2022年3月16日 取材・文/大野智己、撮影/山上徳幸
「週刊プレイボーイ」の誌面を飾り、現在、さまざまな分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ。
今回、登場するのはタレント・YouTuberのRaMuさん。彼女は『週刊ヤングジャンプ』2016年12号(3月3日号)で初水着を披露。幼さの残る表情とアンバランスなHカップバストで話題に。その後、週刊プレイボーイ2016年14号(4月4日号)に登場するとこちらも大反響を呼び、一躍、人気者となりました。
現在はグラビアにとどまらず、テレビタレント、YouTuberとしても幅広く活躍する彼女。前回はデビューのきっかけから、初グラビアに至るまでの経緯を聞きましたが、今回は実際の撮影について、そしてグラビアと動画に出演するときの、それぞれの意識の違いについてなど、じっくりと彼女に迫りました。
デジタル写真集『18歳ズキドキ』(撮影/小塚毅之)より
ーーRaMuさんの初グラビアは『週刊ヤングジャンプ』2016年12号に掲載されましたが、その撮影が決まった時の心境は?
RaMu 「あ、はい……」って感じで、正直、実感が湧かなかったです。嬉しいっていうのともまた違って。グラビア撮影って、どういうものなのか。何をするか本当に想像つかなかったんですよね。
ーーでは、実際の現場はどうでした?
RaMu 見たこともないほどたくさんの大人がいて、メイクから着替えからなんでもしてくれました。それまでは全部自分だけでやっていたから、戸惑いましたね。あとその時の撮影場所が「学校」だったんです。普段、見慣れた風景の中で自分が水着でいることがまた不思議で。もちろんポージングも言われるがままで、気がついたら終わっていました。あの時は本当に何がなんだかわからなかったな~(しみじみ)。
ーーなるほど。ではその数日後、今度は週プレの撮影があったとか。そちらはどうでした?
RaMu あの時は確か、千葉の民宿と海で撮影したんですけど、ものすごく寒かったんですよね。でも頑張って、水着になった瞬間、「これは仕事なんだ!」って。スイッチが入りました。
ーー自分だけなら、そんな過酷な中で水着にならないし、撮影もしないですもんね。仕事だからやると。
RaMu そうそう。最初の撮影はやっぱり「受け身」だったと思うんです。でもこの時はもっと前のめりでやれたというか。その瞬間からしっかりカメラに向き合えた気がします。ポージングも頑張ったし。でも見返すと表情は硬いし、全然ダメだよな~と思いますけど(苦笑)。
ーーそして、いよいよ初グラビアが掲載された『ヤングジャンプ』が発売されます。それはどんな心境で手にとりました?
RaMu コンビニで見つけたんですけど、感激しましたね。「“触れる”紙に私がいる!」って!
ーー紙! そこですか!
RaMu 自分が映っている紙の写真って、赤ちゃんの時以来ですから。いや証明写真はあったかな。とにかく“紙”になるのが嬉しかったです!
ーー表紙に名前があるのとかは、感激しなかったんですか?
RaMu それはもちろん! それにすごく可愛く撮っていただいたじゃないですか。それにも感激しました。学校で友達や先生に自慢しましたから(笑)。ここでようやく自分はグラビアを撮ったんだって手応えを感じました。
ーー雑誌に載るのって、ネットに出る感覚と違います?
RaMu まったく違います。動画は自分で載せられるじゃないですか。だけど雑誌は撮影スタッフ、マネージャーさんなど大勢の大人がいて、やっと形になるわけですから。何百倍も嬉しいですよ。出た瞬間、フォロワーが増え、これまでとは違うファンもついてくれました。新しい何かが始まった感覚がありましたね。
ーーヤンジャンも週プレもRaMuさんのグラビアは、動画などで暴れる姿と違って可憐な美少女のイメージでした。違和感は感じませんでした?
