『グラビア美女画報~女子のためのグラビア講座』第12回 生涯『グラビアアイドル』ほしのあきと2000年代グラビアにみる圧倒的エンタメ感

グラビアライター・とりとグラジャパ!スタッフ・金髪りさによるグラビア好き女子ふたりが、気になるグラビア美女やデジタル写真集を女子目線で語るコラム。第12回は、ほしのあきさんをピックアップ! 生涯『グラビアアイドル』ほしのあきと2000年代グラビアにみる圧倒的エンタメ感。


世代を超えて愛されるグラビアアイドル


とり デジタル写真集『ほしのあき×週プレ【2004~2010グラビアアーカイブス】』。その名の通り、2004年から2010年の間、週プレに掲載されたほしのさんのグラビアが厳選収録されているほか、当時の表紙からグラビアポエムまで、完全再録されている豪華なデジタル写真集です!


金髪 本作のリリースに合わせて、週プレプラス!内の連載コラム『7日間の女神たちへ!!』には、ほしのさんのインタビューも掲載されています。ほしのさんがメディアに登場されるのは実に8年ぶり。私、この貴重なインタビューに同席させていただいたんですよ。当時からお変わりない美しさとテレビで見ていたまんまの明るさに感動して、ますます好きになっちゃいました。


とり 金髪さんはほしのさんの大ファンですもんね。当時からグラビアもチェックされていたんですか?


デジタル写真集『ほしのあき×週プレ【2004~2010グラビアアーカイブス】』より(以下、同)


金髪 見ていましたよ。最初にほしのさんの存在を知ったのはテレビがきっかけだったと思うけど、子どもの頃からコンビニで週プレを立ち読みしていた記憶があります。このカットなんて携帯の待ち受けにしていましたから。今見返しても、やっぱりかわいいなぁ……。


とり だいぶおませな子どもですね(笑)。


金髪 とりさんも好きだったでしょ?


とり そうですね。グラビアこそチェックしていなかったものの、ほしのさんは私にとって女体の原風景です。まだ小学生だったか、もしくはもっと子どもの頃だったかもしれません。テレビでほしのさんを見て、「大人になったら、こんな魅力的な体になれるんだ」と小さな憧れを抱いていました。


金髪 大きな胸に細いクビレ。大人になったからと言って、簡単に手に入れられるスタイルではないですけどね(笑)。


とり そうなんですよね。大人になって改めてほしのさんを見たとき、その驚異的なスタイルの良さに驚かされました。グラビアはもちろん、テレビにも映えるキャッチーなエロさが魅力的ですよね。

見ていてワクワクするような。そんなスタイルを活かして、どの番組でも常に胸を出した衣装で登場されていたのが印象的でした。例えば、情報番組でみんながカッチリとした服を着ているなか、ほしのさんだけは毎回水着で登場されていて。不思議な光景で面白かったなぁ。


金髪 何なら、誰も頼んでいないのに自ら胸を揺らして、周りから「揺らすな!」ってツッコまれていましたよね(笑)。いつでもどこでも「グラビアアイドル・ほしのあき」でいてくれる安心感。

『7日間の女神たちへ!!』では、「生涯『グラビアアイドル』がいいから、職業欄を『タレント』にはしないでほしい」と事務所に言っていたと語られていましたよ。誇りを持ってグラビアアイドルという職業を全うされていた事実に、頭が上がりません。


とり 私たちが子どもながらにほしのさんを好きになったのは、グラビアアイドルとして突き抜けた存在だったことが大きいかもしれないですね。「ほしのあきといったら、胸を強調しているセクシーで楽しい人だ」っていうのが分かりやすかったから。


金髪 分かりやすいっていうのは大事だよね。ただ、バラエティ番組ではいじられキャラなイメージがあるのに、週プレのグラビアだと笑顔の写真が全然ないんですよね。そこもほしのさんの凄みで、バラエティとグラビアの需要をうまく線引きした上で、それぞれの場所で求められる姿を見せていたんだと思います。

やっぱり、バラエティのテンションでグラビアに写っていたら、グラビアアイドルとしてのエロさや女っぽさを感じてもらえないじゃないですか。自分の見られ方をちゃんと理解していたから、バラエティとグラビアの両立ができたんだろうし、どちらの需要も絶えなかったんだと思うんですよね。



とり なるほど。言われて見ると、本作に収録されているグラビアには笑顔の写真が全然ないですね。この「ほしのあきを連れ去ってみた」というコンセプトで撮られたグラビアも、バラエティでは見せることのないシリアスな表情からハラハラとしたスリルを感じます。こんな風に与えられたコンセプトに沿って突き抜けられたら楽しいんだろうなぁ。いろんな自分に出会えそうで。


金髪 ほしのさんはとにかく「いい作品を残すこと」に注力されていたように思います。写真を撮られるときは、どうしても顔の写りや角度が気になってしまうもの。でもほしのさんは、この作品で撮りたい絵はどんな絵なのかを察することで、作品としていいものに仕上がるよう、写りに対して寛容に、躊躇いなく撮影に挑まれていたんじゃないかなぁ。それはバラエティも同じくで、芸人さんから無茶振りをされても「えー」なんて言いながら、ほしのさんなりに面白おかしくやり切っていました。

グラビアだとこんなにセクシーなのに、バラエティではパンスト被って堂々と変顔を見せちゃうんだから。この潔さこそほしのさんの魅力だし、今回改めて好きだと感じたポイントでしたね。


