『初グラビア物語~My First Gravure Story~』 第15回後編 志田音々

『週刊プレイボーイ』の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。


今回はタレント・女優の志田音々さんの後編。前回は、芸能界入りを果たし、『週刊プレイボーイ』での初グラビアに挑戦するまでの経緯を尋ねましたが、いよいよその撮影時のエピソードを。


彼女は一体どんな心境で現場に臨んだのか。そして、その後のグラビアについて、また彼女のトレードマークである笑顔についてまでを語ってもらいました。


初グラビアを収めたデジタル写真集『ピュアは時として胸を刺す。』(撮影/唐木貴央)より


――初グラビアの撮影現場で、印象に残ってることはありますか?


志田 カメラマンさんの指示に一所懸命従ったことですね。どんなふうにポーズをとればいいか、まったくわからないから必死で。一言も聞き漏らさないよう集中しました。


――最初ですから。いきなりカメラ向けられても難しいですよね。


志田 あとは赤い水着のシーン。スタジオの外の芝生で撮影したんです。で、ひと通り終わった後、ちょっと柵の上に立ってみてと言われて。平均台ほどの幅があったので余裕だと思ったら、まるで上手く立てなくて。何度やってもすぐ落ちちゃう。私、バランス感覚が悪かったみたいです(笑)。


――確か志田さんのお母さんは元体操の選手だったのでは?


志田 そうです。オリンピック候補にもなっていました。それを撮影の時、みんなにも話していたから、「遺伝子はいずこ……」って。


――いずこ、って(苦笑)。それにしてもスタイルがいいですよね。撮影前、ダイエットか筋トレなどに励みました?



志田 いや、その時は特には。でも前まで、東京ドームでジュースの売り子さんをやってたんですよ。あれって重いものを持ちながら階段を何度も上り下りするから、いい運動になるんです。それが体つくりに役立ったのかなって。


――掲載誌の発売日はどんなふうにすごしました?


志田 いやー、もうずっと楽しみでした。発売日は朝から学校があったので家に帰ってから、買いに行こうと思ってたら、置いてあって。お母さんが買ってくれていました。改めて見返したんですけど、随分と笑顔がぎこちないな~と思いましたね。


――家族の反応は?


志田 みんな、褒めてくれました。弟は恥ずかしかったのか、見てくれなかったけど(笑)。あと同時にデジタル写真集も出していただいたじゃないですか。


それがグラジャパ!のランキングに入ってたんですけど、お母さんが見て「すごいじゃない! 上位だよ!」って興奮して。毎日、今日は何位だ、とか盛り上がってましたね。


――志田さんって一見、おとなしそうで、グラビアをやるような女のコではないですよね。それなのに水着を見せてくれて……。それもあってビックリした読者は相当多かったでしょうね。


志田 それ、事務所の社長さんから言われました。私みたいなタイプがグラビアをやるとギャップがあっていいんだよって。自分では「へー。そんなものかな」って感じですけど、喜んでもらえるなら嬉しいなって思います(笑)。


――学校では何か言われました?


志田 芸能のお仕事をやってるって、自分では言ってなかったんです。なのでビックリした人も多かったみたい。「えー! なんで載ってるの?」って言われました。でも中学・高校の友達はいっぱい連絡をくれたけど、大学ではほとんど何もなかったですね。みんな気を使ってくれてるみたいです(笑)。


あと当時、『ZIP!』の静岡第一テレビでお天気お姉さんををやってたので、静岡の方から「おめでとう!」って声は多くいただきました。


――グラビアをやってみて楽しいなと思いました?


志田 すごく思いました。非日常の世界じゃないですか。普段、絶対にしないようなヘアスタイルをしてもらうとか。鏡を見た瞬間、なんだか自分じゃないみたいで。すごくテンションがあがります。すぐにまたやりたいなと思いましたね。


――その後、志田さんは約3年にわたって度々、週プレのグラビアに登場してくれてますけど、特に印象に残ってるのは?