RaMu 感じましたね。でも自分であることに変わりはないですから、それでどうということはなかったです。言っちゃえばアカウントをもう一つ持ったみたいな感覚というか。なのでそれまでと同様、動画もSNSも自分のキャラは変えませんでした。
ーーでもみんな驚きません? グラビアを見てTwitterを開いたら白目のままって(笑)。
RaMu いや、それがいいんですよ! よくコワモテの不良の男子が動物に優しくするみたいなギャップってあるじゃないですか。そういうのが好きなんです。白目を向いてるヤバい女のコが、水着になったらやたら可愛いってキュンとくるみたいな(笑)。その頃からグラビアのRaMuと動画でのRaMuを切り分けて考えましたし、それはその後も変わらないです。最近は動画の視聴者の中に、私がグラビアをやってることを知らない人も増えていて。「RaMuちゃんって、グラビアもやるんですね!」なんて驚かれると、しめしめって思っちゃいます(笑)。
「週刊プレイボーイ」2016年14号(撮影/小塚毅之)より
ーーなるほど。その初グラビア以降、RaMuさんはグラビアはもとより、VineからYouTubeに活動の場を移し、動画分野でも活躍しています。いまでこそ、グラビアとYouTubeを両立する人を見かけますが、こうしてみると、RaMuさんはその先駆けですよね。
RaMu 言い切っていいですか? 私が最初です(笑)。グラビアを始めた頃は動画をやっていると言っても「素人のお遊びでしょ」みたいにマイナスに捉えられていたんです。それがここまでになるとは。「ほれみろ! 私は間違ってなかっただろ!」って気持ちです(笑)。
ーー週プレ2021年19・20合併号に掲載され、デジタル写真集にもなった『無人島サバイバル』は、RaMuさんの動画と連動した内容。キャンプをテーマに木を削り、火をおこし、ドラム缶の風呂に入るなど、普段のグラビアとは違ったアクティブな姿を見せています。グラビアと動画で自分を切り分けてるとおっしゃいましたけど、この時はどちらの意識で?
RaMu やっぱりグラビアです。体をキレイに見せないといけないとか、ここで笑顔を見せないとなとか考えますから。ただこのグラビアは、私が動画をやっていることを前提にお話をいただいたわけで。それまでやってきた活動が認めてもらえた気がして嬉しかったです。これは自分の中では特別なグラビアですね。
ーーそれにしてもびっくりするのは、これだけ長くSNSや動画分野で活動しているにもかかわらず、RaMuさんに炎上がないこと。すごいです。
RaMu それは自分でも不思議ですけどね。でもアンチとの小競り合いは数えきれないくらいありますよ。「ブス」とか「チ◯ビ出せ!」とかディスられることはしょっちゅう。その度に「ふざけるな!」って思ってそれを活動の燃料にしていました。よせばいいのにわざわざ「RaMu」「ブサイク」みたいに複数ワードでエゴサする自殺行為までしていたし(笑)。でも最近はどう思われようとも、何を言われようともどうでもよくなりました。「なんか言ってるな」くらいなものですね。大人になったのかな。
ーーディスられることを燃料にしていて、それをしなくなったてことは、今RaMuさんにとっての燃料は?
RaMu 純粋にいいグラビアを撮りたいって想いですね。どうすれば魅力的に見えるか、写真の世界観をイメージを膨らませてどう伝えられるか、それらを考えながら丁寧に撮影と向き合い、みんなを喜ばせたいです。ある時期からは私、グラビアを撮影する時はホラー映画で殺される寸前の女性をイメージしているんです。
ーーホラー映画の、殺される寸前?
RaMu ずっとホラー映画が好きなんですけど、怖いものを見た時とエロいものを見た時は脳で分泌される快楽成分は同じらしくて。ホラー映画でエロい描写の後に女性が殺されることが多いのも快楽性を高めるためだとか。そんな風にイメージしてやったほうが楽しいし、いろんな表現だってできるし。素敵なグラビアになっている気がします。
ーー真摯にグラビアに取り組んでいるんですね。最後に今後のビジョンは?
RaMu このまま走り続けていきたいですね。じつは私、事務所に入った時、売れなかったら23歳で引退しようと思っていたんです。グラビアを始めたりしたけど、じつはものすごく不安で。23歳なら人生やり直しがきくだろうし。
ーーそれは周りの方にもお話ししたんですか?
RaMu 親にもしたし、社長にもして納得してもらいました。でも売れているかどうかはともかく(笑)、もう24歳になりました。しかもコロナ禍になってお仕事も厳しくなったけど、引退どころか、ますます意欲が湧いてきているんですよね。SNSのプロフィール写真は変えたけど、白目をむいてる当時の気分を忘れることなく、グラビア、動画、あとテレビなどでもっともっと暴れていければいいなと思っています!
RaMu(ラム)
1997年7月31日生まれ 埼玉県出身
身長148㎝ B90 W58 H80 血液型=A型
グラビアはもちろん、YouTuberとしても活躍中!
