『初グラビア物語~My First Gravure Story~』第7回前編 石田桃香

「週刊プレイボーイ」の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの人生で一回きりとなる「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。


今回は、タレント・女優の石田桃香さん。彼女は「週刊プレイボーイ」の2019年29号に初登場。可憐な美しいルックスとインタビューで見せた明るく元気な関西キャラとのギャップが大きな話題をを呼びました。


バラエティ番組『Rの法則』(NHK Eテレ)で活躍し、卒業後グラビアデビュー。高い人気でたちまちグラビア誌やマンガ誌の巻頭や表紙を飾るように。ですが、意外にも関係者によれば、彼女のグラビアでの活躍はいい意味で予想外だったとか。果たして彼女はどんな経緯で「週刊プレイボーイ」のグラビアへ登場したのか。当時の想いとともに聞きました。


週刊プレイボーイ2019年29号(撮影/細居幸次郎)より


ーー石田さんは、2012年に『Rの法則』(NHK Eテレ)に出演したのが、芸能活能のスタート地点なんですよね。もともとどんな経緯で出演することになったんですか?


石田 中3の頃、オーディションを受けました。番組は10代の間で気になる事柄を「R's」というメンバーがリサーチに出かけスタジオで語り合うという内容で、視聴者として楽しんでいたんです。でも出演しているのが全員同世代なので、自分も参加したいと思って。今、振り返るとオーディションは恥ずかしかったですけどね。


ーー何かあったんですか?


石田 当時、きゃりーぱみゅぱみゅさんが人気で、私も真似た格好をしていたんです。で、カラフルなパーカー、豹柄のスカート、パンダのバッグで行ったら、周りはミニスカにヒールとかで(笑)。ずっと大阪に住んでいたんですけど、東京のコはみんなきゃりーさんみたいな格好なんだって勝手に思い込んでたんです。


ーー当時から個性を発揮していたんですね(笑)。でもレギュラー番組の仕事は大変だったんじゃないですか?


石田 そうですね。しょっ中、東京に行って、ロケもよく行ってました。沖縄へ行って地元の高校生に密着したり、男装カフェとか変わったところへ行ったり。で、毎週スタジオで15人くらいの子たちとひな壇でトークして。


ーーひな壇のトークって難しいですよね。


石田 30分番組でコメントを使われるのはほんの数人だから喋らないでいると、収録に呼ばれなくなるんですよ。R'sにはテレビ慣れしたアイドルもいたから、ほんま必死でした。


ーーそれだけトーク力も鍛えられたと。


石田 多分(苦笑)。でも芸人さんのゲストが多かったので、その方たちを見て、しゃべる速さや声の大きさの大切さとか、話に入るタイミングとかを学んでました。


ーーその努力の甲斐あって、石田さんは『Rの法則』エースとして番組を盛り立てましたよね。


石田 だといいけど(照笑)。7年間、R'sやらせていただいたんですけど本当にいい経験でした。いまの自分の基盤になってると思います。



ーーその後、2018年3月にR'sを卒業。それから2019年7月の初グラビアまで、約一年ありましたけど、その間はどんなことを?


石田 ずっとアルバイトしてました。芸能活動を本格的に始めようと思って、上京したんですけど簡単にはいかなくて。カフェ、ハンバーガー屋さん、ステーキ屋さんといろいろやりましたね。


ーー7年間もテレビのお仕事をして、バイト生活は辛いですね。


石田 一緒に働いてるのは同世代が多かったし、どこへ行っても楽しくお仕事させてもらってたんですけど、やっぱり「自分は何やってるんだろう」って思いました。たまに『Rの法則』で一緒だったコが、映画に決まった話とか聞くと、よかったねって嬉しい反面、やっぱり悔しさもあったし。いつもニコニコしてましたけど、内心は焦ってました。


ーー『Rの法則』のスタッフさんのところへ相談は?


石田 よく行ってました。たまにバイト先にご飯を食べにきてもらったりもしてました(笑)。一年が経った頃、ようやくいまの事務所に所属することになったんです。


デジタル写真集『好きやねん。』(撮影/細居幸次郎)より


ーーグラビアはどういう経緯でやることに?


石田 自分から志願しました。もともとグラビアを見るのが大好きで、佐野ひなこさんに憧れていたんです。それでいつかは自分もって。でもマネージャーさんには「やりたいこととできることは違うから」って言われてしまって。


ーーえ? そうなんですか!?


石田 でも今思うと難しいと思われたのもわかるんですよね。当時、銀髪だったし(笑)、自分ではオシャレしていたつもりだったけど、着ているものが全然垢抜けてなかったし。きっと外見じゃなく、キャラ勝負のコみたく思われてたんじゃないかなって。『Rの法則』の時もそういう位置付けだったし。


ーーよくしゃべる、面白いコみたいな。


石田 そうそう。実際、着るものはいつもダメ出しされてましたね。宣材を撮影するというので、自分で水着や衣装を用意したんですよ。でも宣材用ってどんなんかわからないから、派手なペイズリー柄で体のラインの出ない水着を買っていっちゃって。「グラビア向きじゃない」ってバッサリ。あとアイドルみたいな白いミニのワンピースを買っていったら、それがまた似合ってなくて「プロレスラーかよ!」って(笑)。


ーーなるほど。洋服は先に『Rの法則』のオーディションの話を聞いたので、なんとなく想像がつきます(笑)。


石田 それでもマネージャーさんは男性誌やマンガ誌へ動いてくれて。一緒に各編集部へ顔見せに行きました。


デジタル写真集『好きやねん。』(撮影/細居幸次郎)より


ーーその中のひとつが「週刊プレイボーイ」だったと。実際に週プレの編集部へいらした時のことは覚えてますか?


