『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』第43回 それは「夢」なのか? 「解放」なのか? 卒業後初のグラビアに込められた物語をグラビア好き女子ふたりが考えた!

グラビアライター・とりとグラジャパ!スタッフ・金髪りさによるグラビア好き女子ふたりが、気になるグラビア美女やデジタル写真集を女子目線で語るコラム。第43回は、それは「夢」なのか? 「解放」なのか? 卒業後初のグラビアに込められた物語をグラビア好き女子ふたりが考えた!


いつも以上に気合いが入っている!


とり 3月といったら卒業シーズンですね。金髪さんは、何か卒業式の思い出とかあります?


金髪 うーん。そもそも学校生活の思い出が皆無なんですよね(笑)。学校が好きじゃなくて、ほとんど行ってなかったから。卒業と聞くと、アイドルの卒業の方が馴染み深いです。


とり あはは。金髪さんらしいですねぇ。じゃあ、特に印象深かったアイドルの卒業というと?


金髪 モーニング娘。'15の鞘師里保ちゃんの卒業かなぁ。加入後すぐに絶対的エースとしてグループを引っ張る存在になったものの、活動期間は4年と短く、卒業当時の年齢は17歳だったんですよね。卒業理由は、語学・ダンス留学のため。17歳からアイドルをはじめるコもいるなか、その若さで将来を考えて新しい道を選ぶってスゴいことじゃない?


とり 確かに。17歳の頃なんて何も考えていなかったなぁ……。週プレ グラジャパ!にも、アイドル卒業前後の女のコを撮ったグラビアがいくつかありますけど、そのなかだと、元ラストアイドルの猪子れいあさんも16歳でグループを卒業されていますよね。本誌のインタビューを読むに、猪子さんも、お若いうちからいろいろ悩まれていたみたいですよ。


猪子れいあ『こいのれいあ』(撮影/細居幸次郎)


金髪 個人的には、猪子さんの、アイドル卒業後初の水着グラビアをまとめたデジタル写真集『こいのれいあ』がスゴく好きで。アイドル時代はツインテールをしているイメージが強かったのに、このグラビアでは髪をストレートにおろしていて、一気に大人びた雰囲気を見せていたんですよ。改めて、美人なお顔立ちに気づかされたグラビアでしたね。


とり 一応、ツインテールのカットもありますけど、胸元の大きく開いたキャミソールを着ていて、アイドル時代には見られなかった大人な色気が溢れていますもんね。


金髪 そうそう。私が思うに「卒業」って前向きな言葉なんですよ。特にアイドルの卒業だと「次のステージに進むため」や「新しい夢のため」がほとんどだから、卒業後は、卒業前より一歩先に進んだ姿を見せないといけない空気があるというか。その役割を担う仕事のひとつがグラビアなんですよね。猪子さんがツインテールを解いたのも、アイドル時代の“お子ちゃま”なキャラクターから、少し大人になった姿を見せるためなんじゃないかと。ちょっと髪型を変えただけの些細な変化ではありますが、アイドル時代には見せてこなかった水着姿を披露していることもあって、イメージがガラッと変わりますよね。


とり 今までになかった表情を見ると、卒業の事実を再認識させられますよね。「そっか、本当にアイドルを卒業したんだ」って。


金髪 “アイドル卒業後初”という冠が付けられる唯一のタイミングだからか、アイドルを卒業したばかりのコのグラビアは、とりわけ手の込んだものが多いですよね。これまでの見られ方とこれからの見られ方を分析したうえで、大胆に変化を感じてもらおうと、編集さんも、女のコも、いつも以上に気合いが入っている印象です。


とり ずっと応援してくれているファンの期待もあるでしょうし、アイドル卒業後の第一歩は肝心ですよねぇ。


澄田綾乃 左:『週刊プレイボーイ16号(2021年4月5日発売号)』(撮影/Takeo Dec.)

