『初グラビア物語~My First Gravure Story~』第6回後編 似鳥沙也加

「週刊プレイボーイ」の誌面を彩り、さまざまな分野の最前線で活躍する女性たち。彼女たちが人生で一回きりとなる「初グラビア」について語る連載シリーズ。


今回は、インスタグラマー・似鳥沙也加さん。「週刊プレイボーイ」の2018年11号に初登場し、大きな反響を呼びました。


今回はいよいよ「週刊プレイボーイ」の撮影について。果たして彼女は無事にロケを終えたのか。そして本誌が出て、周囲の反応は? 当時の想いととも語ってもらいました。


ーー「週刊プレイボーイ」のグラビアにはどんな経緯で出ることになったんですか?


似鳥 先ほどお話した東京でのテスト撮影をしてくださったカメラマンさんのご紹介で、編集部に顔見せに行きました。でも雑誌にでるなんて無理だと思ってたんで……ごめんなさいって感じでした。


ーーいや、謝らないでいいですけど(苦笑)。その時、覚えていることは?


似鳥 ものすごく緊張して「グラビアが好きです」しか言えなかったです。あと担当編集さんに「カラコンはとっても大丈夫ですか?」と言われたのを覚えてます。


ーー当時はいま以上に、カラコンは目の表情が伝わりにくくなるから、グラビアには向かないと言われてました。


似鳥 つけるとほんの少しだけど自信がもてるので、カラコンはたくさん持っているんです。なので「やっぱりダメなのか」って思いました。


ーーとはいえ、少し経ってからですけど、編集部から連絡が来ましたよね。その時の心境は?


似鳥 ごめんなさいって感じでした。


ーーいや、だから、謝らなくても(苦笑)。嬉しかったですか?


似鳥 ……はい(苦笑)。


ーーその後、ついに本格的な「初グラビア」の撮影となるわけですけど、この時のテーマは「博多で暮らす女のコの日常」でしたね。


似鳥 最初は「自宅で撮影させてもらえませんか?」と言われ、特に素人感をすごく大事にされてました。結局、私が東京へ行ってスタジオで撮影したんですけど。


ーーKAI-YOUさんで撮影していたから少しは慣れてました?


似鳥 まったく。雰囲気が全然違いました。あとスタイリストさん、ヘアメイクさんがいる撮影はこの時が初めてで。きっと人生で、一番緊張しました。表情もガチガチでした。


「週刊プレイボーイ」2018年11号より(撮影/正司慎一郎 ※以下本誌カット同)


ーー誌面を見ても緊張が伝わってきます。ラーメン屋さんでも撮ってますよね。


似鳥 それも素人というか、アルバイトしている女のコって設定で。楽しかった記憶があるけど、緊張でどんな感じだったかは覚えてないです。


ーー誌面で気に入ってるカットは?


似鳥 最後のページに載っている、歩道橋の上で、パーカーを着て立っているカットは私っぽいと思います。特に不安そうな表情とか。屋外で撮影したのはこの時が初めてで、へー、こんな感じなんだなって勉強になりました。



ーー撮影が終って、雑誌が発売されるわけですが、その時は?「初グラビア」というと女のコたちは朝早くからコンビニに行って、出たのを確認するとかよく聞きますけど。


似鳥 私は外に出ないので何も。編集部から雑誌が送られてきましたけど、それも見てないです。いまもそうなんですけど私、掲載誌ってすぐに見られないんですよ。怖くて。この号もだいぶ時間が経ってから見ました。


ーー読者からのリアクションはあったのでは?


似鳥 この撮影はネットニュースになったんです。すごく叩かれちゃって。


ーー叩かれた? なぜ?


似鳥 「インスタで見るのと全然、違う」って。それを見て、結構泣きましたね。ただ、その一方で応援コメントもいっぱいあって。KAI-YOUさんの時にいろんなコメントいただくようになって、送ってくれた方たちの名前も覚えていたんですけど、この時もその人たちが嬉しいコメントをたくさんくれたんです。あ、ずっとついてきてくれてるんだなって。


ーーそれは嬉しいですね。


似鳥 本当にありがたかったです。昔、いじめられてた時は、心穏やかでいたいから、いつも逃げてたんです。小・中学校は行かなくなったし。でも私なんかを応援してくれてる人がいる以上、もう逃げるわけにはいかないなって。


ーーすごい心境の変化ですね。グラビアを通じ、ファンの存在を認識し、力をもらったと。


似鳥 そうです。もっと努力しよう、頑張ろうって思いました。





ーーその後、半年も経たず、今度はセンター8ページに登場。さらにその3ヵ月後には表紙にも抜擢されます。週プレでインスタグラマーが表紙になったのは、似鳥さんが最初です。