志田 なんだろう……。毎回楽しいのでどれとは言えないですね。フラミンゴの浮き輪をつけて、志村けんさんの「アイーン!」をやった時とか楽しかったです。


デジタル写真集『女子大生の最も輝かしい瞬間』(撮影/栗山秀作)より


――志田さんの「笑顔」をテーマに撮り下ろした「女子大生の最も輝かしい瞬間」(2020年22号/6月1日号)ですね。そのカットはデジタル写真集に収録されています。


志田 あとは「キャンプ」がテーマのグラビア(「最高のアゲアゲキャンプ!女子大生のGW」2021年19&20合併号/5月17日号)で、テントサウナで撮影したこととか。


「めちゃくちゃ暑い顔してね!」って言われたんですけど、屋外に設置してあるから最初すごく寒くて。楽しかったけど、なかなか暑い顔できずに苦労しました(笑)。


――グラビアっていうと、艶っぽいイメージがありますけど、志田さんのは、どれも楽しいというか、ちょっとコミカルなものが多いですよね。男のコがひとりでこっそり見るというより、それこそ家族でワイワイ騒ぎながら見るようなグラビアというか(笑)。


志田 言われてみれば、そうですね。編集さんが私に企画性の高いグラビアをやらせてくれるんです。自分でも面白いものが好きだから毎回、楽しみながらやらせてもらっています。出来上がったものは、本当に家族全員で楽しんでいますよ。


――楽しいグラビアということで、どれも志田さんの表情の大半は笑顔ですが、一方で「すべてのはじまりのような白。」(2021年6号/2月8日号)以降は大人っぽい表情も見せてくれています。


志田 そうですね。もちろん「大人っぽい表情を」と求められるとちゃんと応えますよ(笑)。でも正直に言うと、ちょっと苦手です。この「すべての~」の時も真面目な顔をした途端、自分の顔が面白くて、つい笑っちゃったりしたし(笑)。


+アーカイブス『すべてのはじまりのような白。』(撮影/佐藤佑一)より


――そんなに!? でもいつもニコニコしているのは疲れません?


志田 むしろ真顔のほうが疲れるかも。自分が笑顔でないと、なんだか雰囲気が暗くなる気がするんです。それが好きじゃなくて。あと現場ではいつも笑っているから、真顔だと機嫌が悪いんじゃないかって気をつかわせたりもするのも嫌ですし。それに普段から笑顔なので疲れるなんて考えたことないです(笑)。


――家にいる時も常にニコニコとしてるんですか?


志田 はい。家族がすごく明るいんですよ。家でもひとりより家族といることが多いのでずっとニコニコしています。昨日も「水を噴き出したらダメゲーム」をお母さんと妹とやって、大爆笑しました。


――「水を…」? それどんなゲームなんですか?


志田 私と妹でまず水を口に含むんです。で、それを笑わせ係のお母さんが面白いことを言って、先に噴き出したら負け。そんなゲームです(笑)。


――昨日はどちらが勝利を?


志田 どっちもダメダメでしたね(笑)。二人で噴き出しちゃいました。で、それを見てまた笑って。ずっと繰り返してました。


――志田さんは家族とともに根っから明るいんですね。


志田 はい。私にとっては笑顔が自然なんです。いつも笑顔の多いグラビアを撮っていただいて、感謝しています。


――これはみなさんに聞いていますが、いまも初グラビアを見返したりします?


志田 しますね。私のモットーは「初心を忘れずに」なんですよ。だから、時々誌面を開いて、その時の気持ちを思い出すというか。


――その時の気持ち?


