週刊プレイボーイ創刊55周年スぺシャルインタビュー『7日間の女神たちへ!!』~2006年の佐藤寛子②~

“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!


そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画。


今回6回目には「元・生徒会長」という真面目なキャラクターからは想像できない豊かなバスト&クビレのギャップで人気を博し、演技派女優としても活躍し続けてきた佐藤寛子さんが登場。出産も経験したゼロ年代のレジェンドグラドルは、撮影で多忙な当時何を思い、そして36歳のいま何を考えているのか?


取材・文・インタビュー写真/大村克巳


* * *


――グラビアアイドルという肩書きを重く感じなかったのも、そういった理由ですか?


佐藤 そうですね。グラビアはグラビアで、そこが表現の場所です。お芝居とは別々のものだから。ただ、自分のプライベートでは、売り出してきたイメージとのギャップに「うーん」って感じになった時期もありました。


――それはいつ頃ですか?


佐藤 20代半ばくらいかと。デビューの頃からそれを考える余裕は無かったですね。16歳から仕事をしてたので「自分ってなんだろう」って。「佐藤寛子」についてくるイメージと折り合いがつかなくて悩みましたね。


――今は完全に折り合いついてます?


佐藤 ついてます。今、やっとすごくいい感じになってきましたね。


週刊プレイボーイ2004年7号より(撮影/西條彰仁)


――グラビアの話に戻りますが、グラビアってどうしても、もっと露出が多い方がいいですね、って所まで行きますよね。最終的にはヌードまでとか。そういうことに関しての嫌悪感はありましたか?


佐藤 基本的に美しいものを残したいので、明らかに何の情緒もないリクエストで股を開いてください、的な注文は全部お断りしました。それをやったらこの仕事が嫌いになってしまうかもしれなかったので。


――そこの所はよくわかります。ヌード作品もアートとして学んできた経験があるので、美しくなければ気持ちが萎えてしまいます。ただ発表の媒体が男性誌であることで、そこを否定されることがままあるわけです。葛藤ですよね。


佐藤 表現者が納得できることがないと、できませんね。


週刊プレイボーイ2005年5号より(撮影/斎門富士男)


――今の話を踏まえて、佐藤さんがグラビアをメインにお仕事していた時と今のグラビアには違いを感じますか?


佐藤 私が感じることですが、当時は写真もモデルによって色が違っていたと思います。個性的というか。その分、読者の好き嫌いがはっきり出ていたと感じます。今は嫌われない写真が多くなってるのかもしれませんね。


――なるほど。そんなグラビアへの登場ですが、2015年の週プレ誌上で卒業されてますね。


佐藤 多分、最後は奄美で撮ったヌード作品です。その時、妊娠5ヵ月でした。誰にも言わなかった。


――そうでしたか。週プレには佐藤さんの青春が詰まってますね。


佐藤 本当に、そうです。スタッフの皆さんに恵まれていたと思います。週プレの現場では邪な人はいなくて、編集者さんも私としっかり向かい合ってくださって、ありがたく思ってます。


週刊プレイボーイ2015年5号より(撮影/中村昇)


――今後グラビアで自分を表現したいと思っている方に、アドバイスをいただければと。


佐藤 まず飛び込んでみたらそのうち周りが見えてきますから、それでイヤだって思ったら絶対やめた方がいい。何か次の手段を考えればいい。自分を嫌いにならないために、そうした方がいいと思います。


――その言葉は響きますね。自分自身を愛せることが大事なんですね。単に綺麗ってことで幸せになれないですもんね。


佐藤 誰もが歳をとって容姿も変わっていくものだから、その時の肉体を上手く使って表現していければ良いのではないでしょうか。


――そうですね。





★第3回は、2022年1月16日配信予定です


●佐藤寛子(さとう・ひろこ)


1985年2月17日生まれ。神奈川県出身。

2002年に芸能界デビュー。

グラビアアイドルとして活躍の後、2010年公開の映画「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」で第32回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞し俳優としての評価を得る。

2015年に男児を出産し未婚の母となる。

2019年現事務所へ所属し現在もドラマ・映画とお芝居の分野での活躍を続けている。


●大村克巳(おおむら・かつみ)


1965年、静岡県生まれ。写真家。

1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。

2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、

2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。

個展、グループ展の開催多数。

著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、

『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。


ヘア&メイク/福田純子

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