『初グラビア物語~My First Gravure Story~』 第14回前編 工藤美桜

『週刊プレイボーイ』の誌面を彩り、現在、さまざまな分野の第一線で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。


今回は女優・モデルの工藤美桜さんが登場。彼女は『週刊ヤングジャンプ2020年18号』(2020年4月16日号)で、初水着を披露。


「ヒロインってキラメキ!」のタイトルの通り、スーパー戦隊シリーズ『魔進戦隊キラメイジャー』(2020~2021)のキラメイピンク・大治小夜役として注目を集める中での登場。ピンクの水着を身にまとい、明るく華やかな笑顔とともに見せるスレンダーで健康的な肢体は、グラビア界に新ヒロインの登場を痛感させました。


また、その半年後には『週刊プレイボーイ2020年31&32合併号』(2020年8月10、17日号)に登場。可憐な美しさに満ちたグラビアを披露し、さらに話題を呼びました。


小学生より芸能活動をスタートし、『仮面ライダーゴースト』(2015~16)での出演を経て、『キラメイジャー』でブレイク。現在は、ファッション誌の専属モデルを務めるなど、ドラマ、映画、ファッションと活動の場を広げ、ますます人気が高まる彼女。今回はデビューのきっかけから、『ゴースト』『キラメイジャー』への出演、そしてグラビアをやることになった経緯までを聞きました。


『週刊ヤングジャンプ2020年18号』(撮影/Takeo Dec.)より


――工藤さんは小学生の頃にスカウトされて、芸能界に入られたそうですね。


工藤 そうです。小学校5年生で事務所に所属して、モデルのお仕事をメインにやっていました。でも最初は芸能のお仕事を自分がやるなんて、まったく考えていませんでした。お父さんが大工なので、自分も継ぎたいと思っていたし。


――大工に(笑)!? 一体、なぜ翻意を?


工藤 もともとすごい引っ込み思案で、人前に出ると緊張して倒れちゃうくらい、気の弱い子だったんです。なので、芸能のお仕事をやれば、自分を変えられるかなと思って。それにお母さんも「せっかくだから、やってみたら」と背中を押してくれたので。


――とはいえ小学生ですし、最初の頃は慣れずに大変だったんじゃないですか?


工藤 最初に宣材(宣伝用プロフィール)の写真を撮りますよね。その時、倒れました(笑)。


――え? いきなり!?


工藤 あまりに緊張しすぎて。それが初撮影の思い出です(笑)。あと初めての仕事がイベントだったんですけど、お客さんの前に出た途端、気分悪くなっちゃって。でも一方で、撮影中に頑張っていい表情や動きをした時は、スタッフさんが褒めてくれる。それが嬉しくて。次第に「もっと表現できるようになりたい」って思うようになりました。演技、ウォーキング、ダンスなど、レッスンも週5日、受けていましたね。


――モデル中心の活動から女優への想いが強くなったのはいつ頃?


工藤 中学校で演劇部に入ってからです。自分に自信がないので、ずっと脇役ばかりでしたけど、演じている時は緊張や恥ずかしさより、楽しい気分でいられることに気づいて。そこから女優への夢がちょっとずつ膨らんでいきました。


――そして、女優・工藤美桜への大きな契機になったのが16歳の時。『仮面ライダーゴースト』(2015~16)に出演し、主人公の仲間の妹・深海カノン役を演じました。週プレのインタビューにもありましたけど、『ゴースト』のオーディションには芸能界を辞める覚悟で臨んだそうですね。


工藤 そうなんです。それまで何度受けても、まったく結果が出せなかったので。『ゴースト』では最初、ヒロイン・月村アカリ役がダメで。しょげていたら、カノン役のオーディションがあるということで再挑戦し、受かりました!



――もともと特撮自体は大好きだったとか。


工藤 従兄弟に同じ歳の男の子がいて、スーパー戦隊とライダーシリーズを一緒に見ていたんです。特に好きだったのは『仮面ライダー響鬼』(2005~2006)。あと『美少女戦士セーラームーン』の実写版(2003~2004)にも夢中で、特撮作品や変身モノには強い憧れがありました。気が弱いので、別の自分になりたいって気持ちが強かったんだと思います。


――『ゴースト』は工藤さんにとって、初のドラマ出演。かなり勉強になったのでは。


工藤 すごくなりました。最初「眼魔アイコン」に閉じ込められる設定だったので、私はアフレコからの出演だったんです。だけど滑舌がひどくて、毎回「何を言ってるかわからないぞ!」って。まずはそこからトレーニングして。お芝居に入る以前から必死でした。