右:デジタル写真集『即バズリ美女、Newスミダ。』(撮影/根本好伸)


金髪 猪子さんと同じ理由で、元Majestic Bunny・澄田綾乃さんのグラビアも好きです。澄田さんは、『ヤンジャン』(2021年1月28日発売号)でグラビアデビューをした後に、週プレ初登場(写真左)を果たした女のコ。最初の段階では、まだグループに在籍していて、そのときから私は、爽やかな顔からは想像できない大きな胸のギャップにやられちゃっていたんですけど(笑)、グループ卒業後、週プレに再登場したとき(写真右/デジタル写真集『即バズリ美女、Newスミダ。』収録)の変貌ぶりには度肝を抜かれましたよ。


とり 前髪を分けたことで、顔の印象がパッと変わりましたよね。たった1年しか経っていないのに、髪型ひとつでこうも大人っぽくなるとは……。スタイリングって大事なんだなぁ。


金髪 澄田さんみたく、グループ在籍時からグラビアをやってくれていると、変化を比較できて面白いですよね。それにグラビアでは、普段以上に自分を大人っぽく見せることもできるわけだし、アイドルを卒業して心機一転したいってコにはどんどん挑戦してもらいたいな。以上、アイドルとグラビアをこよなく愛す者からのいち意見でした(笑)。


卒業しただけじゃ、何も変わらない


金髪 ちなみに、とりさんは卒業式の思い出とかあるんですか?


とり 私も特にないなぁ。あ、でも中学を卒業するときは、クラスで毎日のようにかりゆし58の『オワリはじまり』を歌っていたんですよ。この前久々に聞いたら、やっぱり中学時代のことを思い出しましたね。あのとき、厨二病だったなぁって。


金髪 えっ、どう厨二病だったんですか?


とり 同級生みんなが聞いている流行りの音楽が好きじゃなかったから、70年代〜90年代の曲を聞きまくっては、ひとり歌詞に思い耽っていたんですよ。教室でみんながAKB48を踊るなか、ひっそりWinkを踊っている中学生でしたね(笑)。


金髪 大丈夫……? クラスで浮いていたんじゃない?


とり いちキャラクターとして面白がられていたとは思うんですけど(笑)、私もどちらかというと、学校には馴染めなかったタイプで。みんなが好きなものを、みんなと同じように好きになれない自分に悩むことも多々ありました。大人になった今は、無理して流行りに乗らず、好きなものを好きでい続けて良かったなぁと思えているんですけどね。


金髪 お! 良いこと言いますね。


とり 先ほど金髪さんは「(アイドルは)次のステージに進むために卒業をする」と話していましたよね。私の感覚だと、ちょっとニュアンスが違っていて。もちろん、次の夢に向かうための卒業もあるでしょうけど、尾崎豊が「この支配からの卒業」と歌っているように、過去の苦しみや過(あやま)ちから自分を解放する意味合いもあると思うんですよね。私も、学校という檻から放たれて、ようやく自分の好きに自信が持てたので。


金髪 とりさんにも、人知れず悩んでいた時期があったんですねぇ。


とり それはもうヒドく悩んでいました……と、私の話は置いておいて(笑)。卒業を解放と捉えたうえでグラビアを見ていくと、私は、鈴木優香さんのデジタル写真集『これが初めて』が気になったんですよね。


金髪 鈴木さん、昨年にアイドルグループを卒業して他誌で水着グラビアを解禁して以降、各誌に引っ張りだこですよね。週プレで初めて撮り下ろしをしたときは、まだグループ在籍中だったこともあって水着姿は見せておらず。2度目の登場となる『これが初めて』が、本人にとって2回目の水着グラビアだったそうですね。


鈴木優香『これが初めて』(撮影/佐藤裕之)


とり アイドルという一種の縛りから卒業し、「ずっとやってみたかった」という水着グラビアに挑戦。その解放感と同時に目についたのは、白色の多さでした。衣装の下着やワンピースの色が白だったり、窓から差し込む光が背景を白飛びさせていたり。あらゆる場面で白さを感じたんです。卒業後というタイミング的には、鈴木さんが抱く新しい気持ちを白色で表現したと思うのが普通ですよね。ただ何度も見ていくうちに、もっと受動的な、ホワイトアウト(雪や霧で視界が真っ白になる自然現象)的なものなんじゃないかとも思えてきて……。


金髪 目の前が見えなくなっている、ってこと?


