『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』第39回 戦隊ヒロインを経てスターへの階段を駆け上がる女優・工藤美桜は、“不撓不屈(ふとうふくつ)の愛さレンジャー”だ!

グラビアライター・とりとグラジャパ!スタッフ・金髪りさによるグラビア好き女子ふたりが、気になるグラビア美女やデジタル写真集を女子目線で語るコラム。第39回は工藤美桜をピックアップ! 戦隊ヒロインを経てスターへの階段を駆け上がる女優・工藤美桜は、“不撓不屈(ふとうふくつ)の愛さレンジャー”だ!


「意志力No.1」の12年


とり 『魔進戦隊キラメイジャー』のキラメイピンク役で注目を集め、グラビアでも大活躍中の女優・工藤美桜さん。最近ますます、ドラマやCM、グラビアなど、あらゆる場面で工藤さんをお見かけする機会が増えてきた気がします。


金髪 小学校4年生で小学生向けファッション誌のモデルとしてデビューし、16歳の頃に『仮面ライダーゴースト』でテレビドラマ初出演。その後、20歳で『キラメイジャー』のヒロイン役に抜擢され、同時期に『週刊ヤングジャンプ』にて初グラビアを披露。モデル、女優、グラビアと、いろんな活動をされていますよね。


とり 芸歴は今年で12年になるみたいですよ。その間、辞めようかと迷うことも多々あったと思いますけど、それだけ長く活動を続けられている時点ですでに立派ですよね。


金髪 それでもまだ22歳だなんてビックリです。顔立ちが大人っぽいというより、醸し出す雰囲気が落ち着いているところに、芸歴の長さを感じるなぁ。


週刊プレイボーイ2021年7号(撮影/岡本武志)


とり 工藤さんのグラビアと言ったら、やっぱり所属事務所プラチナムプロダクションの20周年を記念したプラチナム号(『週刊プレイボーイ2021年7号』/2021年2月15日号)の表紙&巻頭じゃないですか? 私、このグラビアから何となく工藤さんの印象がガラッと変わったんですよね。


金髪 この表紙、いいですよね。男性誌の表紙にしては珍しく笑顔じゃないし、あぐらをかいたポージングに野性味も感じられる。挑戦的ですよね。女のコも好きそうなカットだと思いました。


とり しかも、若槻千夏さんからはじまり、これまで数々のグラビアアイドルを輩出してきたプラチナムプロダクションの面々が総出演した特別号の表紙ですよ。若手グラドルが並ぶなか、手島優さんのグラビアがラストを締め括った厚みのある号で、真っ赤なビキニにコートを羽織り、事務所の歴史を背負っている感じ……。最高にカッコいいですよね。工藤さんが過ごしてきた12年間の重みもズシリと乗っかってきて、感動すら覚えましたよ。


金髪 12年間の重みというと?


とり そもそも工藤さんが芸能活動をはじめられたのは、スカウトをきっかけに内気な自分を変えたかったからだそうで。最初のうちは、緊張のあまり撮影中に倒れてしまうこともあったらしいんですよ。そんな少女が諦めずに食らいついた12年ですよ。相当な努力と根性を感じますよね。


金髪 倒れちゃってたんだ……。それは大変だっただろうね。


とり それに、工藤さんは子どもの頃から特撮好きで、インタビューでもたびたび「変身願望がある」と語られているのですが、最初の『ゴースト』ではその願望が叶わなかったんですよね。


けれど、『ゴースト』の4年後に『キラメイジャー』のオーディションを受け、見事、キラメイピンク役に抜擢。結果的に、仮面ライダーとスーパー戦隊の両方で変身した歴代初の女優となりました。特撮への愛とこだわり、また、ここからも妥協を許さない根性が伝わってきます。


金髪 すごい快挙ですよね。12年間の紆余曲折を思うと、プラチナム号の表紙で見せている表情がより凛々しいものに見えてきましたよ。


とり ですよねぇ。表紙に書かれている“「発掘力No.1」の20年”とは事務所にあてた言葉ですけど、同じような意味合いの言葉が工藤さんにもかかる気がします。そうだなぁ。“「意志力No.1」の12年”とかですかね? 今の活躍は、間違いなく工藤さんの意志で12年かけて手繰り寄せた宝ですからね。


