2021年9月29日 取材・文/大野智己、撮影/荻原大志
「週刊プレイボーイ」の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの人生で一回きりとなる「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。
今回は、タレント・女優の石田桃香さん。彼女は「週刊プレイボーイ」の2019年29号に初登場。可憐な美しいルックスとインタビューで見せた明るく元気な関西キャラとのギャップが大きな話題を呼びました。
バラエティ番組『Rの法則』(NHK Eテレ)を卒業後、1年間のバイト生活を経て、ついに念願だったグラビアデビューへ。果たして撮影はどんな心境で迎えたのか。そしてその後、彼女が得たものは?
デジタル写真集『好きやねん。』(撮影/細居幸次郎)より
ーー撮影自体、週プレは2回目だったんでしたっけ。その前……最初の媒体『ヤングチャンピオン』さんで撮影したときは?
石田 都内のスタジオだったんですけど、めっちゃ緊張しました。どうしていいかわからないので、言われるがままに「はい」「はい」ってそのまま動いて。表情もガチガチやったと思います。
ーー水着は恥ずかしかった?
石田 最初は恥ずかしかったですね。「え?私だけ水着ですか?」みたいな状況は初めてだし(笑)。でも途中からは慣れました。
ーー印象的だったことなんてあります?
石田 メイクですね。普段、自分でやる時はめっちゃ濃いんです。赤リップが好きで、ギラギラにやったりして。テレビの時もそうしてました。でもグラビアはめっちゃ薄くて。「はい、完成です」と言われて、思わず「大丈夫ですか?」って聞いちゃいました。
ーーグラビアは基本、ナチュラルメイクですもんね。そしていよいよ週プレの撮影。2回目ということで、すでに慣れてたんじゃないですか?
石田 いや、全然ですよ。最初の撮影の翌日だったので、自分の中で整理する時間はなかったし、ロケ場所もスタッフさんも全然違っていたので。
週刊プレイボーイ2019年29号(撮影/細居幸次郎)より
ーー撮影は神奈川県でしたっけ?
石田 そうです。早朝、ロケバスに乗って向かってる時はやっぱり不安で。今日はうまく出来るかなって。でも綺麗なハウススタジオで中に入った瞬間、わくわくしましたね。衣装もものすごく持ってきていただいたんですよ。撮影前に水着をズラーッと並べてもらって、全部試着して。それだけで疲れちゃうくらいでした(笑)。
ーー派手なのはありました? それこそ豹柄やペイズリー柄とか(笑)?
石田 いやいやなかったです(笑)。シンプルなのが多くて。でも普段は着ない衣装だったから逆にすごく楽しかったです。試着してみたら、スタッフさんたちに似合うって言ってもらえて。今までとは違う自分になれた気がして、ものすごく新鮮でしたね。
ーー撮影自体、緊張は?
石田 最初したんですけど、この時撮ってくれた細居(幸次郎)さんって、何も言わずにさささっと撮り出すんです。「え? もう始まってます?」って思ったら撮影に入ってるみたいな。でもそのおかげでガチガチに緊張ってほどでもなかったです。
ーーカメラマンさんって、よくしゃべってコミュニケーションとりながら撮る方もいますけど、この時は?
石田 それほどでもなかったかな。私、すごくしゃべっちゃうタイプなので、敢えて話しかけず、集中させてくれたんだと思いますね。適度な緊張感があって、それが心地よかったです。
ーー覚えてることはあります?
石田 寝ているところを真上から撮ってもらったことですね。真上からなんて初めてだから「変な顔じゃないかな」「大丈夫かな」って心配だったんですけど、見せてもらったら綺麗で感動しました。あと海で撮ったことですね。もう、すごい開放感で! 海のグラビアってみんな笑顔を浮かべてるのが多いじゃないですか。あれって自然と笑顔になっちゃうものなんだなって思いましたね。
ーー楽しい撮影だったんですね。そして他の雑誌に先駆け、週プレが最初に発売されて「初グラビア」の掲載となりました。雑誌が出た時はどんな気持ちでした?