似鳥 すごく嬉しかったです。2回目のグラビアでは体の見せ方もだいぶわかってきました。毎回衣装もヘアメイクも可愛かったし、素敵に撮っていただきました。


ーー表紙の号の時は大分県・湯布院の温泉グラビアでしたね。


似鳥 あれはすごく楽しかったですね。週プレさんの撮影ではこれが一番好きです。この時は編集さんとお話しして、カラコンをナチュラルなものにしました。それまでになく自然体なグラビアに挑戦しました。


ーー温泉では自然なのかもしれませんけど、タオル一枚のカットも。背中とお尻が丸出しのバックショットまでありますね(苦笑)。


似鳥 あれはやりすぎました(笑)。雑誌が出た後、ファンから「ここまでやってよかったの」ってコメントがきて。私的には大事なところは隠れてるし、なんとも思わなかったですけど。


ーーちなみに週プレに初登場する前、「#インスタグラビア」ってハッシュタグをつけるようになりましたよね。


似鳥 「似鳥沙也加といったらこれだ」って、自分だけのハッシュタグが欲しいと思ってつけました。サロンモデルの頃、グラビアっぽく見せていることを批判された時、「これは誰もやってない、自分のものなんだ」と思ったのをちゃんと形に残したかったんです。ある意味、あそこが原点というか。


ーーいまではグラビアアイドルに限らず、普通の人も当たり前のように使ってますよ。


似鳥 すごいですよね。皆さん、使っていただいてよかったなって。


ーー現在はインスタグラムのフォロワーも100万人を突破。似鳥さんのインスタグラビアを楽しみにしている人は増え続けています。似鳥さんがインスタグラビアで心がけているのは?


似鳥 雰囲気を大切にすることですね。私は自分が主役になるのがやっぱり得意じゃなくて。なのでその場の一部でいたいのと、あと女性が見てもいやらしくなりすぎないというか。一枚の写真としてキレイだと思ってもらえるものを撮りたいと思っています。


ーーグラビアに出る時とは意識が違う。


似鳥 グラビアはスタッフの皆さんと作るものですからね。ロケバスの運転手さんも私のために朝早く起きてくださるなんてありがたいなとか、皆さんに感謝しつつ、一人でやっていては気づかなかったことを勉強させてもらってる感じです。


ーーでもこうして伺っているとグラビアに出たことで、似鳥さん自身、随分と強くなったんじゃないですか?


似鳥 いや、弱々です(笑)。私生活はいまも変わらないし、相変わらず友達もいないですし。



ーー最近は事務所を移籍して、お芝居のレッスンも始められたとか。新しいことを始めたくなったとか?


似鳥 う~ん。お芝居のレッスンは本当に最近ですけどね。女優の仕事をしたくなったというのとはちょっと違います。


ーーグラビアが女優への第一歩みたくいう人がいますけど、そういうのではない?


似鳥 全然違います。グラビアを通じて有名になりたいとか、顔を知られたいって気持ちは、昔も今もまったくなくて。むしろ今でも顔を伏せたいくらい(笑)。お芝居のレッスンは似鳥を育ててくださったファンの方々に、「こんなこともできるんだ」「応援してきてよかったな」って喜んでもらえる報告ができればと思い始めました。


ーーあくまでファンのためだと。


似鳥 それしかないです。グラビアに出る度、ファンの方が増えてくれて、それが嬉しいから頑張れるわけですから。「似鳥ちゃんのグラビアを見ると、楽しい気持ちになれるよ」とか「(雑誌を)帰宅前に買うから、仕事頑張るよ」とか、そういう言葉が本当に嬉ししくて。それを聞いてると、緊張なんかしてられないなって。その意味では強くさせてもらってますね。


ーーそれにしてもグラビアをやってなかったらまったく別の人生を送っていたかもしれないです。


似鳥 本当に。大げさじゃなくて生きていたかなって、思いますよ(笑)。私、考えすぎる性格なので、日々、辛いなと思うことは多くて。でもグラビアってやりたいことがあって、応援してくださる方々がいる。それが支えになっています。グラビアに出会えて本当によかったです。


*第7回前編は、9月15日(水)配信予定です


似鳥沙也加(Sayaka NITORI)

1993年9月28日生まれ 福岡県出身

身長164㎝

公式Twitter【@nitori_sayaka】

公式Instagram【@uw.sayaka】

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