石田 建物が大きすぎて、びっくりしたのは覚えてますけど、それ以外は緊張しすぎて何も(苦笑)。そもそもいったいどんな話をすればいいのかまったくわからなくて。がんばったとは思いますけど、自分をアピールできてたのかはわからないです。


ーーちなみに週プレ編集部に行った時の格好は?


石田 マネージャーさんに「可愛い格好で」って言われたけど難しくて。でも落ち着いた感じのワンピースを着ていったと思います。髪もその時は黒くしていましたね(笑)。


ーーその後、週プレを含め、いくつかの媒体で撮影が決定。心境はいかがでした?


石田 めっちゃ嬉しかったです。昔からの夢がかなったって。でも大丈夫かなって不安もあって、めっちゃ複雑な気持ちでした。私はもとから写真映りがいいほうじゃないんですよ。顔がまんまるすぎて。『Rの法則』に出ている時もひな壇で顔が小さい子が隣にいると少しでも後ろに下がって、目立たなくするとかいろいろと作戦を練っていました(笑)。


ーーテレビは動きがあるから、見せ方に工夫ができますよね。


石田 そう。でもグラビアはそれが出来ないじゃないですか。だからどうしようって。もちろんそれ以上に楽しみではあったんですけどね。


ーーダイエットとか、何か準備しました?


石田 スクワットを毎日いっぱいしたり、岩盤浴に行ったり。体重自体は変わらなかったけど、スタイルはすっきりしたと思います。あと家でいろいろなグラビアを見て、ポーズの練習もしました。筋肉痛になりましたね(笑)。



担当編集者が語る石田桃香の初グラビア


最初、編集部に顔見せに来た時は「関西弁の、可愛らしい女のコだな」と思ったのを覚えています。明るい表情で、人懐っこい笑顔を浮かべながら話して。一緒にいると、こちらも楽しくなってくる。そんな印象を受けました。


グラビアを撮ってみたいと思ったのは、そんな彼女の愛らしいキャラクターと男性が好きそうな顔立ち、そして写真を撮られた時の表現力に期待できそうだったから。当日いただいた写真資料を見て、「このコ、自分の見せ方をわかっているな」と思いました。今まで撮られ慣れているわけではないのに、自然と表情を作れて、ひょっとしたら勘がいいのかもと感じたんです。それってグラビアでは重要な要素だと思うので。


それともうひとつあります。彼女が帰った後、たまたま隣りで打ち合わせをしていた販売部の人が「さっきのコ、めちゃくちゃかわいかったですね」と声をかけてきたんです。普段、そんな風に言われることは滅多にないからびっくりして。ますます「これはいけるかも」と思いましたね。


撮影では何より「元気いっぱい!」みたく、アイドルっぽいグラビアにはならないよう意識しました。ルックスだけ見れば彼女はアイドルのイメージに近いと思うんです。でも彼女はグラビアのスタート地点に立ったばかり。そのままを打ち出すより、彼女が持っているものを引き出したい。そう思ったんです。そこで衣装もアイドルっぽくない、落ち着いた雰囲気のものをスタイリストさんに用意してもらいました。

撮影現場の様子はとてもよかったですよ。本人は緊張したと言っていましたが、撮られていくうちに表情がどんどんよくなってきて。大人っぽさ、謎めいた感じ、あどけなさ……いろんなものが自然と湧いて出る。彼女はカメラを向けられると“化けるタイプ”ですね。


できあがった誌面では、最初の見開きが気に入っています。ともにベージュのボーダーの水着を着たカット。半開きの唇がセクシーだし、悩ましげな表情もいい。思わず引き込まれてしまう雰囲気がある。この時のグラビアは大好評。すぐ2回目の撮影が決まり、半年も経たず3回目の掲載で表紙にも登場してもらいました。


彼女の魅力は、なんといっても表情のバリエーションが豊かなこと。男性が好きそうな表情も出来るし、求められたことにちゃんと応えられる。それと細すぎずモチモチしているカラダも、チャームポイントのひとつだと思います。またグラビアのタイトル「好きやねん。」は、普段関西弁でしゃべる石田桃香に言われたら……って想像しながら誌面を見てもらいたいという思いと、読者目線で「好きだ」という意味を掛けています(笑)。


石田桃香(Momoka ISHIDA)

1997年10月21日生まれ 大阪府出身

身長160㎝ B88 W63 H96 血液型=B型

公式Twitter【@ishidamomoka】

公式Instagram【@isd_momoka】

公式YouTubeチャンネル『ちゃんももチューブ』

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