『初グラビア物語~My First Gravure Story~』第1回後編 大原優乃

グラビア界で活躍する女のコたちにとって、人生で一回きりとなる「初グラビア」にまつわるエピソードを聞いていく連載シリーズ。

 

今回は現在、女優としても活動する大原優乃さんが登場。週刊プレイボーイ2017年7月10日号に掲載されたグラビアについて聞きました。果たして、彼女はどんな思いで初めての水着撮影に望んだのでしょう?

 

ーー最初のグラビアは千葉のスタジオで撮影。その時のことは覚えています?


大原 う~ん。もう4年前のことですから。正直、あまりよく覚えてないです(笑)。でも一人でロケバスに乗って行ったのはこの時が初めてで。それが楽しかったのは記憶にありますね。


ーーどこか遠足気分みたいな。


大原 そうだったかも(笑)。あとものすごく時間をかけて撮っていただくことに驚いたのも覚えてます。ファッション誌だと点数が多いこともあり、ワンカット10分程度で撮り終わったりするんですよ。でもこの時は1ポーズで1時間近くかかったりして。グラビアって、丁寧に撮影するんだなって思いました。


初登場時のグラビアと未公開カットで構成したデジタル写真集実は私、○○だったんです』(撮影/藤本和典)より


ーー緊張は?


大原 ものすごくしましたね。この時も、撮影中は言われたことをやるだけで精一杯、それ以上のことは何も考えられなかったです。でもスタッフの皆さんが、自分を綺麗に見せようとヘアメイクしてれたり、衣装を整えてくれたりするじゃないですか。その愛が伝わってきて。自分ももっと頑張ろうって思いました。緊張はしていたけど、次第に楽しくもなってきて。


ーー特に気持ちが盛り上がったのは?


大原 黒い水着のシーンですね。それまで黒の衣装って着たことがなかったんです。それに大人っぽいじゃないですか。だから自分で大丈夫かなって思ったんですけど、大人っぽくメイクしてくれたので、それに勇気をもらって臨みました。撮影中はいままでとは違う自分が見られる気がして、ワクワクしました。


ーーこの時のカメラマン、藤本さんも黒の衣装がよかったと言っていましたよ。こういう大人っぽい表現もできるんだって。


大原 そうなんですね。嬉しい! 藤本さん、優しいな(笑)!


ーーそして6月、本誌が出来あがってきます。最初に見た時の心境は?


大原 自分が載っていて、しかもどれもキレイに写っていて嬉しかったです。撮影の時は自分がどんな風に撮られているのか理解しないままポーズをつくっていたので、誌面を見てびっくりもしました。


ーーこのグラビアは、読者から大きな反響がありました。


大原 とても嬉しかったです。私もいろんな方からケータイに連絡をいただいたり、あとツイッターのフォロワーが1日「万単位」で増えていったり、すごくて。あまりの反響に驚きました。特に嬉しかったのは、グループ時代から応援してくださったファンの方々からの声。正直、見てどう思われるか不安だったんです。皆さん、驚かれてましたけど、暖かい言葉をたくさんいただいて。これからはグラビアの自分も認めてもらえるよう、もっと努力して頑張ろうって思いましたね。



ーー今もそうですけど、その時から大原さんは「隣のクラスにいそうな女のコ」とか「可愛い妹」みたいなイメージで、親近感を感じさせると言われましたよね。


大原 グラビアって彼女目線で見るものだと思うんですけど、私はそう見られないんですよね(笑)。でも私には嬉しい褒め言葉です。


ーーその後すぐに第二回、三回と撮影が決まり、ロケ地も奄美、サイパンへ。半年後にはファースト写真集を発売します。またさまざまな雑誌の表紙や巻頭も多数飾りました。


大原 本当に感謝しかないです。いろんな媒体のスタッフさんや応援してくださる方が背中を押してくれました。一時は毎日のように撮影があって、ピークの時は海外に5誌分まとめて行ったりとか目が回るようでしたね。日灼け止めを何度も塗ってるのに肌が真っ黒だったし(笑)。でも当時は周囲の変化があまりに速すぎて、悩んだこともありました。


ーーえっ? そうなんですか?

 


大原 はい。元々自分に自信のあるタイプではないんです。それにどちらかといえばネガティブ思考ですし。グループの時はダンスが自分の武器だって思えたけど、グラビアは自分じゃないですか。皆さんに求めていただくほど自分に何かがあるとは思ってなくて。

だからいつまでこんな風に続けられるのかなとか、あと撮影の度にいつもより売れなかったらどうしようとか。今もそうですけど、表紙を飾らせてもらった時は、出た後スタッフさんに「(売れ行きは)大丈夫でした?」と聞きます。


ーーそうなんですね。グラビアの目標となる方はいました?