活動の源は無条件の愛を与えてくれる家族


とり プラチナム号からガラッと工藤さんの印象が変わったとお話しましたが、最初はどちらかというと、控えめでクールな方だと思っていたんですよね。でもプラチナム号に掲載されたグラビア(『ピンクの放熱』/週プレ プラス!「+アーカイブス」にて閲覧可)を見たとき、実際はクールどころか、甘えん坊で愛嬌のある女のコなんじゃないかと思いまして。


デジタル写真集『PINK&GAP』(撮影/笠井爾示)より


金髪 週プレに初登場したときのグラビア(デジタル写真集『PINK&GAP』に収録)は、大人っぽい雰囲気だったしね。『ピンクの放熱』は、奥多摩と鎌倉の2ヶ所で撮影された、あたたかみのあるグラビア。前作と見比べるとギャップがありますよね。


+アーカイブス『ピンクの放熱』(撮影/岡本武志)より


とり はい。夏のピーカンじゃない、冬晴れのぬくもりが最高に気持ちいいグラビアです。奥多摩の荘厳な自然と冷たい空気のなか、工藤さんめがけて差し込むポカポカ穏やかな日光。この温度感。工藤さんの甘えん坊な一面と内に秘めたる芸能活動への情熱を、ちょうどいい具合に表していますよね。


さらにこのカットは、ツインテールがいつも以上に幼い印象を与えています。家族や親しい友達だけに見せる甘えん坊な姿が、ぼんやり頭に浮かんできましたよ。


金髪 当時のインタビューでも「内面が写真に写るということを、今回の撮影を通して学べた気がします」と話されていますね。


とり 自分が思う理想の自分、周囲が求める理想の工藤美桜でいるには、どうしたらいいだろう。推察するに、長くお仕事を続けるなかで、自分を出すことに無意識的なブレーキがかかってしまっていたと思うんです。そんなとき『キラメイジャー』で同世代の俳優さんたちと切磋琢磨し、変身願望を叶えた経験が自信に繋がった。


ときを同じくして挑戦したグラビアでは、撮影を重ねるごとに、その場の空気を自然体で受け止める面白さを見つけられた。このグラビアは、まさしく無意識的なブレーキからの解放の瞬間なんじゃないですかね。


金髪 ちなみに、甘えん坊っていうのはとりさんの想像?


とり いえ、週プレの「ご褒美ラーメン号」(註:丸ごと一冊でラーメンを特集した『週刊プレイボーイ2021年44号』/2021年11月1日号)でインタビューをさせてもらったときに感じた印象でもあります。話を聞くと、ご家族ととても仲が良いみたいなんですよね。


例えば、お母さんと二人でラーメン屋に行って、気になるメニューが2つあったとしたら、お母さんに本命じゃない方を注文してもらうそうで。一口もらって、お母さんが頼んだ味の方が美味しかったら、交換してもらうんですって。こんな娘思いの優しいお母さんがずっと傍にいたら、甘えん坊にもなっちゃいますよね。


金髪 そうですね(笑)。心が和むエピソードだなぁ。


とり 小学生の頃から人一倍、あらゆる才能に揉まれ、周りと比べられ、悔しさも味わってきたはずです。そんな日々のなか、いつまでも子どものままでいさせてくれる、無条件の愛を与えてくれる居場所(家族)があったのは、確実に、工藤さんの活動の源になっていますよね。


金髪 家族がいたから頑張れた。きれいごとじゃなく、本当にそうなのかもしれないね。


+アーカイブス『ピンクの放熱』(撮影/岡本武志)より


とり 内面が表れたカットでいうと、私、このおにぎりを食べているカットがいちばん好きなんです。恐らくこのカット、撮る予定があったわけではなく、撮影の休憩中、おにぎりを頬張る工藤さんがあまりに魅力的で、思わずシャッターを押してしまった一枚じゃないかと思っていて。


というのも、『ピンクの放熱』には、ベンチコートを着た工藤さんが手持ちカメラでDVD(プラチナム号の特別付録)用の動画を撮っている様子を遠目に捉えた、明らかに撮影とは別で撮られたカットがあるんですよ。全体を通して見ると、撮影の2日間、カメラマンの岡本武志さんがひたむきに工藤さんを追っていたのが伝わってくるんですよね。