とり というよりは、未来を広く捉える、鈴木さんの性格の表れなんだと思いましたね。実際に本誌のインタビューでも、自分の性格を「受け身」「意思はあるけど、流されやすいタイプ」と語っていましたし。もし視界が悪くなっても、感情のアンテナが働けば、その方向へ進んでいける。直感頼りで、自分が思う幸せに辿り着ける人なのかもしれないなって。


金髪 自分で設定した目標を達成していくタイプじゃなく、どちらかというと、流れ着いた場所で一生懸命に頑張れる人ってことですかね?


鈴木優香『これが初めて』(撮影/佐藤裕之)


とり はい。応援する側からしたら、この解放的な未来のどこへ流れて行ってしまうんだろうと、ドキドキしますよね。いずれ感情の赴くままに、こちらからは見えない場所へと姿を消してしまう可能性だってあるわけですし。まぁ、私はその気まぐれな感じ、嫌いじゃないんですけどね(笑)。でも、この塗装の剥がれた窓枠や柔らかい畳を見てくださいよ。今はスゴく近い場所にいてくれているんだって安心感がありますよね。ここからどんな道に進んでいくのか。誰にも読めない気まぐれさが、鈴木さんのグラビアを追う魅力なんじゃないかな。


金髪 ちょっと危うい感じ、なのかな?


とり そうとも言えますね。金髪さんの言う「卒業前より一歩先に進んだ姿を見せないといけない空気」を気にせず、せっかく卒業した(解放された)んだし、自由気ままにやって良いよね、みたいな雰囲気を感じます。その結果「一歩先に進んだ姿」を見せられたら結果オーライですしね。私も、流行りに乗らずにひとり妄想力を鍛えた結果、今こうして、グラビアについてあることないこと書かせてもらっているんですから。直感に身を委ねるのもまた、人生ですよねぇ。


(構成/とり)


【デジタル限定】猪子れいあ写真集「こいのれいあ」撮影/細居幸次郎 価格/1320円(税込)

ラストアイドル(Someday Somewhere)を卒業して以降、各グラビア誌に引っ張りだこの猪子れいあさん。こちらのデジタル写真集は、そんな猪子さん(当時17歳)の初水着グラビアをまとめた初々しい一冊です。ヤンチャな笑顔はまるで妹のよう。それでいて、ふとした瞬間の澄まし顔にアイドル時代とのギャップを感じます。青春の香りがする爽やかなグラビアです!


【デジタル限定】澄田綾乃写真集「即バズリ美女、Newスミダ。」撮影/根本好伸 価格/1100円(税込)

アイドルグループ「Majestic Bunny」でリーダーを務めていた澄田綾乃さん。本作は、週プレ2度目の登場にして、グループ卒業後初の週プレでの撮り下ろしをまとめた一冊となっております。明るい笑顔にみなぎる色気。初登場時(デジタル写真集にはなっていないが、週プレ プラス!の「+ムービー」でメイキング映像が閲覧可)からの変貌ぶりには誰もが驚くはずです!今年、さらなる活躍が期待される“Newスミダ”、お見逃しなく!!


【デジタル限定】鈴木優香写真集「これが初めて」撮影/佐藤裕之 価格/880円(税込)

アイドル卒業後、他誌での初水着グラビアが好評となった鈴木優香さん。雨に濡れながらの慣れない撮影。それでも終始、笑顔を絶やすことなく、一生懸命グラビアに向き合ってくれているひたむきさにキュンとします。そんな初々しさと同時に感じる掴めなさの魅力。触れられそうで触れられない気まぐれな佇まいに、思わずたじろいでしまうけれど、自由な人こそ追いたくなるものです。「これが初めて」。では、この先はどこに……? 生っぽい写真の質感から、いろんな妄想をしてみてください!

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