2022年10月19日 取材・文/大野智己 撮影/山上徳幸
「週刊プレイボーイ」に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズが、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』。
今回は、コスプレイヤーでタレントのくりえみさんの後編。2018年事務所を退所し、フリーとして「SNSのフェチ天使」と呼ばれる個性派アイドルへ転身、周囲を驚かせたくりえみさん。2020年に再び、事務所に所属してからは、さらにグラビア活動を加速。特に「週刊プレイボーイ」2020年11号で披露した、飼い猫の目線を意識したローアングルだらけのフェチなグラビアは、その大胆さから大きな話題を呼びました。
今回は、週刊プレイボーイのグラビアのエピソードを中心に、くりえみさんのグラビア観と気になる今後の活動についてを聞きました。
週刊プレイボーイ2020年30号(撮影/小塚毅之)より
ーーSNSメインに活動を始め、コミケなどにも参加。インスタグラムのフォロワー数も50万人を超えるなど、くりえみさんはインフルエンサーとして知名度を高めていきます。そして約2年後、くりえみさんはコプルト(宮崎あみさなどが所属する芸能事務所)に所属しますね。
くりえみ フリーでやっていくうち、企業案件やメディア掲載の依頼がちょっとずつ増えてきて、ひとりだと限界を感じるようになったんです。そんな時、たまたま出会いがあって。私の表現を尊重しながら一緒に前へ進んでくれる、ということで決めました。そこからは再デビューというか、週プレさんもそうですけど、雑誌にもまた出るようになりました。
ーー週プレ編集部へ顔見せにいらしていただいたと思うんですけど、その時は久々だし、緊張は?
くりえみ いや、そうでもなかったです(笑)。むしろワクワクしていました。顔見せで覚えているのは、編集さんが「かわいいだけじゃない、面白い企画を考えようよ」っておっしゃってくれたこと。私の活動を理解してくれたことがすごく嬉しかったです。
ーーその顔見せ後に撮影されたのが週刊プレイボーイの2020年11号に掲載された「ネコ目線」(アザーカットを集めたデジタル写真集が『ネコ目線』としてリリース中)。飼い猫の目線に立って、自室にいる女のコの姿を撮り下ろしたグラビアでした。
週刊プレイボーイ2020年11号(撮影/小塚毅之)より
くりえみ めちゃくちゃ楽しい撮影でしたね。カメラ=猫ってことで、思い切りローアングルで撮ってもらったり、ベッドの中に猫が潜り込んだという設定でお尻を接写してもらったり。ちょっとエッチな猫でしたね(笑)。最終的にどんなグラビアになるのか想像がつかない分、みんなして「あれはどう?」「これは?」ってワクワクしながら撮影していました。
ーー読者から大きな反響がありました。その4ヶ月後の2020年30号にまたしても登場。「スキダラケ。」(アザーカットがデジタル写真集『スキダラケ。』としてリリース中)のタイトルで、今度はランジェリーなどのセクシーな衣装を着て、無防備なくりえみさんを撮り下ろしました。
週刊プレイボーイ2020年30号(撮影/小塚毅之)より
くりえみ 『ネコ目線』は評判がよかったけど、「顔がよくわからないぞ」って声もあって(笑)。なのでこの時は「ヘルシー」をテーマに、露出はありつつも、明るく爽やかに撮っていただきました。この時はメイキング動画を自分のYouTubeチャンネルで公開したんですけど、再生回数はなんと1千万回! これまでで最も反響がありましたね。
ーーくりえみさんには「SNSのフェチ天使」というキャッチフレーズがあります。どちらもその通りのフェチなグラビアですね。
くりえみ 自分自身では「○○フェチ」みたいな特別な趣味はないんです(笑)。でも世の中にはいろんな「フェチ」があって、それを一つ一つ形にするだけでもアイデアが尽きないので、そう呼んでもらっています。それこそ全部のフェチをやってやろうくらいのつもりです。
ーー撮影する上で自分なりのルールはありますか?