金髪 そう言われてみると、不意を捉えたようなカットがいくつもありますね。何気ない瞬間にこそ、工藤さんの内面が写っているのかぁ。


とり それと、私がおにぎりのカットに惹かれたのには、もうひとつ理由があって。人がご飯を食べているのを見るのが好きなんですよね。どんな人でもお腹が空くと、なるべく美味しいものが食べたいと食事を選ぶし、食べるときはもぐもぐ頬を膨らませて食べ物を咀嚼するわけじゃないですか。みんな生きるためにちょっぴり欲を出しながら頑張っているんだなぁと、ほっこりしちゃうんですよね。


金髪 ちなみに、工藤さんの大好物はこってり系のラーメン。『ピンクの放熱』に鎌倉の海で叫んでいるカットがありますが「ラーメン、食べたーい!」と言っているそうですよ(笑)。


とり そういう何気ない情報を知るだけで、愛おしさが増しますよね(笑)。


金髪 そうだね(笑)。


+アーカイブス『ピンクの放熱』(撮影/岡本武志)より


とり 『ピンクの放熱』に写っているのは、甘えん坊な内面だけじゃありません。工藤さんが12年かけて蒔いてきた愛の種が、すくすくと育っている様子も見られたんです。


金髪 愛の種?


とり まず、私なりの大まかな解釈では、グラビアの定番ロケーションである海が「荒波に耐える力」を表現するとしたら、対する山は「粛々と歩みを止めない力」が表れる場所なんですよね。山景色の木々や地面が伝えてくれる長い時間の蓄積。それが、工藤さんの12年間のキャリアと重なって見えたんです。


そして、工藤さんが12年間も芸能活動を続けられているのは、先ほどお話しした意志力や家族の支えもさることながら、ひとつひとつのお仕事で大なり小なり結果を残し続けてきたからだと思うんです。実際に「また一緒にお仕事がしたいな」と思わせる人懐っこさと、「工藤さんになら任せられる」と思わせる仕事に対する真摯さは、私もお会いしたときにビビッと感じたことで。


金髪 あぁ、それなら私もプラチナム号のオンラインサイン会でお会いしたとき、冊数が多いにもかかわらず終始ご機嫌で、人気が高いのも納得したし、現場の人からも好かれやすい方だろうなって印象を受けたなぁ。


とり ですよね!? それが愛の種ですよ。意志を持ち、粛々と芸能界の山を登り続けるなか、ときおり甘えん坊な一面を見せ、蒔いてきた愛の種が今の活躍を生んだ。『ピンクの放熱』には、工藤さんの人柄とこれまでの芸能人生がありありと集約されているんですよね。言うなれば、“不撓不屈(ふとうふくつ)の愛さレンジャー”というか(笑)。


今後、どんな課題が待ち受けていようとも簡単にへこたれることはないだろうし、どんな峠も、愛の種を蒔きながら乗り越えていくんだろうなぁ。むしろ、愛に溢れるのはこれからかもしれない。工藤さんの未来は、まだまだ眩しそうです。


(構成/とり)


『PINK&GAP』撮影/笠井爾示 価格/1320円(税込)

工藤さんの週プレ初登場グラビアをまとめた一冊です! 戦隊のピンクは、全体をサポートする優しい存在として描かれることが多いのだとか。『魔進戦隊キラメイジャー』でキラメイピンク/大治小夜役に抜擢された工藤さんの“ピンク(優しい笑顔)”と“ギャップ(鋭い表情)”。花にも負けぬ、可憐な佇まい。今見ても大人っぽさ全開でドキドキしちゃいます!


『ピンクの放熱』撮影/岡本武志 *週プレ プラス! +アーカイブスにて閲覧可

グラビアはときに、言葉以上にその人を表すことがあります。冬の奥多摩と鎌倉を包む、あたたかな光。工藤さんのなかに眠る、童心と情熱。ここに写る景色は、長いキャリアの延長上でしか見られない絶景です。“不撓不屈(ふとうふくつ)の愛さレンジャー”な工藤さんの歩みが感じられる傑作。工藤さんの熱を感じてみてください。

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