2021年8月8日 取材・文・インタビュー写真/大村克巳
“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!
そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画。その第3回目には今年39歳を迎えた、レジェンドグラビアアイドルの熊田曜子さんが登場。彼女に話を聞きながら、グラビアの魅力を再発見してみたい。
取材・文・インタビュー写真/大村克巳
* * *
――2006年の21号の週プレのタイトルがすごい。「スクープグラビア、熊田曜子スキャンダル」です。「愛の女。」ってキャッチがついている。
熊田 私、自分のグラビアについている文字、読むの好きなんです。担当者さんによって色が違うんですよね。ポエムみたいな。
――グラビアあるあるですね。そこを読んでいる読者はかなりマニアックです。そこは担当編集者の被写体へのラブレターだったり、応援メッセージですから。
熊田 そうなんですね。
――ロケでは温泉も、ずいぶん行かれたんでしょうね。
熊田 多かったですね。温泉で浴衣。いっぱい霧吹きかけてもらって「はだけて」とか言われたり。
――とにかく下着に見せたい。カメラマンの腕の見せ所です。
熊田 私には兄がいて、週プレとか普通に家に置いてありましたので、男性誌の写真はよく目にしていました。そこに写っている女性を観て、こうなりたいと思って育ったから、見てもらえるのが、嬉しい。
週刊プレイボーイ2006年6号より(撮影/小池伸一郎)
――お兄さんが週プレの愛読者で良かったですね。
熊田 実は、初恋を経験した時に、その相手の男の子がコンビニで立ち読みしてたのが週プレだったんです。それが気になって、遠目で見たら水着のお姉さんが横たわっていて。こんな感じの女性が好きなんだ、って思いました。
――初恋の少年が、グラビアデビューのきっかけなんですか?
熊田 そうなんですよ。
――すごい話ですね。その男の子もびっくりしそうな。
2006年の49号では表紙を飾ってます。「高めの女スペシャル」ってキャッチです。もう、会員制じゃないと会えない感じですね。
熊田 ありがたいです。
週刊プレイボーイ2006年49号より(撮影/塔下智士)
――グラビアの露出が増えると、カメラマンからの要求も激しくなると思うんですが、これはできないってことはありましたか?
熊田 最初の頃はポーズ的にNGは無かったですが、デビューして2、3年後からは「このカットはダメ」というようにラインを引きました。
――そこはデリケートだから、カメラマンとしても攻め方が難しいね。
熊田 確かにそうですね。だから20年間ずっと露出が変わってないんです。手ブラも無いし水着もずらさない。
――そこにこだわりがあるんですか?
熊田 何でもアリにならないように線を引いているんです。三角ビキニがかっこいい、グラビアアイドルでいたい。
――「熊田ルール」があるんですね。カメラマンもそこを押さえておけば、無茶振りができる?
熊田 そうです。ある時期からこう撮ってくださいって、自分からも言うようになりました。
――熊田さんのグラビアって情熱的な動きがありますよね。動画的要素が入ってる。グラビアの女性を演じ切っている感じがします。
熊田 ありがとうございます。
週刊プレイボーイ2007年31号より(撮影/沢渡朔)
――グラビア体型を維持する秘訣とかありますか?
熊田 食事制限とかは20代の方が大変だった。今の方が調整がききます。今日遅くまで仕事で、次の日グラビア撮影で朝が早い、みたいなサイクルで、食が乱れると大変です。最近はどうしたら痩せるかとかわかってきたので。
――そもそも、20年間グラビアをやってることがすごいね。
熊田 でも、グラビアを無くしたら私、武器がなくなっちゃうから、やめられないです。何か新しい武器を持たないと。
――20年やってるってことが武器なんだと思うけど。
熊田 そうですかね。
――大人の女性の年齢の幅はよくわからないけど、熊田さんのスタイルに憧れを抱いている人は沢山います。ネットの動画チャンネルで熊田さんがレクチャーしていた「男子禁制の下着の付け方」とか、多くの人が参考にしている。女性の悩みに応えてくれる人として熊田さんは見られてますから。そのことで証明されていると思います。
動画チャンネルのサブタイトルに「40歳で自分史上最高になる」と銘打っていますが、そこにはどんな覚悟が隠されてますか?
熊田 私なりに色々と考えがあるのですが、40代前後の美容家ってほとんどいないです。だからまずそこに行きたいと思いました。自分の中でも、20代より今の方がボディーケアしやすいです。これから時間をかけて、今から40歳まであと1年弱で「自分史上最強」になるんだと思って。
――いい目標ですね。前向きなのがいいです。断言してるから。
熊田 ありがとうございます。でも「40歳」って年齢を強調しすぎかな?
――それこそ、またっく気にしなくていいですよ。今の熊田さんが決めた目標だから。
熊田 そうですよね。
――熊田さんは「これまでのグラビア撮影、全部楽しかった」ってさらっと言うけど、そういう気持ちで続けていくことは、本当に難しい。よくわかります。そのメンタルがあれば大丈夫ですよ。
★第4回は、8月15日(日)配信予定です
●熊田曜子(くまだ・ようこ)
1982年5月13日生まれ。岐阜県出身。
2001年に芸能界デビュー。ゼロ年代に各グラビア誌の表紙を総ナメにし、バラエティ番組でも活躍。岐阜県出身であることから「飛騨・美濃観光大使」にも任命され、岐阜についての記事、情報も発信している。
●大村克巳(おおむら・かつみ)
1965年、静岡県生まれ。写真家。
1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。
2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、
2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。
個展、グループ展の開催多数。
著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、
『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。