石田 何より自分が雑誌に載ってるってのが実感なくて。他人を見るような感覚でみたんですけど、「うわっ! 可愛い!」って(笑)。自分の写真を見て、そんな風に思ったことがないのでびっくりました。最高に嬉しかったですね!
デジタル写真集『好きやねん。』(撮影/細居幸次郎)より
ーー特に好きなカットは?
石田 ベージュのボーダー水着を着た、バストアップの写真ですね。
ーーちょっぴり半開きの唇といい、髪の毛のなびく感じといい、大人っぽい雰囲気があるカットですね。
石田 はい。いつも幼く見られるので、こんな自分がいるんやって。
ーー周りの反応はどうでした?
石田 大阪の友達とかいろんな人から「見たよ」「買ったよ」って声をもらって。SNSのフォロワーもめっちゃ増えました。
ーーマネージャーさんは?
石田 ものすごく喜んでくれました! そんなにいいんですか?ってほどたくさん褒めてくれて。私がびっくりしましたね(笑)。
ーーいい意味で予想外だったんですね。それにしてもこうしてお話されている石田さんは、とても明るくて人懐っこいキャラクターですけど、グラビアはどちらかといえば物静かな美少女のイメージですね。
石田 それ、いろんな方に言われます。『Rの法則』の頃のよくしゃべるイメージとは真逆なんで、最初はちょっと戸惑いました。グラビアを見て、私のファンになってくださる方には「ありがたいですけど大丈夫ですか? 私、本当はこんな感じですよ!」って言いたくなりました(笑)。最近はもうすっかり慣れましたけど。
ーーいや、そのギャップがまた可愛らしいんですよね。その後、石田さんは瞬く間に多数の雑誌のグラビアに登場し、表紙も飾るようになりました。グラビアを始める前は、自分は写真写りが悪いのではとか不安も抱えてましたよね。それが大活躍。自分に自信を持てるようになったのはいつ頃?
石田 やっぱりいろんな雑誌の表紙を飾らせていただくようになってからですね。表紙って、雑誌の顔じゃないですか。だからよりシビアに見られるわけで。なので、ちゃんと認めてくれる人が増えたんだなって思いました。でもまだまだですけど。
週刊プレイボーイ2019年29号(撮影/細居幸次郎)より
ーー改めて初グラビアは見返すことはありますか?
石田 たまに見ます。で、その度に「あー、若いな」って(笑)。
ーーたった2年前ですよ(笑)。
石田 そうですよね。でもいまではこの表情は出きないです。緊張して、どこか自信がなさそうで。これは、この時にしか出せなかった表情なので、すごく愛おしく思います。
ーーグラビアをやってるときの意識は変わりました?
石田 大きく変わりました。ある時期までは、撮影中、自分がどう見られるかってことばかりを考えてたんです。でもいまは自分をどう見せたいかってことを考えてて。以前に比べ、皆さんに自分を見て欲しいって気持ちが強くなりました。
ーー最近はドラマにも出演し、活動の場をますます広げています。石田さんにとって初グラビアはどんな位置付けですか?
石田 自分の人生の大きな転機です。グラビアが、私の知らない私を引き出してくれましたし、自分に自信を与えてくれました。グラビアをやってなかったら絶対にいまの自分はいなかったです。グラビアに挑戦して本当によかったです。
*第8回前編は、10月6日(水)配信予定です
* * *
カメラマン・細居幸次郎氏が語る石田桃香の初グラビア
初グラビアとは思えない妙な自然体の方でした。
初めは僕の方が緊張していました。
とても優しくて、気さくで、関西弁がとても可愛くて、
音楽が大好きで、まだバイトもしながらで。
きっと出会う人はみんな友達みたいな感覚になるんだと思います。
ずっとお話ししてました。そんなグラビアです。
石田桃香(Momoka ISHIDA)
1997年10月21日生まれ 大阪府出身
身長160㎝ B88 W63 H96 血液型=B型
公式Twitter【@ishidamomoka】
公式Instagram【@isd_momoka】
公式YouTubeチャンネル『ちゃんももチューブ』