意味なんてなくていい。面白ければそれでいい



とり 本作は、過去の週プレに掲載されたグラビアがそのまま楽しめるところも見どころですよね。私はカメラマンさんに注目してグラビアを見ることもあって、特に小塚毅之さんの写真がすごく好きなんですけど、10年近く前の写真を見ても、今感じる小塚さんらしさが残っていて興奮しました(笑)。

ドキュメンタリーチックで生々しい感じというか……。この納豆を食べているカットも、プライベートの何気ない光景に見えて、「キッチンでそのまま立ち食いしているワイルドな一面を見てしまった。そして目が合ってしまった」という緊張感と色っぽさがあって、ドキッとしました。



金髪 過去のグラビアで、今も活躍されているカメラマンさんの名前が見られると楽しいですよね。私は、当時の時代感が溢れているポエムが読めるのも本作の面白さだと感じました。見てください。このカットには「明日の仕事も心配したいが、寝かせるつもりもない」と書かれています。まるで小説の一節のようで、めちゃくちゃ面白くないですか(笑)?


とり ほかのポエムを見てみると”あき”呼びなのが気になりました。父親っぽいような、元カレっぽいような。この距離感、今のグラビアではなかなかないですよね。思わず笑っちゃいました。


金髪 時代もあると思うけど、上から目線の言葉が多くてツッコみたくなりますよね(笑)。また、ほしのさん曰く2000年代は”女教師”や”ナース”がコンセプトの撮影をかなりされていたと聞きました。最近のグラビアは、シンプルな水着グラビアが多いように思いますが、当時はそういったコスチュームに需要があったんでしょうね。


とり 今は”女のコ自身を撮る”って風潮が強いのかもしれませんね。女のコの内面やマインドを写すために、衣装はシンプルに、より美しさを際立たせるものが選ばれているような印象です。こうして見返すと、グラビアアイドルに求められる形やグラビアの活動を通して目指すものの変化を実感しますね。


金髪 2000年代はほしのさんのほかにも、熊田曜子さんや井上和香さんなど、”グラビアアイドルとして”有名な方がたくさんいるけど、今のグラビアアイドルのコたちを見ていると、「生涯『グラビアアイドル』でいたい」というより、女優やモデルになるきっかけの一つとして取り組んでいるコが多いですよね。そのためか、正統派で分かりやすいグラビアが増えている気がします。でも、やっぱり私はツッコミがいのあるグラビアが好きですよ。そういう意味で本作は、ツッコミどころ満載で、見ていて本当に楽しいです。


とり 分かりにくければ分かりにくいほど、目を引きますよね。それにしても金髪さん、過去のコラムのなかでいちばんテンションが高い気がします(笑)。


金髪 幼少期の頃、ほしのさんのようにパンストを被って、堂々と変顔をして、ツッコまれるような女性になりたいと思っていたくらい憧れの人なので。実際ににお会いして、テレビで見ていたまんまのイメージだったのは、素直に嬉しかったなぁ。「好きな人が優しかった PEACE!」って感じで(笑)。


とり 「うれしい出来事が増えました」ですね(笑)。2000年代、いい時代だなぁ……。


金髪 とりさん的に、2000年代のグラビアの印象ってありますか?


とり そうですね。私はこのコラム内でたびたび独自の妄想を展開していますけど、2000年代のグラビアはまた妄想の広げ方が違うと感じます。例えば、「なぜ、ほしのさんがこんなシチュエーションでグラビアを撮っているのか?」と考えると「楽しいから」「純粋に面白いから」みたいなポップな理由が先に浮かぶんです。

最近のグラビアだったら「そのシチュエーションに何か意味があるのではないか?」と考えてしまうのに対し、2000年代のグラビアを見ていると「意味なんてなくていい。楽しければ、面白ければそれでいいんだ」と納得してしまうというか。それが2000年代らしくて好きなんですけどね。


金髪 時代感覚の違いもあるんですかね。”女教師”や”ナース”をたくさんやったっていうのも、需要があるのと同時に、それが楽しくて面白かったからなのかも。


とり 冷静に考えるとくだらないことを単純に「面白いから」って理由でやっちゃう感じ。この感覚は今の時代ではなかなか生まれにくいから、ちょっと羨ましくもあります。私も自分のなかでブレーキをかけすぎてしまうことがよくあるんです。「これはさすがにダメなんじゃないか?」って。

悪いことではないですが、「ダメじゃないか?」ってことで空ぶった先に大きなヒットがあるはずだとも思うんですよね。時代が違うとはいえ、クリエイティブな感覚として2000年代のエンタメはとても参考になるし、やっぱり最高ですよ。


金髪 分かります。当時のグラビアやグラビアに添えられたポエムを見ていると、過去の作品とはいえワクワクしてきますよね。ほしのさんを懐かしむ気持ちで見るのもアリだし、今とは違う時代感覚を楽しむのもいい。本作は、そんな2000年代の空気を味わうのにうってつけの一冊ですね。


*第13回は、7月3日(土)配信予定です


(構成/とり)


ほしのあき×週プレ【2004~2010グラビアアーカイブス】

価格/2200円(税込)

2000年代のグラビアを代表するレジェンド・ほしのあきさんが週プレに残した数々のグラビアを厳選収録した貴重すぎるデジタル写真集。当時の表紙や誌面がそのまま見られるため、時代感たっぷりなポエムまで堪能できます。そして「やっぱりほしのあきってスゴい!」と再確認させられます。

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