2022年1月23日
“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!
そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画。
今回6回目には「元・生徒会長」という真面目なキャラクターからは想像できない豊かなバスト&クビレのギャップで人気を博し、演技派女優としても活躍し続けてきた佐藤寛子さんが登場。出産も経験したゼロ年代のレジェンドグラドルは、撮影で多忙な当時何を思い、そして36歳のいま何を考えているのか?
取材・文・インタビュー写真/大村克巳
* * *
佐藤 知り合いの年下の俳優の子と飲みに行った時、「佐藤さんって強いですね、一生ひとりで生きていけそう」って言われて。そう見えるのかなぁて思ったら、ちょっとショックでした。
――僕の言う強いってのは、しっかり者の人に言う「強い」のそれじゃなくって、生き物としての強さって意味です。
佐藤 それはありがたいです。
週刊プレイボーイ2009年19&20号より(撮影/中村昇)
――お子さんは今おいくつですか?
佐藤 6歳です。
――お母さん大好きでしょう?
佐藤 大好きです(笑)。
――男の子って、ずっとお母さん大好きだからね。
佐藤 そうなんですね。
――男の子が男に、だんだんなってきますからね。
佐藤 ちょっとその片鱗は見えてきたかな。今まではいつでもどこでも「大好き」って言ってくれたけど、今は他人がいると全然、言わないです。(笑)
――きっと、お子さんとの絆や互いの信頼関係が愛の形なんですね。
佐藤 今、こうしてふたりでいる、それがすべてです。
週刊プレイボーイ2010年51号より(撮影/中村昇)
――母としてはそうだと思いますが、ひとりの女性として誰かを好きになったりは、あるかもしれないですね。
佐藤 実は子供ができてから7年間、全く人を好きになれなかったんです。もともと恋愛体質でもないのでこのままでもいいかなって思っていましたが、最近、気になる人ができて。それでどうこうしたいわけでもないんですが、「こんな気持ちになるんだ」ってホッとした経験をしました。
誰かを好きになると、幸福度は上がりますね。当たり前の日常が色を変える。20代の頃より今の方が、そういう気持ちの揺らぎとかを楽しめる気がします。
――いろんな話が聞けて良かったです。最後にこれからやっていきたいこととかありますか?
佐藤 これまで役を勝ち取るために、オーディションなども受けてきたんですけど、一度その流れから少し離れて、違う形でお仕事を創っていきたいって思ってます。競争のストレスから逃げることを「恥」だって捉えてたんですが、そのストレスから自分を解放することで、違う何かに出会える気がしています。今はそう思っています。
週刊プレイボーイ2012年1&2号より(撮影/川島小鳥)
――その感覚はきっと佐藤さんにしかわからないと思うんですが、仕事って確かにいろんな形で訪れますものね。また別のお名前でクリエイティブな仕事もしてらっしゃるから。
佐藤 そうですね。歌ったり、絵も描いたりしていますね。
――これから先も楽しみですね。佐藤さんの魅力がどんどん世の中に伝わるといいですね。
佐藤 そう言っていただけるとありがたいです。
* * *
彼女のこれまでの人生が、「佐藤寛子」という物語の大きな見所であることに間違いはないが、今、凛として存在している彼女のこれからは、さらに魅力的なものになると思った。
佐藤寛子の表現者としての旅路はまだまだ続く。
●佐藤寛子(さとう・ひろこ)
1985年2月17日生まれ。神奈川県出身。
2002年に芸能界デビュー。
グラビアアイドルとして活躍の後、2010年公開の映画「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」で第32回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞し俳優としての評価を得る。
2015年に男児を出産し未婚の母となる。
2019年現事務所へ所属し現在もドラマ・映画とお芝居の分野での活躍を続けている。
●大村克巳(おおむら・かつみ)
1965年、静岡県生まれ。写真家。
1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。
2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、
2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。
個展、グループ展の開催多数。
著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、
『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。
ヘア&メイク/福田純子