2022年6月11日 構成/とり
グラビアライター・とりと、グラジャパ!スタッフ・金髪りさ。ふたりのグラビア好き女子が、気になるグラビア美女やデジタル写真集について女子目線で語るコラム『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』。
第52回は、グラビアライター・とりが編集を務めた山田かなの『やみくもシンデレラ』についてトーク!
■ワンピース、ブチ破っちゃった
金髪 そういえば、とりさんは今年4月4日発売の号に掲載されていた山田かなさんのグラビア(デジタル写真集『やみくもシンデレラ』に収録)で初めてグラビアの編集業務に携わったんですよね。是非、その山田さんのグラビアについての話を聞かせてくださいよ!
とり は、はい。何でもお聞きくださいっ!
金髪 じゃあ、早速いろいろ質問させてもらおうかな。山田さんの撮り下ろしをしたいと思ったきっかけは何だったんですか?
とり まず、山田さんの存在はSNSで知ったんですね。ファンの方が撮影したであろう撮影会の写真を見て、ふと「しっかりディレクションをして、プロのカメラマンさんが撮影したら、どんな表情を見せるんだろうか?」と、妄想が渦巻いて。それで、先輩の編集さんに声をかけて、顔合わせをさせていただいたんですよね。
金髪 へぇ。かなり直感的だったんですね。
とり そうなんです。顔合わせでは、直接お会いしてこれまでの経歴やパーソナルな話を聞かせてもらったんですけど、聞けば聞くほど面白い女のコで。
金髪 というと?
とり グラビアインタビューで詳しく話されているんですけど、山田さんは、“脱サラ女子大生グラドル”なんですよ。勤めていた会社を辞め、猛勉強して大学に進学するも、コロナでほとんど通えず。受験勉強期にアルバイト感覚で始めた撮影会モデルをきっかけにDVDを出して、本格的にグラビアデビューされたんですって。
金髪 それは面白い経歴ですね!
とり ですよね?! 今しかできないことに全力で乗っかり、何が起こるか分からない未来を面白がって生きている、みたいな。お話を聞いて、ますます興味を持ちましたよ。
金髪 とりさん、そういうコ好きそう(笑)。グラビアのコンセプトはどんな風に考えたんです?
とり その異色の経歴をもとに、第一印象で抱いたかわいらしいイメージをブチ破るグラビアにしたいなぁと。
コンセプト自体は、わりとすぐに思い浮かびましたね。個人的にやりたかったのは、いわゆる“女子大生が着ていそうな清楚なワンピース”を破ると、ド派手な水着が出てくるという演出。常識にとらわれず、やみくもに人生を突っ走っている感じを表現するのにピッタリなんじゃないかと、手で破ける素材のワンピースをスタイリストさんに探してもらったんです。私としてもお気に入りのワンシーンになりましたよ。
デジタル写真集『やみくもシンデレラ』(撮影/小塚毅之)より
金髪 あぁ~、この一連のカット! 印象的だったなぁ。文字通り、ブチ破っていますよね。
とり はい。思いっきりブチ破ってもらいました(笑)。特にデジタル写真集だと、ワンピースを破る前に、和室に敷かれた布団にくるまっている寝起きのようなカットがあるんですね。それと比較して見てもらえたら、よりギャップを感じてもらえるはず。是非、注目してもらいたいです!
デジタル写真集『やみくもシンデレラ』(撮影/小塚毅之)より
金髪 私が「いいなぁ」と思ったのは、このレオタード衣装のカット。本誌のグラビアでは、最後の1枚にコレが使われていましたよね。私、しっとり系で終わるグラビアより、明るく風が吹いているようなカットで締められているグラビアが好きなんですよ。何せ、楽しい気持ちで見られますからね。ただの好みですけど、そういう意味ではドンピシャな構成でした。光もきれいで、本当にいい写真ですよね。
とり おぉ~、うれしい! 最後の1枚をこのカットにするのは、私自身、こだわっていたところなんです。
今年の春、大学3年生になられた山田さんですが、大学卒業予定の2年後に自分がどうなっているかによって、グラビアを続けるか、引退するかを決められるそうで。まるで童話の“シンデレラ”みたいに、活動期間にタイムリミットのある方なんですよね。
金髪 大学卒業後は、引き続きグラビアをやっているかもしれないし、引退して一般職に戻っているかもしれない。
とり はい。だから、決して長くはない活動期間を駆け抜ける颯爽とした存在感を印象付けたくて、あえて爽やかなカットを最後に置かせてもらったんです。
パッと目を引いたり、強く記憶に残ったりするのは、きっと扉(最初の1枚)なんだろうけど、グラビア全体のイメージを締めくくるのは、やっぱり最後の1枚ですからね。
金髪 確かにねぇ。そういった裏側を知ったうえでデジタル写真集を見ると、また違った見方ができそう。
とり へへへ。ほかにもこだわりはあるんですけど、あとは読者のみなさんの妄想に委ねさせてください。自由な妄想を楽しんでこそ、グラビアだと思っているので!
■山田、見かけによらず大胆かな
金髪 とりさん的に、山田さんのグラビアを作る過程でいちばん楽しかった瞬間ってどこですか?
とり うーん、全部がワクワクでしたよ(笑)。と言いつつ、やっぱりいちばんは、最初にグラビアのコンセプトを考えるときでしたかね。
金髪 へぇ、そうなんだ!
