『初グラビア物語~My First Gravure Story~』第6回前編 似鳥沙也加

「週刊プレイボーイ」の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの人生で一回きりとなる「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いをこと細かに綴る連載シリーズ。


今回は、インスタグラマー・似鳥沙也加さん。彼女は「週刊プレイボーイ」の2018年11号に初登場。「インスタで今、話題の女のコ」と謳われ、見事なスタイルと素朴な表情は大きな反響を呼びました。


高校を中退し、引きこもり生活を送り、大好きなグラビアをインスタグラムで自撮り。後のフォロワー100万人を突破し、「インスタグラビアの女王」と呼ばれるように。そんな彼女はどんな経緯で「週刊プレイボーイ」のグラビアへ登場したのか。当時の想いとともに聞きました。


ーー現在「インスタグラビアの女王」と呼ばれている似鳥さんですが、2016年12月にインスタグラムを始めたのは、好きなバンドについて書きたかったからだそうですね。


似鳥 そうです。大好きなUVERworldのライブ後に投稿したんですけど、UVERworldの話ができる友達が欲しいなと思って。


ーーそれまでSNSはやってなかったんですか?


似鳥 やってなかったです。そもそも私、ケータイを持ったのも18歳くらいで、遅かったんですよ。持っていても話をする友達がひとりもいないし。


ーーずっと「ひきこもり」だったと聞きました。


似鳥 はい。小・中学校はいじめられてたんで、ほとんど行ってなくて。高校も途中で辞めて、ずっと家にいました。でもバイトはちょこちょこしていましたよ。飲食店のキッチンで働いたり、新聞の折り込みをしたり、あと工場でアイスクリームを作ったりとか。


ーー接客仕事はしなかったんですね。


似鳥 人と会わない、話をしない仕事を選んでました(笑)。でも挑戦しようと思って、パチンコ屋さんのコーヒー・レディ(コーヒーなどのドリンクを販売する女性スタッフ)とドームのビール売り子をやったことがあります。パチンコ屋さんでは九州No.1になりました。でもやっぱり辛くて辞めましたけど。


ーー人と接するのが、本当に苦手なんですね。


似鳥 接客されるのが辛いから、近所のお店にも行けなかったです。仕方なく買い物に行く時は、必要なお金を細かく準備していくんです。そうすればレジでパッと支払って、お釣りのやりとりをせず出られるでしょ。そういう工夫をしないと生きていけませんでした。


「週刊プレイボーイ」2018年11号より(撮影/正司慎一郎 *以下、すべて同)


ーーその後、サロンモデルになったそうですが、それはどんな経緯で?


似鳥 美容院に行ったら、声をかけてもらいました。でも自分に自信がないから写真をいただいても、インスタグラムになかなかあげられなくて。中にはもらってから一年経ってあげた写真もあります(笑)。


ーーいくらなんでもそれは遅すぎでしょ(笑)。


似鳥 やっぱり撮ってもらうだけだと、自信がないから載せて大丈夫か不安になるんです。それで思いついたのがグラビアっぽく撮ってもらうこと。


ーーグラビアっぽく?


似鳥 はい。私、もともとグラビアを見るのが好きで。ほしのあきさん、吉木りささんにずっと憧れていたんです。なのでグラビアっぽく撮ってもらえば楽しいだろうなって。サロンモデルって衣装が用意されてるんですけど、体のラインが出たり、胸の谷間が出る衣装を自分で持っていって、それを着て撮ってもらいました。その後、調子に乗って、サロンで撮ってもらう以外にも自撮りして、インスタにあげるようになりました。


ーーその自撮りもグラビア系の写真を?


似鳥 そうです。といっても何かを羽織っていたり、肌をチラ見せするとか、その類のものですけど。そのうち撮りたい写真や構図がわかるようになって。ラブホテルとか雰囲気のある場所に一人で行って自撮りするようになりました。


ーーひとりでラブホテルは怪しい(苦笑)。インスタの反応は?


似鳥 フォロワーがたくさん増えました。でも「サロンモデルなのになぜ露出してるの?」って批判がものすごくて怖くなりました。でも「批判がくるってことは、他の誰もやってないことだ」って文章をどこかで見て、続けようって。自撮りをすることで、誰かの真似じゃない、自分が好きなことを人生で初めてやっているって実感が沸いたんですよね。


ーーなるほど。フォロワーが増えるにつれ、事務所からも声をかけられたんじゃないですか?


似鳥 インスタを始めて半年後に東京の事務所から連絡がきました。で、グラビアのテスト撮影をしてみようと。それで着たい衣装とか下着をカバンに入れて、東京に行ったんです。


ーー撮影を! で、どうでした?


似鳥 ものすごく緊張しました。初めての東京だったんで。


ーーそっちですか?(笑) 撮影は?


似鳥 頭が真っ白になりました。緊張もあったけど、いままで全部自撮りでやってたので、撮られ方が全然わからなくて。グラビアはたくさん見てわかっていたつもりだったけど、やるとなったら違うんだなと思いました。もっと勉強しようって。


ーー写真はどんな感じに?


