週刊プレイボーイ創刊55周年スぺシャルインタビュー『7日間の女神たちへ!!』~2006年の熊田曜子④~

“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!


そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画。その第3回目には今年39歳を迎えた、レジェンドグラビアアイドルの熊田曜子さんが登場。彼女に話を聞きながら、グラビアの魅力を再発見してみたい。


取材・文・インタビュー写真/大村克巳


* * *




――熊田さんが他誌に掲載された2006年のインタビューで「昭和のアイドルと今のアイドルの違いは親近感」だと言っていました。その時、何を感じていたかをお聞かせください。


熊田 私がデビューした頃は、モーニング娘。さんがアイドル界を牽引していました。モーニング娘。さんたちは、水着になることが少なかったと思います。だからこそ「グラビアアイドル」という立ち位置が確立できたんだと思います。


AKBさんをはじめとしたグループアイドルの方々が国民的アイドルとしてご活躍されていますが、彼女たちは水着にもなるし、手ブラもする。Tバックにもなるし。グラビアアイドルで闘っていこうと思ったら、よほど何かを持っていなければ全く太刀打ちできないと思いました。


――彼女たちがグラビア界にも変革をもたらしたと。


熊田 そうですね。その時期に活躍していたグラビアアイドルも、表現の場所をマンガ誌からファション誌と垣根を超えて活動して、多くの支持を得ました。自分の中でそれは大きかったです。


――熊田さん自身も、グラビアが主戦場でもお呼びがかかれば、映画だろうが舞台だろうが、なんだって挑戦していく、そういう気持ちだったんですね。グラビア卒業とかは考えずにね。


熊田 それは全く考えていませんでした。


週刊プレイボーイ2008年49号より(撮影/藤代冥砂)


――熊田さんから、今のグラビアアイドル、もしくはこれからグラビアに行きたいと思っている人にアドバイスをいただけたらと思います。


熊田 ちょっと古い考え方かもしれませんが、私には、見てくれる読者と一緒に育っていきたい、って気持ちがあります。原石が磨かれていく様を見せていく感じです。今は綺麗になる術はネットで検索できる時代だから、自分で仕上げてくる子もいると思います。でも原石として髪も染めてほしくないですし、ネイルも塗らないでいてほしい。ゼロから磨きがかかっていく、少女から大人になる過程を見せていってほしいです。


――読者に見守られていい女になっていく。


熊田 そうですね。あとグラビアはあんまりSNSなどで露出しすぎないことかな、と私は思います。SNSとかでも情報を出しすぎると、読者の妄想を邪魔しちゃいますから。


週刊プレイボーイ2010年49号より(撮影/橋本雅司)


――なるほど、「グラビアは鮮度が大事」ってことにつながりますね。今回、熊田さんのグラビア道をなぞっていく形で、お話をしていただきました。それぞれのグラビアが濃厚だし、パワーがみなぎっています。何度も言ってしまいますが、20年やり続けるのは、すごい。


今までどんな気持ちでやって来たのか、また、これたのか?ということを聞いてきたわけですが、これから先も走り続けますよね。


熊田 もちろんです。




週刊プレイボーイ2011年32号より(撮影/沢渡朔)


――週プレに愛情を注いでいただいて、男性誌冥利につきますね。週プレもまたその場に相応しい場所としてさらに成長していかなければならないと思います。


最後に、このインタビューを読んでくださっている方も、きっとコロナ禍でストレスが溜まりに溜まっていると思うんです。その人たちに何かひとこといただけるとありがたいです。


熊田 そうですね。週プレ見ていろんな想像にひたってストレスを発散してほしいです。こんなコと旅をしてみたいとか、妄想力を高めてね。来年の目標を考えたりすることで、少し楽になるといいですね。


――ありがとうございます。週プレの使命も、そこにありますね。


* * *


不条理な現実や社会を罵倒して散々悪態をついたところで、結局、傷つくのは社会ではなく自分自身だと。彼女はその事を肌で感じている。インタビューを終えて、そう思った。


●熊田曜子(くまだ・ようこ)

1982年5月13日生まれ。岐阜県出身。

2001年に芸能界デビュー。ゼロ年代に各グラビア誌の表紙を総ナメにし、バラエティ番組でも活躍。岐阜県出身であることから「飛騨・美濃観光大使」にも任命され、岐阜についての記事、情報も発信している。


●大村克巳(おおむら・かつみ)

1965年、静岡県生まれ。写真家。

1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。

2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、

2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。

個展、グループ展の開催多数。

著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、

『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。

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