志田 はい。初めてのグラビアで緊張したり、感謝したり、感激したりとか。お仕事の時はいつもそんな新鮮な気持ちで臨みたいなって思います。でもこの初グラビアを見ると、毎回、当時の自分の顔が幼いなってつくづく思っちゃいますね。人の顔って変わるものなんですよね~(笑)。


これからも、自分が成長して、顔は変わるかもしれないですけど、笑顔がいいねと言ってもらえる自分でありたいなとは思いますね。



■志田音々(Nene SHIDA)

1998年7月15日生まれ

埼玉県出身 身長167㎝

血液型=AB型

○成城大学在学中。公式Instagram【@shida_nene0715】公式Twitter【@nenemaru0715



週刊プレイボーイ担当編集者が語る、志田音々さんの初グラビア


志田音々さんは、事務所からの紹介です。一見すると、普通の可愛らしい女子大生。それが水着になった途端、イメージは一変しましたね。手足はすごく長いし、スタイルもいいし、まるでモデルさんのよう。撮影現場でドレスルームから現れた時は、非常にびっくりしました。


彼女を一言で表すのであれば、「ピュア」です。笑顔を絶やさず、周りを一切曇りなく明るく照らす少女みたいな存在です。たまに写真と本人の人柄とがかけ離れているタレントさんはいますけど、彼女に関しては驚くくらい一緒。お会いする度に、必ず楽しい気分になりますね。


撮影は初グラビアということで奇をてらうことなく、ストレートに彼女の可愛らしさを意識しました。現場では大人と話すことがまだちょっと慣れてない印象は受けましたけど、水着になること自体はそんなに抵抗はなかったみたいで、すごく堂々としていましたよ。本誌に掲載されたグラビアで好きなカットは扉ページです。「ピュア」な人柄も含め、彼女らしさが存分に詰まっていると思いますね。


そういえば『すべてのはじまりのような白。』(+アーカイブスで視聴可)では、ちょっと大人っぽい表情、アンニュイな雰囲気にも挑戦してもらったんです。撮影中、ご本人はちょっと戸惑った様子も見せていましたが、仕上がりはとてもキレイで、いつもの志田さんとは異なる魅力を見せていただきました。今後も表現力を磨き、より素敵な姿を見せてほしいですね。


カメラマン・唐木貴央氏が語る、志田音々さんの初グラビア


志田音々さんの魅力は、なんといっても「親近感」じゃないでしょうか。学校の同じクラスにいて、ともすれば話しかけたり、ノートの貸し借りとかできそうな女のコ。決してこんな可愛いコはそばにいないんですけど(笑)、そんなイメージをかき立てるような雰囲気が彼女にはある気がします。


グラビアではそんな彼女の魅力を大事に等身大の可愛らしさをフレッシュに撮り下ろしました。自然光の射す明るい部屋、緑の芝生、ポップなカラーの水着……。存分に笑顔を浮かべてくれて、見た瞬間、こちらまでつられて笑顔になってしまうような。そんな多幸感のある写真になった気がします。


撮影して驚いたのは、その圧倒的なギャップ。あどけなさの残る顔立ちなのにスタイル抜群で、手足が長く、バランスもいい。普段着の姿と水着姿のイメージがとにかく違うんですよね。「あれ!? いま撮っているのは志田さんだよね?」なんて戸惑ったほど。きっと彼女のグラビアを初めて見る読者は全員、驚くんじゃないでしょうか。


この時に撮った中で、個人的に好きなのは、ワンピースのカット。彼女は髪をアップにして、長いスカートを颯爽と着こなしています。着替えてもらった瞬間は、スタッフ同士で「彼女は何を着ても似合よね」なんて話していたのを思い出します。


初グラビアから早くも3年が経ちますけど、もっといろんな彼女が潜んでいる気がします。機会があればまたご一緒したいですね。


デジタル写真集『ピュアは時として胸を刺す。』(撮影/唐木貴央)より


『ピュアは時として胸を刺す。』 撮影/唐木貴央 価格/550円(税込)


『女子大生の最も輝かしい瞬間』 撮影/栗山秀作 価格/880円(税込)


『すべてのはじまりのような白。』撮影/佐藤佑一 +アーカイブスにて視聴可

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