とり 女のコをどう撮りたいか。そのイメージがないとグラビアは始まりませんからね。それに、打ち合わせや実際の現場では、周りのスタッフさんのアイデアをもらえるものの、コンセプトを考えるときは他の人の助けがない。言い換えれば、自由に妄想を広げられた瞬間だったわけですよ(笑)。
金髪 とりさん、妄想得意ですもんねぇ。
とり あはは。夜な夜な、私が思う山田さんのイメージに近い音楽をひたすら聴きながら、半ば興奮気味に言葉を紡いでコンセプトを考えていました(笑)。企画書のなかに「ここは読まなくていいです」なんて注意書きをして、夢中で書いた妄想文を載せていたんですけど、スタッフのみなさん、読んでいたんだろうか……。
金髪 「読まなくていいです」と書きながらも企画書に載せるって、どっちなのよ!? それにしても、顔合わせからそれだけ妄想が広がるのもスゴいですね。
とり それはもう、山田さんが妄想し甲斐のある面白いコだったからですよ。
金髪 “脱サラ女子大生グラドル”ね。経歴は良く分かったから、今度は山田さんの人柄について聞かせてくださいよ。どんな女のコなんです?
とり クールな低音ボイスがカッコ良くて、話す言葉に哲学的な匂いがする、謙虚な人ですかね。山田さんのグラビアを考えるにあたり「常識にとらわれない」イメージがあったとも話しましたが、まさに常識とされていることを、都度、疑える人というか。あまり偏見とか持たないタイプだと思うんですよ。
本格的にグラビアデビューして1年未満にもかかわらず、撮影会が即完するなど、人気急上昇中なことに対しては「すみません、こんな人間ですが……」と、スゴく腰が低いですし。
金髪 そう言われて見ると、目がしっかりしていますよね、山田さんって。迷うことなく、自分を信じて突き進もうとしている印象を受けます。
デジタル写真集『やみくもシンデレラ』(撮影/小塚毅之)より
とり おぉ、金髪さんもそう思いますか! カメラマンの小塚(毅之)さんも「目がきれい」と、寄りの写真をたくさん撮られていたんですよ。
金髪 うん、何か引きつけられる目をしているなって思います(笑)。
とり それでいて、山田さんは表現力も凄まじいんです。私がいちばん彼女の凄みを感じたのは、お風呂のシーン。実は、最初に妄想でコンセプトを考えたとき、お風呂での撮影は想定していなかったんですね。疾走感を表現してもらうのに、お風呂のシーンが入ると失速してしまうんじゃないかと思っていたので。結局、打ち合わせの流れでお風呂での撮影も行うことになったんですけど。
金髪 そうだったんですね。でも、失速したとは全く思わなかったよ。
デジタル写真集『やみくもシンデレラ』(撮影/小塚毅之)より
とり そうなんです! 失速どころか、自分が想像していた以上のシーンになりました。山田さんの表現力のおかげです。これも興奮したなぁ。
金髪 どう表現力を感じたんですか?
とり いい意味で、山田さんは自分の見え方を気にしていないんですよ。撮影は2月の寒い時期。海での撮影もありましたし、普通だったら、お風呂に入った瞬間「あったか~い。気持ちいい~」となりそうじゃないですか。でも山田さんは、まったりするどころか、頭から濡れにかかる勢いで自分を表現しようとされていたんです。グラビアに対する熱を感じて、私の胸も熱くなりましたよ。
金髪 確かに、そのお風呂で大胆に濡れているカットといい、さっきのワンピースを破っているカットといい、まだあまり山田さんを知らない身としてはギャップがありました。何せ、SNSでお見かけしていた山田さんのイメージは、黒髪で、笑顔が優しくて、どちらかというと清楚なお姉さんだったので。
とり うんうん。
金髪 でも、とりさんのお話を聞いている感じ、直接お会いすると、清楚とはまた違ったキャラクターに魅力を感じるのが想像できたというか。きっと、撮影会に足を運んでいるファンの方も、清楚な見た目以上に山田さんの内面的な部分に惹かれているんじゃないかなって思うと、『やみくもシンデレラ』の大胆な雰囲気は、まさにファンの方が求める山田さんなんじゃないですかね?
とり 金髪さんにそう言っていただけるなんて、うれしすぎますよ! まぁ、山田さんの人柄を知れば、ただ清楚できれいな感じのグラビアにしようとはならないと思いますけど(笑)。ちなみに、金髪さんが山田さんのグラビアをディレクションするなら、どんなコンセプトにします?
金髪 えっ、難しいこと聞くなぁ。実際に顔合わせさせていただいたら、また違った案が出るかもしれないけど、今の印象だと……人妻っぽい感じかな? グラビアでの表情を見ていると、何となく背徳感があるし。
私、スーパーの買い物袋とか持って、何でもない道に立っている描写のあるグラビアとか、結構好きなんですよね(笑)。山田さん、親しみのあるお顔立ちだから、そういうのも似合うんじゃないかなって。
とり なるほど~! いやぁ、似合うと思います。私じゃ出なかった発想なので新鮮です。“脱サラ人妻女子大生”かぁ、新しいなぁ。
金髪 情報量が多い(笑)!
【デジタル限定】山田かな写真集「やみくもシンデレラ 撮影/小塚毅之 価格/1100円(税込)
「脱サラ女子大生グラドル」として、やみくもにグラビア人生を駆け抜ける山田かなさん。現在、大学3年生。芸能活動の進退は、卒業する頃にならないと分からない。タイムリミットのあるシンデレラが初登場の週プレでワンピースをブチ破る! 是非あなたも、山田かなワールドに引き込まれてみてください。