大原 始めた頃は、内田理央さんと馬場ふみかさんです。お二人は女性もキュンキュンするグラビアをやってたじゃないですか。性別を問わず、いろんな人が応援していて。自分もあんな風になりたいなって思っていました。


ーー最近は大原さんみたいになりたいと語る新人のコもいますよね。


大原 すごく嬉しいです。名前をあげていただいていたと聞くと、わーって(笑)。もっと頑張ろうって励みになりますね。


ーー現在はバラエティに出たり、女優としても活動するようになりました。


大原 今思えば仕事の幅が広がったのは、やっぱりグラビアのおかげかなって思います。バラエティもそうだし、お芝居をやってみたいと思ったきっかけもそうだし。


ーーお芝居のきっかけというと?


大原 笑顔にしても「楽しそうに」とか「寂しそうに」とかいろいろな表現をするし、あと何枚もの写真の中でストーリーを作っていくグラビアは、お芝居にも通じるんじゃないかって思ったんです。それでより良いグラビアを見せるためにも、お芝居に挑戦したいなって。そうしたらたまたまお芝居のお話をいただくようになって。


ーー大原さんにとってグラビアの楽しさは?


大原 その人の本質みたいなものを発見させてくれる面白さがありますよね。ふとした瞬間の表情を切り取っていただきますけどそういう素の自分が映し出されるのが楽しいです。そういう自分って本人でもなかなか気づかないですしね。本当の自分のアルバムみたいですよね。


ーーちなみに今も初グラビアは見ますか?


大原 その号は実家にあるんですよ。なのでなかなか見返さないですね(笑)。でも今回、久々に見ていいなと思ったので、手元に置いておきたくなるかもしれません。

 

ーー最後にこの中で一番好きなカットは?


大原 どれも好きですけど、やっぱり扉のカットですかね。初めてネットニュースで、自分のグラビアが取り上げられたとき、名刺代わりになった一枚なので。すごくあどけなさがありますよね。今の自分に欲しいくらい(笑)。不器用な感じがするけど、それもある種のグラビアの魅力に繋がってるし、我ながら愛おしいです。

本当にあの時、踏み出せてよかったなと思います。そしてその時、手を差し伸べてくださった週プレさん関係者、事務所の方など周りの方に本当に感謝しています。グラビアが大好きだし、感謝してるから、できる限り続けたいなと思っています。



*第2回前編は、6月16日(水)配信予定です


* * *


カメラマン・藤本和典さんが語る、大原優乃さんの初グラビア


優乃ちゃんの初グラビアで覚えてるのは、なにより彼女が緊張していたことですね。今からは想像できないほど、動きがぎこちなかったです。話しかけたり、スタッフ全員でワイワイやったりして、それをほぐしながら撮りました。でも一所懸命なのは伝わってきたし、撮影の合間はずっとニコニコしながら、みんなとコミュニケーションも取ってて。最後までいい雰囲気でしたよ。


この中で特に気に入ってるのは黒水着のカットですね。この衣装は、その日の最後に撮ったんです。ヘアメイクを少し変えてもらったんですけど、その影響もあってか、表情といいポーズといい、ほかとは違って随分と大人っぽいカットになりました。かわいいだけじゃない、こういう表現もできるんだなって、可能性をすごく感じましたね。


デジタル写真集『実は私、○○だったんです』(撮影/藤本和典)より


優乃ちゃんの魅力? 人懐っこさですかね。飾らないし、素直だから、気持ちがすごく伝わってくる。それにつられて自分も嬉しくなったり、楽しくなったりするというか。彼女のために何かしたいってファンの気持ちもわかりますよ。あと写真ではわからないけど、ちょっとクセがあって甲高い笑い声もかわいいなと思います。


今、僕は某雑誌に連載されている優乃ちゃんのページで写真を撮らせてもらっているんですよ。彼女がいろんなところへ出かけるのをフィルムカメラを手に同行してるんですけど、僕の中の印象は、この初グラビアの時とほとんど変わってないですね。すごく初々しくて、見ていると思わず笑顔になっちゃう女のコ。きっとこの先も変わらない気がしますね。


実は私、○○だったんです」(週刊プレイボーイ2017年7月10日号)撮影/藤本和典


<週プレ PHOTO BOOK> 大原優乃「実は私、○○だったんです」 撮影/藤本和典 価格/1320円(税込)

 

大原優乃(Yuno OHARA)

1999年10月8日生まれ 

鹿児島県出身 身長154㎝

2009年11月、Dream5としてCDデビュー。2014年妖怪ウォッチ「ようかい体操第一」エンディングテーマを担当し、社会現象に。同年、紅白歌合戦にも出演。

Dream5活動修了後は、モデルとして活動。また2017年、週刊プレイボーイでグラビアデビューを果たし、瞬く間にブレイク。現在はテレビ、ラジオでも活躍中。

公式Twitter【@Yuno__official】

公式Instagram【@yuno_ohara】

関連サービス