週刊プレイボーイ創刊55周年スぺシャルインタビュー『7日間の女神たちへ!!』~1997年の中山エミリ③~

“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!


そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画、今回7回目にはタレントの中山エミリさんが登場!


王道を突き進む“美少女”が水着グラビアにも登場してくれた衝撃はすさまじかった。その後もドラマに映画にバラエティ番組に、常に求め続けられる彼女にとって、10代で経験したグラビアとはいったいどんな風景だったのだろうか?


取材・文・インタビュー写真/大村克巳


* * *


――思春期って自分と周り、それを「社会」って呼んでいいと思いますが、折り合いがなかなかつかない時ってありますよね。やさぐれたりとか(笑)。そんな時ってありませんでしたか?


中山 仕事を始めてから今日まで同じ事務所で、ありがたいことに自分のことを本当によくわかってくれている。きっとそういう時はガス抜きしてくれてたんだと思います。もう、家族的な付き合いですから。40代になったらまた違う角度で話題も変わるし、ずっと付き合っていただいています。


――それは素晴らしいことだし、羨ましくもあります。いつの世も人間関係が一番厄介ですもの。恋する季節にグラビアの仕事とか悩みましたか? そういう葛藤もスタッフの皆さんは知っているんでしょうね?


中山 それはないです。むしろこんな私もいるのよ、観てって感じでしたね。


週刊プレイボーイ1997年6号より(撮影/井ノ元浩二)


――それは、いいですね。健康的な週プレの使い方です。どこまで行ってもウェットになりませんね。ものすごくポジティブです。


中山 最近気がついたんですけど、私ってネガティブなんです。だからそうならないように、ポジティブに考えようって。小心者なんですね。だからネガティブになることもあります。気づくのが遅かったけど。


――そこに気づき、お話できることがすごいです。


中山 そう思ってるからなのか、現場で嫌な人に会わないんです。


――それは中山さんのネガをポジに変える変換力が半端じゃないからです。


中山 これまで週プレの撮影に特化して振り返ったことがなかったから、今回改めて思い返しても嫌なことがない。楽しい記憶しかないですね。


週刊プレイボーイ1998年3号より(撮影/中村昇)


――特に印象に残ってる撮影ってあります?


中山 廃墟ロケです(笑)。


――そこですか。いい返しです(笑)。


グラビアも含めてですけど、デビューして今日に至るまで自分の職業についてのこだわりとか変わってきましたか?


中山 どちらかと言えばあまり変わってないですね。お芝居をちゃんと勉強したわけでもないですし、女優業もやらせてもらいますが、女優って「おんな」が「優れている」って書きますから、優れた何かを持っている人が名乗れると思うので、自分は違うと思います。


歌手もやらせていただいて、スベリました。はい、失敗しましたって感じです。せっかくこの世界に入ったので、チャンスをいただいた時にはいろんなことをやってみました。そう思うとタレントがしっくりきます。


タレントの意味が才能と知って、しまった、って思ったんですが、それしか思い浮かばなくて。私には「これだ」と言えるものがないから、私と会った人が「また一緒に仕事したいな」って思ってもらえたら嬉しいです。


週刊プレイボーイ1998年45号より(撮影/中村昇)


――最高ですね。


中山 楽しいが一番ですから。


――本当に芯食ってますね。


中山 大丈夫ですか? 芯食ってます?


――間違い無いです。ちょっと感動しました。出逢った人にもう一度会いたいと思わせるには、自分が会いたいと思わなければ、ですものね。きっと、いい歳の取り方をしてきたからだと思います。これまで、悲しさや切なさや喪失感の形をポジティブに変えて来られたんでしょうね。様々なことをエネルギーにして免疫力を強化されてきた。



*第4回は、2月27日(日)配信予定です


●中山エミリ

1978年、神奈川県生まれ。1994年にTVドラマ『おれはO型・牡羊座』でデビュー以来、以後、数多くのドラマ、映画、CMに出演。また、タレントや情報・バラエティ番組の司会としても活躍の場を広げる。2010年、プロライフセーバーで俳優の飯沼誠司と結婚。15年に女児を出産。


●大村克巳(おおむら・かつみ)

1965年、静岡県生まれ。写真家。

1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。

2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、

2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。

個展、グループ展の開催多数。

著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、

『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。


スタイリング/長谷川睦子 ヘア&メイク/土橋大輔

衣装協力/MEIMEIJ(ワンピース)、SIMPRICH(ピアス)

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