似鳥 キレイに撮っていただきましたよ。でもちょっと違うなって。撮影前にグラビアだから胸を大きくしようと思って、少し太ったんです。そうしたら胸はいいんだけど、ウエストとお尻の形が思ってた形と違って。そこからジムに通うようになりました。


ーーへ〜。でもすごいですよね。近所に買い物へ行くにも抵抗があった似鳥さんが、一人で東京へ出かけ、ジムにも通うようになるなんて。


似鳥 本当にそうですよね。怖かったけど、頑張りました。好きなのでちゃんとやりたいなって。


ーー12月にはポップカルチャー・サイト「Kai‐YOU」で、グラビアを披露しますね。タイトルは「似鳥沙也加さんのGカップ銭湯グラビア 福岡の天然真珠、発見される」。たまたま見かけて、「へ〜! こんなコがいたんだ!」って驚きましたよ。


撮影:Diora/KAI-YOU.net「似鳥沙也加さんのGカップ銭湯グラビア 福岡の天然真珠、発見される」

https://kai-you.net/article/48138


似鳥 やはりインスタを見て声をかけていただいたんですけど、最初は自分でいいのか不安で。しかも撮影は東京だし、緊張でお腹が痛くなりました。でも一方でグラビアを撮ってもらえることが嬉しくて。


ーーこの時の衣装は体のラインの出るニットと下着で、バスタオルを着けながら入浴するシーンもあります。初めて媒体に出るにしては大胆ですよね。


似鳥 たしかにそうかも。それまで自分のインスタでも下着だけ、水着だけのカットは載せてませんでしたから。


ーー脱ぐことに抵抗は?


似鳥 私服で撮られるより、そっちのほうが平気でした。私はいつもそうなんです。


ーー普通は逆でしょ(笑)。


似鳥 よく言われます(笑)。でも大好きなグラビアを撮ってもらえてるんだって、嬉しくなるんです。


ーーすごくキレイなグラビアだったし、さらにフォロワーも増えたでしょう。


似鳥 はい、すごく。コメントもたくさんいただきました。思わず「ごめんなさい」って。


ーーなんで「ごめんなさい」なんですか?(笑)


似鳥 自分のグラビアを見てくれて、しかもコメントまでわざわざ書いていただくなんて申し訳ないというか。


ーー普通は嬉しいとか、自信がわくものですけど。


似鳥 いえ。自信はなかったです。いまもないです(笑)。でも、それまでになく嬉しい気持ちになりましたね。



*第6回後編は、9月8日(水)配信予定です


* * *


週刊プレイボーイ担当編集が語る似鳥沙也加さん初グラビア


似鳥さんは、カメラマンさんの紹介で、編集部に顔見せに来てくれました。その時の印象は「声、ちっちゃ!!」です。恐らく緊張していたんだと思いますけど、驚くほど声が小さくて。それでもグラビアが大好きで、中でも吉木りささんが特に好きだって話を一所懸命してくれたのを覚えていますね。

芸能活動をしていない「素人」としては、当時からインスタグラムにたくさんのフォロワーがいたと思いますが、KAI-YOUさんに登場するなど、その数は増えるばかり。そこで満を辞してお声をかけさせていただきました。

初グラビアは福岡で暮らす一般の若い女のコをイメージし、都内のスタジオで撮影しました。覚えているのはラーメン屋さんでのシーン。カメラマンさんの知人のラーメン屋をお借りして、似鳥さんがそこでバイトする女のコというイメージで撮影したんですが、似鳥さんはひきこもっていたので、ラーメンを食べたことがなかったらしく。それを聞いた時はちょっと驚きました。



ご本人はすごく緊張していました。表情もすごく硬かったし。とはいえ上がった写真を見ると、ものすごくリアルで、「こういう女のコいるよな」なんて思いましたけどね。

その後は現在まで、3年にわたり継続的に撮影させていただいています。毎号、評判は上々です。特に印象的なのは表紙にも登場していただいた3回目の撮影(2018年48号)。その時は大分の由布院で温泉ロケです。似鳥さん自身、非常に楽しんでくれて、終始、和やかに撮らせていただいたのを覚えていますね。また普段、絶対外さないというカラコンもとってくれて自然体の写真がたくさん撮れました。

似鳥さんの魅力ですか? やっぱりグラビアが心底好きってことですよね。好きだから、いいグラビアを撮影しようということであれば、喜んで撮影に臨んでくれるし、肌の露出に関してだって躊躇がない。結果、カメラマンも撮りたいものを気兼ねなく撮れて、普通より踏み込んだグラビアができあがる。これからも一緒にいいグラビアを撮影していきたいですね。


似鳥沙也加(Sayaka NITORI)

1993年9月28日生まれ 福岡県出身

身長164㎝

公式Twitter【@nitori_sayaka】

公式Instagram【@uw.sayaka】

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