くりえみ これは昔からそうなんですけど、下品に見せないこと、汚く見せないことにはこだわっています。「フェチ」にしても「どエロ」というよりは、中学生の男のコの気持ちをくすぐるマンガみたいな世界観ですね(笑)。例えば「下乳」の見せ方にしても、衣装の着方やポージングなど、見せ方はいろいろあって、キレイにも芸術的にも見せられると思うんです。そのためにボディラインを整えるなど、見た目には時間と労力をすごくつかっています。
ーー最初にデビューしたのが「第一章」、フリーになったのが「第二章」、そして再び事務所に入ってからが「第三章」だとすると、意識の上で変わったと思うところはあります?
くりえみ 関わってくれる人が増えた分、周りに迷惑をかけないようにしようというのはありますね。それまで……「第二章」の時までは好き放題やっても責任を追うのは自分だけという感覚はありましたけど。
ーー第一章でも事務所に所属していたわけですよね。
くりえみ 当時はまわりに迷惑をかけないために、自分を押し殺していたようなところがあって。いまは自分の好きなことをやりつつ、周りと歩幅を合わせていこうと。
ーー周りの意見に対し、素直に耳を傾けられるようになったとか。
くりえみ そうですね。アイドル時代は本来の自分と別のキャラを演じていた部分があって、フリーになってからは逆に、自分自身のブランディングにこだわっていたんです。でも再度事務所に入り、グラビアなどのお仕事を重ねていくうち、自分のやり方が決して正しいわけじゃないんだなと分かったり、一方で、新しい自分を引き出してもらう楽しさを知ったり。ブランディングなんてこだわらず、素の自分のままでいいんだって。ある意味、余裕ができたんですよね。
ーー最近は医療美容の『HADA LOUNGE』(美肌に特化した定額制の美容皮膚科)を監修したり、ブランド『AIMERTE』でシャンプーのプロデュースを手掛けるなど、芸能活動にとどまらず、さまざまなビジネスを展開していますね。
くりえみ もともと芸能以外にやってみたいことは、留学をはじめ昔からいくつもあったんです。でも仕事が忙しいとか、自分で理由をつけて実行に移せないままのことばかりで。でもこのままだったら絶対、もったいないと思ったんですよね。人生は芸能だけじゃないのにって。医療美容には昔から興味があったんです。で、それをいろんな方々に言い回っていたら手伝ってよって声をかけていただき、スタートしました。
ーー医療美容もシャンプーもホームページには、くりえみさんの名前は出てこないですよね。
くりえみ そこはあえてそうしています。私の名前を出すとファンビジネスにしかならないじゃないですか。それは私のやりたいことじゃない。私の名前でしか通用しないものって、結局「その程度のもの」でしかないですからね。いくら何十万人のフォロワーがいても、実際に来てくださる方はその10分の1以下でしょうし。インフルエンサーだとしてもあぐらをかかずに、丁寧に詰めていっているところです。
ーーこうした別のビジネスを手掛けていらっしゃると、そう遠くない時期にくりえみさんがグラビアをもう引退されるのでは……と気になるファンも多いと思うんですが。
くりえみ グラビア自体は大好きなので、現時点で引退するつもりはないです。
ーーおーっ!
くりえみ ただ、フリーの頃は「グラビア=自分のすべて」でしたけど、いまは自己表現のひとつという捉え方になっています。なので、今後のお仕事全体を考えたときに、どういう形で続けていくかは、考えていないといけないですよね。あと、世の中全体でグラビアの価値基準が変わってきているから、その中で自分がどれだけ面白いものができるのか、そういうことも考えるし……。
ーーいずれにせよ、ひとまず引退はないと聞いて安心しました。
くりえみ まだグラビアに関してもやれること、やってみたいことはありますから。今後グラビアに限らず、いろんな仕事や経験を経て、自分がどうなっていくのか私自身も楽しみです。先ほどの言い方を借りれば、私にとっての「第四章」がこれから始まるんだと思います。
くりえみ
6月14日生まれ 千葉県出身
身長162㎝ B83 W56 H82
公式Twitter【@kurita__emi】
公式Instagram【@kurita__emi】
公式YouTubeチャンネル『くりえみチャンネル』
【デジタル限定】くりえみ写真集「ネコ目線」撮影/小塚毅之 価格/1320円(税込)