思います(笑)。
――当時、掲載誌が発売される時はどんな心境でしたか?
天木 数日前からとにかく楽しみで仕方なかったですね。ヤンジャンさんも週プレさんも発売日の深夜12時にコンビニへ買いに行きました。その後もコンビニに寄って在庫を見かければまた買って。スク水の号は10冊以上買いましたね(笑)。
――グラビアが出てファンの反応はいかがでした? いきなりグラビアモードになったからきっと驚いたのでは?
天木 確かにそうかも。「ハイパースマイル」ってキャッチフレーズが「爆弾巨乳、愛がいっぱいIカップ」ってグラビアを全面アピールしたものになりましたから(笑)。でもファンの方は応援してくれましたよ。ヤンジャンさんの「ぷるるんサバイバル」、「ヤングアニマル」さんの「NEXTグラビアクイーンバトル」ではともに一番にしていただきましたから。
またライブでも掲載号を劇場にいる全員に配って、誌面を差し出す「グラビアケチャ」をしてくれたり。毎回ファンの方々には感謝するばかりでした。
――皆さん、熱量が半端ないですね。そうした応援もあり、1年も経たずにあらゆるマンガ誌、男性誌に登場。タレントや女優など、お仕事の幅を広げながらも、2022年もなおグラビアアイドルとして第一線で活躍しています。天木さんはグラビアをやっていて、何が楽しいですか?
天木 私はすごく胸があって、ウエストがキュッと絞れている巨乳グラビアが大好きなんです。体を作る努力は必要ですけど(笑)、自分が被写体となって、その巨乳グラビアを撮影してもらえることですね。そのために、もう8年近くこの仕事をやっているのもあります。私は自分の体をものすごく好きなんだと思います。
――いまや天木さん自身「ベテラン」と呼ばれることがあると思いますが、グラビアの仕事に関して考え方に変化はありますか?
天木 昔は自分のことで必死でしたけど、最近は全体も考えるようになりました。写真集、雑誌、ウェブサイトなどグラビアの世界って個人プレイだけじゃ、成り立たないんです。みんなで盛り上げて、メディアを作る方々やファンを獲得していかないと。
自分が頑張ればそれが誰かの居場所に繋がるし、逆に誰かが頑張ってくれていることで、自分の居場所も作られているんだと思います。今後は若いグラビアアイドルを応援する意味でも、プロデュース業もやってみたいです。
――立派です。これはこのコラムに出ていただいた全員に聞いてるんですけど、天木さんは初グラビア――今回で言えば初めて単独で撮った「スク水」のグラビアなんて見ますか?
天木 時々見ます。それにエゴサをしてると、いまでもこれがたまに出てきますし。表情のバリエーションが少ないなとか思ったりしますけど、これはこの時にしか出せないものですからむしろいいと思うし。あと私も人間なんで調子が悪くもなりますけど(笑)、そんな時、これを見ると初心に戻って元気になりますね。
――天木さんと同時期にグラビアデビューした人の大半はグラビアを辞めています。天木さん自身はグラビアからの引退を考えたりしますか?
天木 それは考えないです。需要があって、自分でやりたい気持ちがある限りはずっと続けていきたいので。
――ではいつか自分の中でやりきったと思ったとしたら、それはどんな時でしょう?
天木 やっぱり時代を代表する存在になれた時ですかね。私たちの前の世代だと小池栄子さん、熊田曜子さん、磯山さやかさんなど、グラビアを知らない人でも名前を言えばわかるレジェンドの方々がいらっしゃるじゃないですか。私もそこを目指したいです。そのためにも新鮮な気持ちを大事にして、体を作り続けていかないと。
――つくづく向上心が絶えないというか。でもグラビアファンの間では天木さんを時代を代表するレジェンドだと思う人もいると思いますけどね。
天木 いやいや、レジェンドだなんてとんでもないですよ! そんなこと言われたら調子にのってダメになっちゃう(笑)。目指す先は遠いので、まだまだやらせてください!!