――ライダーや戦隊の現場はベテランスタッフが多く、ひときわ厳しいと聞きますけど。


工藤 確かによく怒られました。NGも結構出してしまったし。笑ってはいけないところで、つい笑ってしまったりとか(苦笑)。あるセリフにツボってしまったんですよね。案の定、めちゃくちゃ怒られ、「全員に謝ってこい!」って。共演の皆さん、スタッフさん一人一人、お詫びにいきました。


――怒られて泣いたことは?


工藤 それはなかったです。落ち込むけど、引きずらないタイプなんです。一晩寝て翌日、またゼロから頑張りました。


――ハートが強いですね(笑)。『ゴースト』で印象に残ってる事は?


工藤 カノンは泣く場面が割とあったんですけど、最初まったくできなかったことですね。30分以上待たせてしまい、最終的に目の下にスーッとするクリームを塗り、痛みで涙を流したんですけど、本当にいたたまれない気持ちになって。それを機に「気持ちの作り方」をずいぶんと勉強しました。それはその後、お芝居をする上で自分の中で基礎となりました。


――そして4年後。今度は『魔神戦隊キラメイジャー』(2020~2021)に出演。キラメイピンク・大治小夜役を演じました。


工藤 『ゴースト』の頃から、いつかは自分が変身して、戦う役をやりたいと思っていたんです。ある時、マネージャーさんに相談したらタイミングよく『キラメイジャー』のオーディションがあって。挑戦したら、受かりました!


――ライダーと戦隊、双方でレギュラー出演するのは稀ですよね。


工藤 プロデューサーさんも迷ったらしいです。『キラメイ』のメイン監督が、『ゴースト』でお世話になった山口恭平さんなんですけど、その山口監督が私の成長を認めてくださったらしくて。あと『ゴースト』のスタッフさんたちも「工藤がいると現場の空気がよくなる」とおっしゃってくださったみたいです。


――特撮2作目ということで、現場の空気を知っているし、期待がかかったんですね。


工藤 小夜はお姉さんキャラで、普段からみんなをリードしていく役柄。配役が決まった時、監督からは工藤にやってほしい。現場でも引っ張っていってほしいと言われました。私自身、本来はそんな強い性格じゃないのに……と思いましたけど、そんな風に言われ、すごく嬉しくて。よし! やるぞ!って気合いが入りましたね。


――なるほど。それにしても、こうしてお話を伺っていると、お仕事を始めた頃は小学生だったとはいえ気が弱くて倒れたなんて、信じられないですね。


工藤 あははは。そうですよね。『キラメイジャー』の共演者はみんな同世代で、しかも監督から何かを求められたら、その何倍にもして返すような頑張り屋さんで努力家ばかりなんです。それも大きかったです。みんなからの刺激を毎日受けながら、自分も負けられない、もっとやらなきゃって、女優として人として大きく成長することができました。



――そしてその『キラメイジャー』での活躍で注目を集め出した頃。工藤さんは『週刊ヤングジャンプ 2020年18号』で初グラビアを披露します。


工藤 お話をいただいた時、じつはやるかどうするか、ちょっと悩んだんです。『ゴースト』が終わった頃にもグラビアのお話をいただいて、お断りしたこともあったし。


――悩んだ? それはどうして?


工藤 グラビアって、女性らしい丸みを帯びた体型の女性が人気じゃないですか? 私は線が細くて、むしろ逆の体型で。自分がやって誰か喜んでくれる方がいるのかなって、いやな気分にさせないかなって自信がなかったんですよね。


だけど『キラメイジャー』で一緒だった由芽ちゃん(新條由芽)がグラビアをやっていて素敵だなと思ったのと、20歳を目前にして新しいことをやってみたくて。それじゃ一回だけ挑戦してみようかな、って決心がつきました。


*第14回後編は、1月19日(水)更新予定です


●工藤美桜(Mio KUDO)

1999年10月8日生まれ 東京都出身 身長165㎝ 特技=日本舞踊

○長い歴史があるスーパー戦隊と仮面ライダーの両シリーズで“変身”した唯一の女優として知られている。『with』の専属モデルとしても活躍中。

公式Twitter【@p_miokudo】公式Instagram【@mmio_kudo

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