週刊プレイボーイ創刊55周年スぺシャルインタビュー『7日間の女神たちへ!!』~2006年のほしのあき④~

“週プレ”の華はいつの時代も、その時代に生きる日本中のオトコたちの心と体をつかんだ、他の雑誌よりページ数が断然多い、そのとき日本で一番のオンナたちが彩る「グラビア」ページだった!


そんな各時代の誌面に登場してくれた“伝説のオンナ”たちに会いに行き、グラビアの魅力を改めて紐解くインタビュー連載企画。


第2回目に登場するはゼロ年代のグラビアを常にリードし続けた正真正銘のレジェンド・ほしのあきさん。なんと公の場には約8年ぶりの登場となる彼女は、数ある雑誌の表紙をジャックしていたあの頃、一体何を考えながらグラビアに登場していたのだろうか?


取材・文・インタビュー写真/大村克巳


* * *


――2007年40号のグラビア、そして41号のタイの寺院での写真と続きます。


ほしの タイの寺院では肌の露出を抑えないといけなくて、たしかこれがギリギリでしたね。


週刊プレイボーイ2007年38号より(撮影/小塚毅之)


――今だとちょっと考えられないですね。で、次に都内のスタジオのグラビアが来る。ほしのさん31歳って書いてあります。


ほしの 大人になりました。


――デビューが17歳。31歳までずっと走ってきましたね。


ほしの はい。


――いろいろやってきて、今だとアウトな「縛り」的な演出もある。


ほしの 今はダメなんですね。


――たぶんね。時代の流れでしよう。表現の縛りがある。


ほしの 厳しくなってきたんですね。


――そうです。それが良いとか悪いとか簡単には話せないですけど。2008年のグラビアでは、私写真的な演出の作品になってますね。納豆食べてるし。


週刊プレイボーイ2008年51-52号より(撮影/小塚毅之)


ほしの これはメイクさんのお家だったと思います。


――みんなでアイデアを探している感じですね。そして2010年、これが僕の手元にある資料では最後の週プレです。60年代のヒッピー風の作品です。こう全部見ていくと、年齢的にいつが一番きれいとか言えないです。全部いいから。週プレを含む男性誌でなかなか「ほしのあき」を超える人は出てこない気がします。グラビアアイドルとしてね。


ほしの そう言っていただけると嬉しいです。


――人生の折り返しに来て、グラビアアイドルをしてきたことをどんなふうに捉えてますか?


ほしの うーん、17歳から20歳までティーン雑誌をやって、20歳までやって、その後、もちろんお姉さん雑誌のモデルも考えましたが、身長が足りなくて。じゃあタレントで行こうって、でも仕事がなくって。その時期が長く感じます。


童顔っていうのもコンプレックスで、さらに猫背でした。他人の視線も気になって。でもグラビアと出会って「そこがいい」って言われて。それが仕事になっていく。自分を生かせるって思ったんですね。「あ、いいんだ」って、自分を肯定できる場所がグラビアでした。


――グラビアで評価されて、グラビアアイドルの女王という言われるまでになった。すごいことです。素の自分とグラビアアイドルとしての自分の、ギャップに疲れることはなかった?


ほしの 全くなかったです。自然体で楽しみながらやってこれました。


――才能ですね。


ほしの 苦に思ったこと、一度もないです。



――すごいね。今、家庭を持って母になって、価値観が変わったとかありますか?


ほしの 何も変わってないですね。基本的に。美しくいたいということは、自分がだらしなくなってはいけないということだと思ってます。幸せの感じ方も、歳を重ねて大切にすることが変わってきました。グラビアの時は自分が一番大切でした。でも結婚して子供ができて、大切なものが変ってきましたね。


――そうですよね。こんな時代だからこそ、その言葉は刺さります。グラビアアイドルを全力でやって有名になった、そのことで不自由を感じたことはありましたか?


ほしの いえ、ほんと好きにやらせてもらって。とくに不自由を感じることはありませんでした。


――久しぶりの撮影はいかがでした?


ほしの もう8年ぶりでしょうか。楽しいけど体が動かない。ストロボのテンポに体が反応しない(笑)。8年間、「三浦亜希」として生きているので。


――今、何かこれまでの経験を踏まえてやりたいこととかあります?


ほしの まだまだ子供が小さくて、大切なものが自分じゃなくって、守るものができて。今は心に余裕がありません。余裕ができたらいろいろやりたいことも出てくると思いますが。


――なるほど。ほしのあきさんのファンの方には「思い出にしまっといて」という感じですね。


ほしの そうですね。思い出にしまっておいてほしいです。グラビアをやってて良かったです。この頃の自分を残せて……楽しい思い出です。


* * *


8年ぶり。あまりにも長い月日が流れ、時代も変わった。


「ほしのあき」は「三浦亜希」に変わった。けれども美しさとかわいさはあの頃のままだ。

彼女が愛される理由はわかる。それは、彼女がスタッフやファンを愛してきたからだ。


インタビューが終わる頃、同席していた週プレの20代女性スタッフが彼女の大ファンだと恥ずかしそうに告げると、「ありがとう、お若いのに」と優しく微笑んだ。


幸福になるためには、不幸に耐える術を身につけることだ。

今、輝いている彼女を見つめて、そのことを強く感じた。



●ほしのあき

1977年3月14日生まれ。東京都出身。

高校時代にティーンズ誌『プチセブン』の専属モデルとしてデビュー。

2001年頃よりグラビアで人気に火が付き「最年長グラビアアイドル」として数々の雑誌の表紙をジャック。

その活躍は雑誌だけにとどまらずバラエティ番組でも大活躍した。一児の母。


●大村克巳(おおむら・かつみ)

1965年、静岡県生まれ。写真家。

1986年にJPS展金賞受賞し。99年ニューヨーク・ソーホーでギャラリーデビュー。

2002年日韓交流事業「済州島」を日本と韓国で発表し、

2009年から2017年より毎年「NEWS ZERO展」を開催する。

個展、グループ展の開催多数。

著書に写真集『伝言 福山雅治』(集英社)、

『はだしのゲン 創作の真実』(中央公論新社)など。


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衣装/黒ワンピース 29,000円 sov.

白ワンピース 68,000円 CORCOVADO

お問い合わせ先 株式会社フィルム TEL 03-5413-4141



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