天木じゅん
1995年10月16日生まれ 兵庫県出身
身長149㎝ B95 W59 H93 血液型=A型
趣味 サウナ、ゴルフ、麻雀、ポーカー
特技 ダンス、料理、SNSのフォロワー増やし
公式ブログ【http://ameblo.jp/jun-amaki/】
公式Twitter【@jun_amaki】公式Instagram【@jun.amaki】
『スクール水着はここまで進化している!』撮影/古谷完 価格/1320円(税込)
『この部活ユニフォームがヤバい!』撮影/古谷完 価格/1320円(税込)
『「仮面女子」のエースが胸に秘めた、そのポテンシャルに刮目せよ。』撮影/古谷完 価格/1320円(税込)
週刊プレイボーイ担当編集者が語る「天木じゅんのグラビア」
天木じゅんさんにお目にかかったきっかけは確か、古谷完さん(音楽プロデューサー、カメラマン)の紹介だったと思います。当時、「スクール水着」の特集ページ(週刊プレイボーイ2014年31号「スクール水着はここまで進化している!」)を企画していて、モデルを探していたところ「いいコがいる」と。それが天木さんだったんです。
当時、彼女は某地下アイドルグループのメンバー。僕自身、そのグループも天木さんのこともまるで知らなかったのですが、グラビア映えしそうな顔立ちとスタイルが決め手になり、キャスティングさせていただきました。
この時の企画はかなりマニアックな内容で、結果的に写真も攻めたものが多くなりました。天木さんは水着撮影をするのがほぼ初めてだと聞いていましたが、イヤがる様子はまったくないし、カメラマンに応えるだけでなく自分から大胆なポーズをとってくれる。もしかしたら「なんとかこのチャンスをモノにしよう!」という意気込みがあったのかもしれません。その一生懸命な姿がとても印象に残っています。
このスク水特集は、その号のアンケート全体で上位に食い込みました。企画モノで、まだそこまで知名度のない女のコをとりあげたページとしては異例の大反響で、今でいう“プチバズり”した状態になりました。
その後「部活ユニフォーム」の特集ページ(49号「この部活ユニフォームがヤバい!」)にも出演依頼を出し、やがて企画モノページではなく単独グラビアも撮り下ろすに至りました(2015年7号)。余談ですが「部活ユニフォーム」特集のアンケートは、その号の巻頭グラビアに次ぐ全体の2位。グラビア以外のページでそこまでの結果を収めたのは、後にも先にも他にはちょっと記憶にありません。
それ以来、天木さんにはもう8年にわたって週プレに登場していただいています。沖縄の海での王道のグラビア、当時同じく芸能活動をしていた実のお姉さんとの共演グラビア、「POOP(プロフェッショナル・オブ・オッパイ・プレイヤー)」と冠して銭湯で撮影したグラビア、週プレ酒場でイベントを開催し、ファンから募ったアイデアを元に撮り下ろしたグラビア……。些細な企画モノも合わせると出演回数は20回以上に上ります。
僕が思う天木さんの一番の魅力、強みは「前向きな姿勢」です。僕には、彼女の心の内はわかりませんが、決して後ろ向きな姿を周囲に見せない。いつも元気な天木さんの現場はどんな時も常に明るいし、そしていつも一生懸命で、それがこちらにも伝わってきます。そういう人だから応援したいと、周りのスタッフも思っているはずです。
カメラマン・古谷完さんが語る「天木じゅんの初グラビア」
天木じゅんさんを知ったのは2014年頃だったと思います。当時、僕はカメラマンとして活動する傍ら、日本ツインテール協会というツインテール愛好家団体の会長を務めたり、アイドルのプロデュースをやっていました。それらの活動の中で、いろいろなアイドルグループとお付き合いが発生し、その中の一つのメンバーである天木さんを注視するようになりました。
最初に天木さんを撮影したのはヤングジャンプさんの企画グラビアです(2014年33号掲載。コミック『妖怪少女~モンスガ』とのコラボグラビア)。彼女の水着姿を見たのはその時が初めてだったんですが、びっくりしました。そのロリータフェイスからは想像のつかないアニメキャラのようなプロポーション。まるで二次元から飛び出してきたような存在感がある。夢中になってシャッターを切りました。
その直後、『週刊プレイボーイ』さんで「スクール水着」の特集(週刊プレイボーイ2014年31号「スクール水着はここまで進化している!」)をやることになり、再び天木さんを撮影することに。この特集では、スクール水着のディテールを紹介するなど、マニアックな内容でいこうと。
その結果、撮影も接写だったり、きわどいポージングが多くなったんですが、天木さんは嫌がるそぶりはまったくないんです。むしろ自分からより激しいポーズを出してくる。「もっとこの場を盛り上げたい」「ありふれた作品にはしたくない」「この世界で一番になりたい」。撮影中、グラビアにかける強い気持ちが伝わってきました。
その後、週プレさんでは「部活ユニフォーム」の特集(49号「この部活ユニフォームがヤバい!」)をやり、天木さんの初めての本格グラビアも(2015年2月16日号)撮影させていただきました。特に後者は企画モノではなく、純粋なグラビア。ちょっぴり緊張した表情やポーズを丁寧に追いかけながら彼女に迫りました。その結果として、「初々しさ」「可憐さ」「大胆さ」などが入り混じった、いわゆる「ロリ巨乳」グラビアとしては素晴らしいモノができたと思いますね。
彼女の魅力ですか? 最初に語ったようなルックスと存在感に加えて、全身から醸し出す神秘性でしょうか。一体、どんな女のコなのか、まるで知らない世界からやってきたんじゃないかと男のロマンをかきたてる。今風にいうならば、「天使が転生して週プレでグラビアガールしてた!」みたいな。そんなイメージが僕の中にあります。
あとはいい意味での「アグレッシブさ」ですね。とにかく向上心が強くて、絶対に現状に満足しない。スク水の特集は当時、大反響で週プレさんのアンケートでも上位に記録されたそうです。
でも、もしモデルが天木さんでなかったら、あそこまで思い切ったページにはならなかったし、結果、アンケートもあそこまでいったかはわからない。天木さんの熱量が僕らスタッフを巻き込み、読者を巻き込んだんじゃないでしょうか。これからも活躍を期待したいですよね。