公式Instagram【@dpandaramu】
公式Twitter【@dpandaramu】
3月20日(日)13thDVD「転生したらRaMuだった件」(ラインコミュニケーションズ)発売
<デジタル週プレ写真集> RaMu「18歳ズキドキ」撮影/小塚毅之 価格/1320円(税込)
週刊プレイボーイ編集者が語るRaMuさんの週プレ初グラビア
RaMuさんとお会いした時は、ギャップだらけで正直、戸惑いましたね。先に顔見せにいらっしゃったんですけど、入ってきた瞬間、いきなり大きな声で「おはようございます!」。先にVineを見ていて、変わったコなのかなと思っていたので、体育会系のハキハキした態度にまずびっくり。そしてそのスタイル。一見、小柄で愛らしいイメージにもかかわらず、胸は張り裂けるようなHカップでウエストラインもヒップラインも実に見事。正直、逸材だと思いました。
撮影をお願いしたのは小塚毅之さん。小塚さんは女子高生を撮ることに定評があり、週プレではあの優香さんを女子高生時代から何度も撮り続けた写真家。RaMuさんの魅力を存分に表現してもらえたらと思いました。
グラビアは、彼女の美少女感とその圧倒的なスタイルをストレートに撮り下ろしました。破天荒なキャラクターはネットで見てもらっているから、週プレではそうじゃない一面を見せられたらいいなって。ただ写真をよく見てもらったらわかるんですけど、ちょっと変わったヘアスタイルをしているんです。これは当時の彼女がしていたヘアスタイルそのままなんですけど切ったりはせず、美少女感を残しつつ、それだけにとどまらない彼女の魅力も表現しました。
撮影現場での彼女はとにかく元気いっぱいでしたね。ヤングジャンプで撮影した初グラビアからそれほど日にちは経ってなかったはずですけど、きっと飲み込みが早かったんじゃないですかね。着替えもテキパキしてたし、ずっと明るいままだったし。すごくいい撮影ができたなって思いました。実際、グラビアの反応も大好評でしたね。
彼女の魅力? やっぱり常に自分で発信をし続けているところですね。その後もグラビアはコンスタントに撮影させてもらったんですけど、同時にネットでの活動を続けている。一度もお休みすることないほど精力的なのは観ていて、本当にすごいなと感服します。両方やっているから、グラビアのファンも、動画のファンも喜んでくれる。いつでも新鮮な自分を観て、楽しんで欲しいと思っているんでしょうね。
写真家・小塚毅之氏が語る、RaMuさんの週プレ初グラビア
RaMuさんの初対面の印象は、「可愛くて素直な女のコ」です。Vineの動画を観ていたので、ちょっとだけドキドキしていたんです。すごく変わったコなんじゃないか、普通にコミュニケーションが取れる女のコなかなと。だけどすべては杞憂でしたね。ハキハキしていて、すごく礼儀正しい。それでいて明るく元気いっぱい。とにかく一緒にいて、楽しくなる女のコでしたね。
この週プレのグラビアは千葉・九十九里の民宿で撮影しました。Vineなどでは破天荒なキャラを発揮していましたけど、普段は18歳の女子高生。その姿を等身大で捉えました。衣装チェックの時に水着に着替えてもらったら、体は小柄なんだけど、胸がとても大きくて、プロポーション抜群。思わず「え!?」って、驚いてしまいましたね。
覚えていること? 最初に砂浜に行って、マフラーを巻いた制服姿のカットを撮ったんですけど、それが最高に愛らしくて、すごく手応えを感じたことですね。この制服からの水着という流れで、読者は絶対、そのギャップにきっと驚くだろうなと、シャッターを押しながらワクワクしましたね。
この時のグラビアで好きなのは、やっぱりその最初の制服のカット。あとはラストページに掲載された赤い水着のカットかな。何もないシンプルな空間の中に座っていて、こちらをしっかり見つめている。その力強い視線からは「この先、上を目指していくぞ!」といっているようで、観ているとこちらも元気をもらいます。
僕は、RaMuさんの紙のセカンド写真集を、一昨年に撮影させていただいたんです。この週プレのグラビアから6年が経ちましがたそのエネルギーは変わらず、むしろより増した印象です。この先もさらにパワフルに活動し続けて、素敵な姿を見せ続けてくれるんじゃないかと期待しています。